次期GT-R「R36」の開発が中止されたという噂が広がり、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。17年間フルモデルチェンジされていない現行R35の歴史、そして電動化の波が、こうした噂をさらに加速させています。しかし本当に、R36の開発は止まってしまったのでしょうか?
この記事では、「開発中止」と言われる理由や背景、日産の公式な姿勢、そしてR36の発売時期や価格、注目のNISMO仕様やデザイン評価まで、気になる情報を徹底的に解説します。
読み終えたころには、R36の“真の姿”と、GT-Rが次の時代にどう進化していくのかが、きっと見えてくるはずです。
1. GTR R36は本当に開発中止されたのか?
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1-1. 「開発中止」という噂が出たきっかけ
GTR R36の開発が「中止されたのでは?」という噂が広まったきっかけは、現行モデルであるR35型GT-Rが17年間にわたりフルモデルチェンジされていないという状況にあります。R35は2007年のデビュー以降、マイナーチェンジや限定モデルの投入で延命されてきましたが、大幅な刷新は行われていませんでした。この長すぎるモデルライフに、多くのファンが「次期モデルはもう出ないのでは」と不安を抱き始めたのです。
加えて、近年の自動車業界では「電動化」への大きなシフトが進んでおり、従来の高性能ガソリンスポーツカーは立場が厳しくなりつつあります。日産も電動車の開発に力を入れていることから、「GT-Rというモデル自体が終わってしまうのでは?」という懸念が噂を後押ししました。結果として、「開発中止」という言葉が独り歩きし、事実ではない情報がSNSや一部メディアを通じて拡散されることになったのです。
1-2. モデルチェンジ遅延と17年の空白がもたらした誤解
R35 GT-Rがこれほどまでに長期間改良型でつなげてきたことには、それなりの理由があります。GT-Rはもともと非常に完成度の高い車両であり、基本設計が優れていたため、マイナーチェンジで十分に戦える性能を維持してきました。しかし、ライバルたちが次々とモデルチェンジを繰り返す中で、R35は徐々に「時代遅れ」との声も出るようになります。
特にEVやハイブリッドスーパーカーが次々と市場に投入されるなかで、GT-Rが変わらないまま存在し続けることに対して、進化を止めたのではという印象が広がりました。こうした市場環境の変化と、新型情報がなかなか出てこない状況が重なり、「R36はもう出ない」「開発は止まった」という誤解が根強くなったのです。
1-3. 日産の公式見解と今後の開発体制
実際のところ、日産はR36の開発を中止していません。むしろ、「次世代GT-R」の開発は確実に進行しており、日産もその方針を明言しています。これまでに発表されたコンセプトモデル「ハイパーフォース」は、日産が未来のGT-Rにどういったデザインや技術を採り入れようとしているのかを示すヒントとなる存在です。
日産は今後、GT-Rに求められる「圧倒的な走行性能」と「環境性能の両立」を実現するため、ハイブリッドや電動パワートレインを積極的に検討していくとしています。また、全固体電池技術や先進の4輪制御システム「e-4ORCE」などの投入も視野に入れており、これはGT-Rを“未来志向のスーパーカー”として再定義する動きとも言えるでしょう。
開発体制においても、GT-Rは依然として日産のフラッグシップとして重要視されており、今後もその魂を受け継いだモデルとしてR36の登場が期待されています。
2. R35型の生産終了とその背景
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2-1. 2025年に幕を閉じるR35の歴史
2007年に登場したR35 GT-Rは、世界中のカーエンスージアストを驚かせた一台でした。発売当初、3.8L V6ツインターボエンジンと先進の4WDシステムを搭載し、0-100km/h加速はわずか3秒台。価格と性能のバランスから「コストパフォーマンス最強のスーパーカー」と称され、各国で話題を呼びました。
そんなR35も、2025年にいよいよ生産終了となることが発表されました。17年間という異例の長寿を全うし、その間に数々の限定モデルやNISMO仕様が登場しながら、常にGT-Rらしさを貫いてきたモデルでした。これにより、次世代モデルへの注目が一気に高まっています。
