2025年12月29日、両国国技館に大歓声が響き渡りました。
その中心に立っていたのは、芸人・YouTuberとして知られるフワちゃん。
しかしこの日、彼女は“芸能人”ではなく、“プロレスラー・フワちゃん”としてリングに立っていました。
2023年に芸能活動を休止して以来、約2年ぶりとなる公の舞台。
スターダムのビッグイベント「DREAM QUEENDOM 2025」での再デビュー戦は、
人気レスラー・葉月との一騎打ちというガチンコ勝負。
芸人のイメージを脱ぎ捨てて、対戦相手に深々と座礼を送ったその姿には、
リングに賭ける覚悟と本気がにじんでいました。
この記事では、フワちゃんが再デビューに至った背景から、葉月戦の詳しい試合内容、
さらには芸能活動休止の理由や今後の展望までを、徹底的に解説していきます。
1. フワちゃんが再びプロレスのリングへ
1-1. スターダム「DREAM QUEENDOM 2025」で再デビュー
2025年12月29日、東京・両国国技館にて開催された「STARDOM DREAM QUEENDOM 2025」で、フワちゃんが再びプロレスのリングに立ちました。観客で埋め尽くされた満員の会場に、フワちゃんはきらびやかな羽を背負って登場し、まさに再出発にふさわしいド派手な入場を果たします。
この大会はスターダムの年末ビッグマッチであり、注目度も非常に高い舞台。その大舞台に、いきなりシングルマッチで組まれた相手は人気選手・葉月。プロレスファンの間でも「いきなり本格派との対戦とは異例」と話題になりました。
試合結果こそ黒星に終わったものの、復帰戦としてのインパクトは絶大。芸能人としての再出発だけでなく、プロレスラーとして本気で歩んでいく覚悟が会場全体に伝わる試合内容でした。
1-2. 芸能人レスラーとしての注目度とスターダムの対応
フワちゃんは、もともと2022年10月のスターダム大会でプロレスデビューを果たしていますが、その際は「ゲスト参戦」という扱いに近いものでした。しかし、今回は明らかに違います。スターダム運営と正式に話し合いを重ね、岡田太郎社長のもと「一選手」として入団が認められたことにより、芸能枠ではなく本物のレスラーとしての道を選んだのです。
このスタンスの変化は、観客や業界関係者の目線にも表れていました。試合前からSNSや掲示板では「今回は本気」「期待できる」といった声が相次ぎ、プロレスファンの厳しい目にも耐えうる覚悟が求められていたのです。
それに応えるように、スターダム側も両国という大舞台を用意。これは新参者への温情というよりも、実力や話題性を評価した上での登用と見るのが自然でしょう。芸能人レスラーという立場を超えて、今後どこまでリング上で存在感を示していけるのか、多くのファンが注目しています。
2. なぜ今、再デビュー？フワちゃんの本気とその背景
2-1. 芸能活動休止中に深まったプロレス愛
フワちゃんは2023年に、SNS上でのお笑いタレント・やす子に対する不適切な投稿が問題視され、その後、芸能活動を自ら休止。以降、表舞台から姿を消していました。
しかしこの活動休止の期間中、彼女の中で強くなっていったのが「プロレスへの情熱」だったといいます。自身の芸風とはまったく異なる“ガチ”の世界に身を置いた初体験が、彼女の中で深く根付き、次第に「本気でプロレスをやりたい」という思いに変わっていったのです。
周囲からの反対や不安の声もあった中、それでもプロレスの世界に戻りたいという想いを貫いたフワちゃん。その芯の強さが、今回の再デビューという結果につながっています。活動休止中の「沈黙」は、決して無意味ではなかったと言えるでしょう。
2-2. 岡田社長との面会、そして正式入団決定までの流れ
プロレス復帰への第一歩は、なんと今大会で対戦した葉月への相談から始まります。フワちゃんは今夏、葉月に直接アプローチし、自身の気持ちを伝えました。そして、その意志を受け止めた葉月が橋渡しをする形で、スターダム代表・岡田太郎社長との面会が実現。
