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トランプ来日!エアフォースワン・マリーンワン大統領機を徹底解説

トランプ来日!エアフォースワン・マリーンワン大統領機を徹底解説 トレンド

「エアフォースワン」と聞くと、アメリカ大統領が乗る豪華な飛行機を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし実際には、トランプ元大統領の“専用機”や、マリンワンとの違い、副大統領が使う機体など、知られていない情報がたくさんあります。

この記事では、エアフォースワンの本当の意味や機体の種類ごとの役割、トランプ氏のプライベート機との違い、さらにはマリンワンやE-4Bナイトウォッチまで、アメリカ大統領専用機の全貌をわかりやすく解説します。読むだけで、あなたの「何が違う?」がスッキリ解決します。

  1. 1. アメリカ大統領専用機とは?
    1. 1-1. 「エアフォースワン」の本当の意味とは?
    2. 1-2. 「マリーンワン」や他の専用機との違い
    3. 1-3. なぜ複数種類の専用機が存在するのか?
  2. 2. エアフォースワンの正体と機体スペック
    1. 2-1. 現行のVC-25A(ボーイング747-200改造機)とは
    2. 2-2. トランプ政権下で導入された新機体VC-25B(747-8改造機)の特徴
    3. 2-3. 過去のエアフォースワン機体の変遷(VC-137、VC-118など)
  3. 3. トランプ元大統領の「トランプ・フォースワン」とは?
    1. 3-1. 民間機を大統領専用機に?
    2. 3-2. プライベートジェットと政府専用機の違い
  4. 4. マリーンワン:大統領用ヘリのすべて
    1. 4-1. マリーンワンの定義と運用条件
    2. 4-2. 主に使用されているヘリコプターの機種とスペック
    3. 4-3. エアフォースワンとの使い分けはどうなっている?
  5. 5. 副大統領専用機「エアフォースツー」などその他の輸送手段
    1. 5-1. C-32(ボーイング757型機)の役割
    2. 5-2. 「E-4B ナイトウォッチ」など随伴機の秘密
    3. 5-3. なぜ大統領と副大統領は別の機体で移動するのか?
  6. 6. エアフォースワンの驚異的な機能とセキュリティ
    1. 6-1. 核戦争にも対応?EMP防御と通信機能
    2. 6-2. 対空ミサイル対策と護衛体制
    3. 6-3. 「脱出ポッド」は本当にあるのか?
  7. 7. 歴代のエアフォースワンを彩った大統領たち
    1. 7-1. ケネディ、レーガン、オバマ、そしてバイデン
    2. 7-2. 歴史的瞬間とエアフォースワンの関わり
    3. 7-3. 映画やドキュメンタリーで描かれた“空飛ぶホワイトハウス”
  8. 8. まとめ:エアフォースワンとアメリカ大統領専用機の魅力とは?

1. アメリカ大統領専用機とは?

アメリカ大統領専用機とは、合衆国大統領が公務で移動する際に使用される、特別に設計・改造された航空機やヘリコプターのことを指します。大統領の安全、通信機能、指揮系統の維持が最優先されており、まさに「空飛ぶホワイトハウス」とも呼ばれる存在です。大統領が搭乗することでその航空機には特別なコールサインが付与され、通常の航空機とはまったく異なる厳重な運用がされています。

この専用機には、ボーイング747をベースとした長距離用の航空機(通称「エアフォースワン」)だけでなく、短距離や都市間移動などに使われるヘリコプター(通称「マリーンワン」)も含まれます。また、副大統領用には「エアフォースツー」なども存在し、役職ごとにコールサインや機体が明確に分けられています。

1-1. 「エアフォースワン」の本当の意味とは?