2-2. 環境規制と技術的限界が影響した要因
R35の終焉には、厳しくなる環境規制が大きく影響しています。特にヨーロッパや中国を中心に進む排出ガス規制や騒音規制は、スポーツカーにとって大きなハードルとなります。R35のパワフルなエンジンは魅力的ですが、現行の基準をクリアするのはますます難しくなっていました。
加えて、近年では自動ブレーキや車線維持支援などの先進運転支援システムの搭載が求められており、R35の基本設計ではそうした技術に十分対応できないという限界もありました。こうした背景から、現行モデルを終わらせ、次世代技術を盛り込んだR36へと進化することは、避けられない流れとなったのです。
2-3. GT-Rに求められる「次世代性能」とは
次世代GT-R、つまりR36に求められているのは、単なる高性能スポーツカーではありません。電動化の波に対応しながらも、GT-Rとしての“走る楽しさ”や“圧倒的な加速性能”を失わないことが最重要とされています。
例えば、全輪駆動制御「e-4ORCE」や、アリアに搭載されているような電動ドライブ技術を応用することで、より高度なトラクション制御と環境性能の両立が期待されています。また、従来の3.8L V6に代わるハイブリッドユニットや、将来的には全固体電池を活用したピュアEVモデルの可能性も視野に入れられています。
それにより、GT-Rは「過去の遺産」ではなく、「未来を切り拓くスーパースポーツカー」として再出発することが求められているのです。R36が実現する「次世代性能」こそ、今後のGT-Rの真価を決める鍵となるでしょう。
3. R36開発の現在地:どこまで進んでいる?
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3-1. コンセプトカー「ハイパーフォース」が示す未来像
現在、次期GT-Rの存在を感じさせる象徴的な存在となっているのが、日産が発表したコンセプトカー「ハイパーフォース」です。このモデルは、従来のGT-Rとは一線を画すような近未来的なデザインを特徴としており、車両全体にカーボン素材を大胆に使い、軽量化と剛性の両立を実現しています。また、見た目のインパクトだけでなく、パフォーマンス面でも驚異的なスペックを誇ることが想定されており、まさに次世代スーパーカーにふさわしい一台といえるでしょう。
「ハイパーフォース」は単なるデザインスタディではなく、R36の方向性を示す意味合いが非常に強いとされています。とくに、フロントマスクに現代的な解釈のGT-Rらしい面影を残しつつ、シャープで未来的なボディラインは、これからのGT-Rがどうあるべきかを提示しているようにも見えます。このモデルはR36のデザインベースとして活用される可能性が高く、多くのファンがその動向を注視しています。
3-2. 電動化とハイブリッド化の可能性
GT-Rという名を冠するモデルにおいて、電動化はもはや避けて通れないテーマになっています。日産はすでに複数のEVモデルを市場に投入しており、先進的な電動化技術を豊富に持っています。そのため、R36がハイブリッドモデルやEVとして登場することは十分に現実的です。
特に注目されているのは、ガソリンエンジンと電動モーターを組み合わせたハイブリッド構成です。これにより、従来のGT-Rらしい力強い走りと、次世代に求められる環境性能の両立が可能になるからです。完全EV化も将来的には視野に入っており、日産が開発を進める「全固体電池」が実用化されれば、パフォーマンスと航続距離の両面で革命的な進化が期待できます。
電動化はGT-Rの伝統的な価値観を大きく変える要素ですが、それでも“走り”というコアの魅力を失わない形で進化することが強く求められています。
3-3. 公式に「開発中」とされる理由と証拠
GT-R R36の開発が中止されていないことについては、日産自身のコメントが最大の証拠となります。公式には明言されていないものの、同社の幹部が「次世代GT-Rの開発は確実に進行している」と語っている場面もあり、社内ではプロジェクトが水面下で継続していることが示唆されています。
また、R35の生産終了発表に合わせるかのように、「次を見据えた動き」が見られる点も注目すべきです。日産は明確に次のステージを意識した技術開発に取り組んでおり、その一環として「ハイパーフォース」のような提案型モデルを提示しています。これらの動きが単なる実験やショーモデルでないことは、GT-Rというブランドの重みを考えれば明らかでしょう。