この面会の場で、フワちゃんは「芸能人としての話題作り」ではなく「一選手としてリングに上がりたい」という強い意志を示し、岡田社長もそれを受け入れたことで、正式な入団が決まりました。
11月7日に電撃入団が発表され、わずか1か月半後の12月29日にビッグマッチでの再デビューが決定。このスピード感からも、フワちゃんの本気度と団体側の期待の高さがうかがえます。
3. 葉月との試合内容を詳しく解説
3-1. 入場シーンの演出と観客の反応
試合当日、フワちゃんは鮮やかなカラーのコスチュームに、巨大な羽を背負って登場。これまでの芸能活動では見せなかったような“プロレス仕様”の姿に、観客からは大きな歓声が上がりました。
会場となった両国国技館は満員札止め。スターダムファンだけでなく、フワちゃんの復帰に注目した一般層も多数来場しており、その関心の高さを物語っています。試合前から会場は異様な熱気に包まれていました。
3-2. 試合展開・技の応酬と勝敗の決定打
フワちゃんは葉月との一騎打ちに臨み、序盤から果敢に攻め込む姿勢を見せました。これまでのイメージとは異なる真剣な表情、そして予想以上に練習を重ねてきたことがうかがえる動きに、会場も徐々に引き込まれていきます。
一方で、葉月はベテランとしての貫禄を見せ、試合中盤からは主導権を掌握。幾度となく技を繰り出し、フワちゃんのペースを崩していきます。そして終盤、決定的な一撃が入り、試合は葉月の勝利で幕を閉じました。
ただ、フワちゃんの動きや表情からは「勝ち負け以上のもの」が感じられ、初戦としては十分すぎる内容だったと評価する声も多く聞かれました。
3-3. 試合後のマイクパフォーマンスと観客の拍手
試合直後、フワちゃんは涙を見せることなくマイクを手に取り、静かに観客へ語りかけました。
「最後の最後まで勝てると思ってやりました。本当にありがとうございました。このリングでもっと高みを目指して頑張ります。」
敬語を使って丁寧に語るその姿には、これまでの“おふざけキャラ”の印象とは一線を画す真摯さがにじみ出ていました。そして、対戦相手の葉月に対して深々と座礼する姿もあり、観客からは惜しみない拍手が送られました。
プロレス界では「心を見せること」が評価につながると言われますが、この試合後の態度も含めて、フワちゃんは確実にその一歩を踏み出したと言えるでしょう。
4. 芸能活動休止の経緯と復帰までの道のり
4-1. やす子へのSNS投稿とその後の影響
フワちゃんが芸能活動を休止することになった直接のきっかけは、2023年に起こしたSNS上の不適切な投稿にあります。対象となったのは、同じく人気お笑いタレントのやす子さん。SNS上での不用意な発言が炎上し、多くの批判が寄せられることとなりました。
この出来事を受けて、フワちゃんは2023年8月11日に自ら芸能活動の休止を発表。本人の口からは詳細な説明はされていませんが、関係各所への迷惑や自身の発信力の責任を重く受け止めた結果の判断だったと見られています。
これまで明るく元気なキャラクターで支持を得ていた彼女にとって、信頼を損なうような行動は致命的にもなりかねないものでした。そのため、当時はメディア出演をすべて見合わせ、表舞台から一時姿を消す形になりました。
SNSがキャリアの武器であったからこそ、その影響力の大きさと扱い方を学ぶ必要があったのかもしれません。
4-2. 2023年から2025年までの空白期間の動き
芸能活動を休止してから約2年の間、フワちゃんは目立ったメディア露出を控えていました。しかし、表に出ていなかったその時間は、決して「止まっていた」わけではありません。
2022年10月に一度プロレスデビューを果たしていたフワちゃんですが、活動休止中に「プロレスという競技に真剣に向き合いたい」という思いが日に日に強くなっていったといいます。その中で、自身のプロレス復帰に向けて水面下で動き始めていたのです。