「エアフォースワン」という名称は、実は特定の機体の名前ではなく、アメリカ空軍の航空機に大統領が搭乗したときだけに使用されるコールサインを意味します。つまり、大統領が乗っていなければ、たとえ専用の機体であっても「エアフォースワン」とは呼ばれません。

現在この名称がもっとも頻繁に用いられるのは、ボーイング747-200型機を改造した「VC-25A」という機体です。このVC-25Aは常時2機体制で運用されており、大統領の行動予定や安全上の理由に応じて使い分けられています。外観には「UNITED STATES OF AMERICA」の文字と星条旗が描かれており、世界中で最も識別しやすい航空機の一つです。

ちなみに、大統領が空軍以外の組織の機体に搭乗した場合は、それぞれの組織名に「ワン」を付けたコールサインになります。たとえば、海兵隊のヘリコプターに乗ると「マリーンワン」、海軍なら「ネイビーワン」となります。

1-2. 「マリーンワン」や他の専用機との違い

「マリーンワン」は、アメリカ海兵隊の運用する大統領専用ヘリコプターに付けられるコールサインです。エアフォースワンが長距離の空路移動に使われるのに対し、マリーンワンはホワイトハウスから近郊の基地やイベント会場などへの短距離移動で主に使用されます。

見た目ではわからない部分ですが、マリーンワンにも高度な通信設備や防衛機能が備えられており、大統領がどこにいても安全と指揮系統を確保できるようになっています。機体はシコルスキー製のVH-3DやVH-60Nなどが中心で、いずれも厳しい整備と選別を経て運用されています。

また、副大統領用の「エアフォースツー」は、主にボーイング757を改造した「C-32」が使われています。同じように豪華な内装や通信設備を備えているものの、やはり「大統領が搭乗しているかどうか」がコールサインの付与に関わる大きな違いです。

1-3. なぜ複数種類の専用機が存在するのか?

アメリカ大統領専用機に複数の種類が存在するのは、移動する目的地、距離、セキュリティ上の事情、緊急時の対応力などを考慮した柔軟な運用が求められるためです。

たとえば、長距離かつ国際的な移動では、十分な航続距離と設備を備えたVC-25Aが使われますが、都市間の移動や、空港から会場までのアクセスには、騒音や渋滞のリスクを避けるためヘリのマリーンワンが活躍します。

また、同じ大統領が複数の場所を訪問する際や、緊急時に備えて「ダミー機」やバックアップ機も同時に運用されることがあります。これにより、攻撃のリスクを分散し、予期せぬトラブルにも即座に対応できる体制が整えられています。

さらに、副大統領や閣僚などの重要人物も個別の専用機を使うため、それぞれの役職に応じた機体が確保されているのです。

2. エアフォースワンの正体と機体スペック

エアフォースワンの名で知られる大統領専用機は、ただの輸送機ではありません。政治・軍事の指揮、世界との通信、安全な避難、すべてを飛行中に実行できるように設計されています。

現行機は「VC-25A」と呼ばれ、ボーイング747-200をベースにした特別仕様機で、最高時速1,000km以上、航続距離はおよそ1万2,000kmにも及びます。機内には会議室、執務室、医療施設、キッチン、通信室などが整備されており、緊急時には国家司令センターとしても機能します。

また、機体の表面や内部構造には、核兵器による電磁パルス(EMP)への耐性も備えており、まさに「空の要塞」と言える性能を誇ります。

2-1. 現行のVC-25A(ボーイング747-200改造機)とは

VC-25Aは、1990年から正式運用されているアメリカ大統領専用機で、機体番号「SAM 28000」と「SAM 29000」の2機が存在します。通常の旅客用747とは異なり、飛行中でも世界中の首脳と連絡が取れるよう、最新の通信機器が搭載されています。

その内部は、3階建て構造のようなレイアウトになっており、大統領専用の寝室や執務室、スタッフ用スペース、プレス用エリアなどが分けられています。1回の飛行で約100人以上を乗せることができ、電源や空調、燃料補給の自律性にも優れています。

また、機体には赤外線ミサイル防御システム(IRCM)やチャフ、フレアなどの防御装置が備えられ、空中での迎撃能力にも配慮されています。

2-2. トランプ政権下で導入された新機体VC-25B(747-8改造機)の特徴

トランプ政権時代に決定されたVC-25Aの後継機が、「VC-25B」と呼ばれるボーイング747-8型機をベースとした新機体です。これは従来機より全長・全幅ともに大型化され、航続距離も延長。燃費や運用コストも改善されています。