日産がGT-Rを完全にやめるという判断をしていないこと、そして次世代の開発が明確に続けられていることは、複数の発言や公開情報から読み取ることができます。これこそが、「R36は開発中止されていない」と断言できる根拠です。
4. 技術革新:R36に搭載が期待される装備とは
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4-1. 日産独自の「e-4ORCE」制御技術とは
R36に搭載が期待されている代表的な技術の一つが、日産独自の4輪制御技術「e-4ORCE(イーフォース)」です。このシステムはすでに電動SUV「アリア」などで実用化されており、前後2つのモーターを使った電動AWD制御により、走行安定性と快適性を両立することが可能です。
e-4ORCEは、ブレーキング時やコーナリング時に車両の姿勢を積極的に制御し、車体の揺れや滑りを抑える役割を果たします。これは、従来のGT-Rが持っていた鋭い加速や高いトラクション性能に加えて、よりスムーズで安心感のあるドライビング体験を提供するものとして期待されています。
また、電動制御ならではの即応性を活かして、コーナリング性能や車両応答性が飛躍的に向上することが見込まれており、次世代GT-Rにふさわしい最先端の技術といえるでしょう。
4-2. 全固体電池搭載の可能性と市場影響
次期GT-RがEVとして登場する場合、カギを握るのが「全固体電池(ソリッドステートバッテリー)」です。日産は2028年頃までにこの全固体電池の実用化を目指しており、R36がこの技術を初搭載する市販スポーツカーとなる可能性もあります。
全固体電池は、従来のリチウムイオン電池に比べてエネルギー密度が高く、急速充電にも対応しやすいというメリットがあります。また、バッテリー自体が小型・軽量化できるため、車両全体の設計自由度が高まるほか、重量バランスの最適化にも貢献します。
この技術がGT-Rに搭載されれば、単なる高性能EVではなく「未来型スポーツカー」として新たな地平を切り拓く存在になり得ます。市場に与えるインパクトも極めて大きく、日本国内はもちろん、グローバルでも注目を集めるでしょう。
4-3. エアロダイナミクスと新デザイン要素
R36では見た目の進化も大きなポイントとなります。これまでのGT-Rは“力強さ”や“武骨さ”が魅力とされてきましたが、次期モデルでは空力性能と先進性を両立させたデザインが求められています。
「ハイパーフォース」でも確認されたように、フロントバンパーのエアダクトやリアディフューザーの形状は、冷却性能とダウンフォースの両立を目指した設計になっており、これがR36の市販モデルに反映される可能性は高いです。加えて、カーボン素材の積極的な採用により軽量化も進められると考えられます。
また、テールランプやサイドシルエットなど、伝統的なGT-Rの“DNA”を残しつつも、未来感を演出することが意識されており、これまでのイメージを一新する革新性も感じられます。デザインにおいても、R36は技術革新の象徴となる存在になるでしょう。
5. 気になる発売時期と価格予想
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5-1. 発売は2028年?日産の技術ロードマップとの関係
R36 GT-Rの発売時期については、2028年頃という見方が濃厚になりつつあります。これは、単なる業界の憶測ではなく、日産が掲げる技術ロードマップと密接に関係しています。具体的には、日産が全固体電池の実用化を目指しているタイミングが2028年であり、このバッテリー技術は次世代GT-Rにも採用される可能性が高いとされています。
また、現行R35型の生産が2025年で終了予定とされていることから、開発から市販化までに数年の準備期間を設けると考えると、2026〜2028年頃のデビューは非常に現実的なスケジュールです。R35も開発開始から市販までに数年を要したことを踏まえると、同様のプロセスを辿ることになるでしょう。
さらに、日産がコンセプトモデル「ハイパーフォース」を発表したことも、この時期の市販化を予感させる要因の一つです。このモデルは、ただの展示用ではなく、次世代GT-Rの技術的およびデザイン的な方向性を示す具体的な布石と見られており、2028年という節目に向けての開発が進んでいると考えられます。