特に2025年の夏ごろからは、スターダム所属の葉月選手に自ら相談を持ちかけるなど、本格的に復帰の道筋を模索。さらにスターダムの岡田太郎社長とも面会し、「芸能人としてではなく一選手として入団したい」と正式に申し出ました。
11月にはスターダムへの正式入団が発表され、12月の両国大会で再デビュー。およそ2年におよぶ“空白期間”は、フワちゃんにとっての準備期間であり、再スタートへの助走だったことがわかります。
5. 有田哲平のコメントに見る、フワちゃんへの期待と現実
5-1. 芸能人レスラーから「本気の選手」への転換
スターダムの再デビュー戦当日、会場にはフワちゃんをかねてからかわいがってきた芸能界の先輩、くりぃむしちゅーの有田哲平さんもゲストとして登場していました。
その中で有田さんは、「今回は芸能人としてじゃなく、入団という形だから。前は『フワちゃん、よくやった』で済んだけど、今はレスラーとして見る目は厳しくなる」と、非常にリアルなコメントを残しています。
これは芸能界の先輩としての激励であると同時に、プロレスという“ガチの世界”に足を踏み入れる者への覚悟を求めるエールでもありました。
芸能人レスラーというと話題先行型に見られがちですが、フワちゃんは今回は明らかにその路線とは異なります。派手な入場、キャッチーなキャラクターは維持しつつも、本人が見せた試合への集中や真摯なマイクパフォーマンスからは、「話題づくり」ではない本気の姿勢が伝わってきました。
有田さんの言葉は、その転換点を象徴するものとして、多くの観客にも響いたのではないでしょうか。
5-2. スターダムファンや業界関係者の反応
両国国技館を満員にしたスターダムの大会では、ファンの反応も非常に注目されました。元々フワちゃんに対しては「どうせ話題だけ」「一発屋的な参戦」といった冷ややかな見方も一部にありましたが、実際に試合を終えたあとの評価は想像以上に好意的なものでした。
「意外と動けていた」「真面目な一面が見えた」「これからが楽しみ」といった声がSNS上にあふれ、試合後のマイクに対しても「礼儀正しさに感動した」との反応が目立ちました。
また、業界関係者の間でも「芸能人という立場を外してリングに立った点が大きい」「継続参戦が前提なら面白い存在になる」といった声が上がっており、今後の展開を期待するムードが高まりつつあります。
一過性ではない「継続性」が見えるかどうかが、フワちゃんの今後を大きく左右するポイントになりそうです。
6. これからのフワちゃんと女子プロレス界の展望
6-1. 今後の対戦カードや可能性は？
再デビューを果たしたフワちゃんにとって、今後の対戦カードや試合の内容は彼女の評価を左右する重要なカギを握ります。
初戦の相手が実力派の葉月選手であったことからも、団体としても「本気で育てていく選手」という位置づけである可能性が高いです。今後、同世代の人気選手や同じく芸能出身のレスラーとのカードが組まれることで、新しいストーリー展開が期待されます。
また、マイクパフォーマンスやファンサービス、メディア対応にも長けているフワちゃんは、試合以外の部分でもプロレス界に新たな価値を提供できる人材です。
リング外の言動も含めて、今後どのような成長を見せていくかに注目が集まります。
6-2. 芸能人レスラーという新たなジャンルの確立へ
今回のフワちゃんの挑戦は、単なる芸能人の一時的な参戦ではなく、「芸能人レスラー」という新たなジャンルの可能性を示す試みでもあります。
これまでも数々のタレントや芸人がプロレスに挑戦してきましたが、彼女のように正式入団し、継続的に試合に挑むケースは決して多くはありません。
フワちゃんがこの道を切り開くことで、今後は「芸能×プロレス」という新たな融合が進む可能性もありますし、若年層のファン層の拡大にもつながるかもしれません。
キャラだけでは終わらない「本物のレスラー」への道を歩み始めたフワちゃん。彼女の存在が女子プロレス界全体にどのような影響を与えていくのか、今後も目が離せません。
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