もともとロシアのトランスアエロ航空向けに製造され、引き渡しがされなかった2機を改修することで、大幅なコスト削減を実現。改造費を含めて総額約39億ドル(日本円で約4,200億円)という巨額プロジェクトとなりました。

塗装もトランプ氏によって変更案が出されましたが、後に却下され、従来の青と白のデザインを踏襲する方向となっています。VC-25Bの導入は当初2024年予定でしたが、製造の遅れから2026年にずれ込む見通しです。

2-3. 過去のエアフォースワン機体の変遷(VC-137、VC-118など)

初期の大統領専用機には、ダグラスC-54(通称「セイクレッド・カウ」)や、C-118(インディペンデンス)が使われていました。これらは主に第二次世界大戦後の移動手段として使用されており、内部には寝室や通信設備が設けられていました。

1959年には、ボーイング707をベースとしたVC-137が登場。これが本格的なジェット機として最初のエアフォースワンになり、ジョン・F・ケネディ、リチャード・ニクソン、ロナルド・レーガンら複数の大統領に使用されました。

VC-137の中でも、特に有名なのが「SAM 26000」や「SAM 27000」といった機体で、ケネディ暗殺後にリンドン・ジョンソンが機内で大統領就任宣誓を行った歴史的場面にも登場しています。

3. トランプ元大統領の「トランプ・フォースワン」とは?

「トランプ・フォースワン」という名称は、ドナルド・トランプ元大統領が政界入りする以前から所有していたプライベートジェット「ボーイング757」にメディアや一般人が付けた愛称です。

この機体は黒と金を基調としたデザインで、内部には本革のソファや金メッキのシートベルト、シャンデリアなど、豪華さを極めた内装が施されています。トランプ氏がビジネスや選挙活動で頻繁に使用していたことから、本人の象徴的な存在として注目を集めました。

ただし、この機体はアメリカ政府の管理下にあるわけではなく、安全性や通信性能は政府専用機と比べると大きな違いがあります。

3-1. 民間機を大統領専用機に?

大統領専用機としての要件を満たすには、単に飛行機を所有しているだけでは不十分です。たとえば、通信暗号化、EMP防御、ミサイル防御装置、指揮系統維持機能など、軍用クラスの装備が必要です。

民間機を大統領専用機に転用するには、膨大な改造と検証が必要であり、時間・コスト・機密保持の観点からも現実的ではありません。過去には民間機を偽装して大統領が移動した例もありますが、それは特殊任務や緊急時に限られたケースです。

3-2. プライベートジェットと政府専用機の違い

プライベートジェットと政府専用機の最大の違いは、国家機能の維持と安全保障にあります。たとえば、エアフォースワンには核戦争を想定した通信ネットワーク、国家指揮システム、空中給油装置などが搭載されており、単なる移動手段にとどまりません。

一方でプライベートジェットは、所有者のニーズに合わせて豪華な装備がされていることが多いものの、安全保障や軍事的な機能は持っていないのが一般的です。そのため、外見が似ていたとしても、機能面ではまったく別物なのです。

4. マリーンワン:大統領用ヘリのすべて

「マリーンワン」とは、アメリカ海兵隊が運用する大統領専用ヘリコプターに付けられるコールサインです。大統領が搭乗しているときにだけ、この名称が使われ、エアフォースワンと同様に役職に応じてコールサインが変化する仕組みになっています。マリーンワンは、主にホワイトハウスとアンドルーズ空軍基地の間を移動する際など、都市内や短距離移動で使用されることが多く、その運用には厳格なルールと高度なセキュリティ体制が求められています。

エアフォースワンと比べるとあまり目立たない存在かもしれませんが、実はアメリカ大統領の移動において非常に重要な役割を担っており、「地上と空をつなぐ」要として活躍しています。