5-2. 価格は1,500万円超?技術進化がもたらすコスト
次世代GT-R、すなわちR36の価格についても注目が集まっています。現行R35の最終モデルが1,400万円前後からの価格帯であることを考えると、R36は1,500万円以上になる可能性が高いと予想されています。
その理由として、まず挙げられるのが、搭載されるであろう最先端技術の数々です。e-4ORCEのような高度な四輪制御技術や、もし全固体電池が採用されるとなれば、それだけでも大きなコストアップ要因となります。さらに、車両全体の軽量化を図るためにカーボン素材を多用したり、空力性能を最適化するエアロパーツなどを採用することで、車両原価が大幅に上昇することは避けられません。
また、環境性能を高めるためのハイブリッドシステムや電動パワートレインの採用も、製造コストに大きく影響します。そのため、R36はもはや“手の届くスーパーカー”ではなく、限られた顧客層向けのハイエンドモデルへと進化していく可能性があります。
ただし、価格が高騰する一方で、それに見合った性能や装備が提供されることも確実です。圧倒的な走行性能に加え、未来的な装備とプレミアムな仕立てが盛り込まれたR36は、まさに“新時代のGT-R”と呼ぶにふさわしい存在になるでしょう。
5-3. 限定モデル・特別仕様車の登場予測
R36 GT-Rの市販化にあたっては、ベースグレードに加えて、特別仕様車や限定モデルの投入も十分に考えられます。これは、過去のGT-Rシリーズでもたびたび行われてきた手法であり、特にR35では「Track Edition」や「NISMO Special Edition」などが話題を呼びました。
R36においても同様に、標準仕様とは別に「初回限定モデル」や「開発記念仕様」などが登場する可能性が高く、これらは希少価値の高いコレクターズアイテムとなることが予想されます。また、ハイブリッド構成を活かしたパフォーマンス強化モデルや、サーキット仕様のストリートリーガルバージョンなど、バリエーション展開にも期待が持てます。
さらに、全固体電池の実用化が進めば、その搭載第一号として「限定EV仕様GT-R」が登場するシナリオも十分あり得ます。こうした特別モデルは、GT-Rのブランド価値を高めると同時に、将来的な中古市場でも高い評価が付くことが想定され、ファンやコレクターの注目を集めるでしょう。
6. R36ニスモ(NISMO)モデルの可能性
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6-1. R35 NISMOの実績から読み解くR36版の方向性
R36において、NISMOモデルの登場はほぼ確実と言ってよいでしょう。R35でも、NISMOバージョンは最上級グレードとしてラインナップされ、サーキット性能と公道での走行性能を高い次元で両立させてきました。その実績は、ニュルブルクリンク北コースでのタイムアタックなどを通じて、世界的に評価されています。
R36 NISMOでも、これまでのコンセプトを踏襲しながら、より高度なパフォーマンスが期待されます。たとえば、足回りやサスペンションの強化、カーボン製エアロパーツの装着、さらにはソフトウェア制御による最適化など、モータースポーツの技術がそのまま公道車に落とし込まれる形になるでしょう。
日産にとってNISMOは単なるブランドではなく、レース技術を市販車に還元するための重要な部門です。よって、R36でも最高性能を追求する象徴としてNISMO仕様が設定されるのは必然といえます。
6-2. モーター×チューニングの融合?NISMOの新戦略
R36では、電動パワートレインの導入が確実視されているため、NISMOモデルもこの変化を受けて大きく進化することになります。特に注目されるのは、モーターとNISMOのチューニング技術がどのように融合するかという点です。
従来の内燃エンジンでは、ターボチャージャーや吸排気系の改良が性能向上の鍵でしたが、電動モーターではトルク制御やバッテリー出力の最適化がパフォーマンスに直結します。つまり、NISMOの役割も「ハードウェアの強化」から「ソフトウェアとエネルギーマネジメントの最適化」へとシフトしていくのです。
この結果、R36 NISMOは今まで以上に高度な制御と統合技術によって、走行性能だけでなく操作性や安定性でも他を圧倒するモデルに進化する可能性があります。モーターによる即応性や駆動力配分の精密な制御は、まさに電動スポーツカーならではの強みであり、NISMOのチューニングが活きる領域となるでしょう。