4-1. マリーンワンの定義と運用条件

マリーンワンは、アメリカ海兵隊が運用するヘリコプターのうち、大統領が搭乗している機体に付けられるコールサインです。海兵隊に所属していることから「マリーン」という名称が使われ、たとえば副大統領が同様のヘリに乗った場合は「マリーンツー」となります。

運用の際には、常に複数の同型機が編隊で飛行し、そのうちどれに大統領が乗っているかを外部から識別できないようにしています。これはテロや攻撃から大統領を守るための重要な戦術で、飛行ルートも直前まで極秘とされるのが一般的です。

また、天候や安全性に関する基準も非常に厳しく、わずかなリスクでも運用を中止する判断がされるほど慎重に管理されています。

4-2. 主に使用されているヘリコプターの機種とスペック

現在マリーンワンとして主に使用されているのは、シコルスキー VH-3D シーキングと、VH-60N ホワイトホークです。いずれも軍用ヘリコプターをベースに、大統領専用機として特別改修された機体です。

VH-3Dは1960年代から運用されているベテラン機で、最大搭乗人数は14人、飛行速度はおよそ260km/h、航続距離は約500km程度です。一方、VH-60Nはより新しいモデルで、操縦性や防御性能、静音性が向上しており、ホワイトハウスからアンドルーズ空軍基地の間などで頻繁に使用されています。

これらの機体には、暗号通信設備や防御装備、緊急脱出システムなどが備えられており、エアフォースワン同様に「空飛ぶ指揮所」としての機能を担っています。

今後は、老朽化に伴って「VH-92A」と呼ばれる新型機への更新が予定されており、より一層の安全性・快適性・効率性が期待されています。

4-3. エアフォースワンとの使い分けはどうなっている?

マリーンワンとエアフォースワンは、大統領の移動目的や距離、訪問先の地形などによって使い分けられています。たとえば、都市内や短距離移動、空港へのアクセスにはマリーンワンが最適です。特にホワイトハウス敷地内に離着陸できる点は、機動性の高さを活かす上で非常に有利です。

一方、海外訪問や州をまたぐ長距離移動などには、エアフォースワン(VC-25AやVC-25B)が使用されます。これらの機体は、空中での給油や緊急指揮系統の維持が可能なため、世界中どこへでも大統領が安全に移動できる体制が整っています。

また、マリーンワンとエアフォースワンはしばしば連携して使用され、ホワイトハウスから空港まではマリーンワン、その後の長距離移動はエアフォースワンという形での運用が一般的です。このように、役割を明確に分けることで効率的かつ安全な移動が実現しているのです。

5. 副大統領専用機「エアフォースツー」などその他の輸送手段

大統領だけでなく、副大統領にも専用の輸送機が用意されています。その代表格が「エアフォースツー」です。こちらも「エアフォースワン」と同様に、あくまで副大統領が搭乗しているときだけ使用されるコールサインであり、機体そのものの名称ではありません。

副大統領用の輸送機や随伴機も、大統領と同等のセキュリティ体制が整っており、政権の中枢を担う人物の安全を確保するためにさまざまな対策が施されています。

5-1. C-32(ボーイング757型機)の役割

「C-32」は、ボーイング757をベースにした機体で、主に副大統領の移動に使用されている輸送機です。副大統領が搭乗するときには「エアフォースツー」のコールサインが使用されます。

この機体は、VC-25Aほどの大きさはないものの、航続距離は約7,800kmと十分で、アメリカ国内はもちろん、ヨーロッパや中東への直行便も可能です。機内には会議室、執務スペース、通信設備などが整備されており、副大統領としての業務を飛行中でも遂行できるように設計されています。

また、燃費性能が高く、都市部の空港でも運用しやすい機体サイズであるため、フレキシブルな運用が可能なのもC-32の魅力の一つです。

5-2. 「E-4B ナイトウォッチ」など随伴機の秘密

「E-4B ナイトウォッチ」は、アメリカ空軍が運用する核戦争時の空中指揮所として開発された特別な機体です。ボーイング747-200をベースにしており、核爆発による電磁パルス(EMP)にも耐えられる特殊構造を備えています。

この機体は通常、大統領が国外訪問を行う際などに、エアフォースワンに随伴する形で同行します。目的は、有事の際に国家指揮機能を継続できるようにするためで、通称「ドゥームズデイ・プレーン(終末の日の飛行機)」とも呼ばれる存在です。

機内には、軍・政府の指揮官が常駐できるスペース、暗号通信機器、作戦会議用施設などが設けられており、戦時中でも空中から命令を発信できる機能を持っています。

5-3. なぜ大統領と副大統領は別の機体で移動するのか?