6-3. サーキット仕様の進化に期待
NISMOモデルの最大の魅力は、やはり「公道でも乗れるサーキット仕様車」である点です。R36 NISMOにおいても、そのコンセプトは継承されると見られ、さらなる高性能化が期待されます。空力性能を最大化した外装や、トラック専用セッティングのサスペンション、ブレーキ冷却機構など、レースで培ったノウハウが随所に活かされるでしょう。
特に、電動化が進むことで、制御システムを活用したコーナリング性能や加速性能のさらなる強化が可能となります。NISMOが持つシャシーチューニング技術と、電動ドライブによる新しい駆動制御が融合すれば、GT-Rはこれまでにない次元のドライビングプレジャーを提供できるはずです。
さらに、将来的には「Track Edition」や「クラブスポーツ仕様」など、より本格的なレース志向のバリエーションも登場するかもしれません。サーキットで真価を発揮しながら、公道でも合法的に走れるR36 NISMOの進化に、大きな期待が寄せられています。
7. デザイン評価:「ダサい」論争の実態
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7-1. 保守派ファンの反応とデザイン変化の衝撃
R36のデザインに対する意見は、賛否が大きく分かれています。特に、歴代GT-Rを愛してきた保守派のファンにとっては、急激なデザインの変化に戸惑いを覚える声が多く聞かれます。GT-Rはこれまで、武骨で実用性を重視した“直線的な力強さ”をデザインの特徴としてきました。R32・R33・R34に共通する「直線的かつ無駄を削ぎ落とした造形」は、ある意味でGT-RのDNAとも言えるものでした。
ところが、次期R36ではその常識が大きく揺らいでいます。コンセプトモデル「ハイパーフォース」では、空力を徹底的に追求した未来的なフォルムが採用されており、鋭く斜めに切れ込むラインや、極端なダウンフォース重視のディフューザーなどが印象的です。こうした変化に対して、「もはやGT-Rではない」「どこかの海外EVのようだ」といった否定的な意見が出ているのも事実です。
ただし、この反応は、新しい世代のGT-Rが目指す方向性に対しての驚きの裏返しとも言えます。進化には常に抵抗がつきものですが、それを乗り越えることで、新しい魅力が生まれる可能性もあるのです。
7-2. ハイパーフォースから感じる未来志向
「ハイパーフォース」によって示された次世代GT-Rのビジュアルは、単なるデザイン実験ではなく、確実に実用化を見据えたものです。全体的なフォルムは滑らかな曲線と鋭利なエッジが組み合わさった近未来的スタイルで、これまでのGT-Rの「機能美」とはまた違った、新たな“アートと機能の融合”を感じさせます。
デザイン上で特に注目されているのが、フロントマスクの大きな開口部とフローティング風のフェンダーデザイン、そして電動車らしいクリーンなサイドラインです。これらはすべて、冷却効率と空力性能を最大限に高めるために設計されており、単なる見た目の奇抜さを狙ったものではありません。
また、インテリアにも未来的なコンセプトが盛り込まれており、デジタルインターフェースを中心に構成されたコクピットや、戦闘機のようなステアリングなどが特徴的です。こうしたアプローチは、次世代のGT-Rが単なる“スポーツカー”ではなく、“ハイパフォーマンス・インテリジェンスマシン”として進化していくことを感じさせてくれます。
7-3. アイコニックなテールライトは継承されるか
長年GT-Rの象徴として愛されてきた「丸型4灯テールライト」は、ファンにとって非常に重要な要素です。R32からR35まで、一貫してこのデザインが踏襲されてきたことが、GT-Rらしさの大きな柱となっていました。R36でもこの伝統的な意匠が継承されるのか、という点に多くの注目が集まっています。
「ハイパーフォース」では、従来の丸型4灯を再解釈したようなデザインがリアエンドに採用されており、完全な円形ではないものの、円をモチーフにしたLEDグラフィックが組み込まれています。この点からも、GT-Rの過去と未来をつなぐ象徴的なアイコンとして、何らかの形で“丸型テール”が残される可能性は非常に高いといえるでしょう。
伝統を尊重しつつも、技術革新や時代のニーズに応じたデザインの進化。それがR36における最大のチャレンジであり、同時にGT-Rというブランドの未来を支える重要な試みなのです。
8. 次期GT-Rに寄せられる期待と課題
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8-1. 電動化と走りの両立は可能か
GT-Rが電動化する――このニュースは、多くのファンにとって衝撃的なものでした。しかし、今や世界中の自動車メーカーが電動化へと大きく舵を切る中、GT-Rといえどもその波に抗うことはできません。ただし、「電動化=走りがつまらなくなる」という図式が、次期R36にそのまま当てはまるとは限らないのです。
すでに日産が展開しているe-4ORCE技術やアリアなどに搭載されている高出力モーター技術は、非常に優れたレスポンスと制御性を実現しています。こうしたテクノロジーをGT-Rに最適化して導入すれば、むしろ“走りの次元”がもう一段上がる可能性すらあるのです。瞬時に立ち上がるトルク、緻密な駆動制御、制動時の安定感など、内燃機関では得られなかった新しい走行体験が提供されるかもしれません。
GT-Rが持つ“加速の衝撃”をどう再現・進化させるか――ここが日産の開発陣にとって最大の課題であり、同時に最大の可能性でもあります。
8-2. サウンド・フィーリングの継承問題
電動化における最大の課題の一つが、「サウンドとフィーリングの喪失」です。GT-Rといえば、V6エンジンが奏でる重低音のエキゾーストノートや、シフトチェンジの振動・体感的なレスポンスが魅力の一つでした。EVではそれが大きく変わってしまうため、ファンからは「GT-Rらしさがなくなるのでは」と心配する声も多く聞かれます。
この問題に対して、日産は今後、人工的に音を生成する「サウンド・ジェネレーター」や、トルク応答性を高めたモーター制御技術などを駆使することで、“感覚的な走り”を再構築する必要があります。視覚や触覚に加えて、“聴覚”まで含めた総合的な運転体験をいかに作り出すかが、次世代GT-Rの重要なテーマとなるでしょう。
また、走行モードに応じて音やパワーデリバリーが変化するような演出が施されれば、従来のGT-Rファンを納得させるだけでなく、新しい層のファン獲得にもつながるかもしれません。
8-3. 世界のスーパーカーと戦えるか?今後の展望
R36 GT-Rに求められるのは、単なる電動化対応ではありません。それ以上に、“世界の最先端スーパーカーと正面から競える性能”が必要です。現在、テスラの「モデルS プラッド」やポルシェの「タイカン ターボGT」など、電動スーパーカーは確実に進化しており、GT-Rもそれらと同じ土俵に立たなければならないのです。
これに対抗するためには、単なる馬力やトルクではなく、パッケージ全体としての完成度が問われます。例えば、優れた電費性能、高速域での安定性、熱マネジメント、ソフトウェア制御の精度、そして何より“運転する楽しさ”。こうした複合的な性能で勝負できるクルマこそ、次世代GT-Rに求められているものです。
日産はGT-Rを単なる商品としてではなく、ブランドの象徴、そして日本の技術力を示すフラッグシップモデルとして育ててきました。その誇りを背負い、世界に挑む“電動スーパーカー版GT-R”の誕生が、今、多くの人々に期待されています。
9. まとめ:GTR R36に対する正しい理解と展望
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R36 GT-Rの開発が中止されたという噂は、誤解や憶測が生んだ情報にすぎません。実際には、日産は次世代モデルの開発を継続しており、電動化を中心とした技術革新を背景に、新しいGT-R像を構築しています。「ハイパーフォース」によって示されたビジョンは、その先駆けとしての意味を持ち、発売時期は2028年頃が有力視されています。
デザインの変化や、電動パワートレインの導入に対して戸惑いや反発の声もありますが、それを乗り越えることで、GT-Rはさらに魅力的なモデルへと進化する可能性を秘めています。NISMOモデルや限定仕様などの展開も視野に入れると、今後の展開はますます楽しみです。
伝統と革新をどう両立するのか。GT-Rという名にふさわしい未来を形にできるのか。ファンとしては、その答えが市販モデルとして登場する日を、静かに、しかし確かな期待をもって待ちたいところです。
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