大統領と副大統領が同じ機体に搭乗しないのは、安全保障上の理由が最大の要因です。万が一、飛行中に事故や攻撃などが発生した場合、政権の中枢が一度に失われることを防ぐため、別々の移動手段を用いることが厳格に定められています。

この原則は、国内外を問わず一貫して守られており、大統領がエアフォースワンを使う場合、副大統領はC-32など別の機体で移動します。また、同じ目的地に向かう場合でも、発着時間をずらすことでリスク分散を図っています。

この徹底した分離運用によって、国家の統治機能が一時的にでも麻痺することを防ぎ、万全の危機管理体制が維持されているのです。

6. エアフォースワンの驚異的な機能とセキュリティ

エアフォースワンは単なる輸送機ではなく、世界最高峰の安全性と機能性を兼ね備えた「空中の司令本部」です。どのような状況下でもアメリカ合衆国大統領としての任務を遂行できるよう、内部にはさまざまな特別装備が施されています。

国家機密や緊急事態に対応するための技術や構造が詰め込まれており、その全貌は公にはされていない部分も多いですが、いくつか明らかになっている点をご紹介します。

6-1. 核戦争にも対応?EMP防御と通信機能

エアフォースワンには、核爆発によって生じる「電磁パルス(EMP)」に耐えるためのシールド構造が採用されています。これにより、爆発による電子機器の破壊を防ぎ、通信・制御機能を維持することが可能です。

さらに、世界中の政府首脳や軍事拠点と即時に連絡が取れる暗号化通信システムを搭載。地上との通信が困難になっても、衛星通信などを通じて国家機能を維持できるよう設計されています。

このような機能により、最悪の事態が起こっても、アメリカの大統領は空中から指令を出し、国家の統治を続けることができるのです。

6-2. 対空ミサイル対策と護衛体制

エアフォースワンには、赤外線誘導ミサイルを妨害する「フレア」や「チャフ」、赤外線妨害装置(IRCM)、さらにはレーダー妨害装置などの防御システムが搭載されています。

通常時は戦闘機による護衛は控えめですが、テロリズムや戦時下のような緊急事態には、周囲に戦闘機が随伴し、防衛網を構築します。さらに、飛行ルートの周囲には飛行制限区域が設けられ、無断で接近する航空機に対しては警告、最悪の場合は撃墜措置がとられることもあります。

このような厳重な警備体制のもと、常にあらゆるリスクを想定して運用されているのがエアフォースワンです。

6-3. 「脱出ポッド」は本当にあるのか?

映画などでは、エアフォースワンに「脱出ポッド」や「緊急パラシュート」が装備されているシーンが描かれることがありますが、実際にはそのような装備は存在しないとされています。

公式には、大統領が緊急脱出する手段として専用ポッドを備えているという情報はなく、むしろエアフォースワン自体が防御力に優れた安全な空中指揮所であるという前提で設計されています。

ただし、詳細な内部構造や機能は機密扱いとなっており、外部に公表されていない部分も多いため、完全な実態は明かされていないのが現実です。それだけに、世界中の注目を集め続けている機体なのです。

7. 歴代のエアフォースワンを彩った大統領たち

アメリカ大統領専用機「エアフォースワン」は、単なる移動手段ではありません。歴代大統領の外交戦略や安全保障、時には歴史的な演出の舞台ともなってきました。それぞれの大統領がこの機体をどう使い、どんな場面で登場したのかを見ていくと、エアフォースワンの役割の奥深さがよくわかります。

特に象徴的な出来事を通して、アメリカのリーダーたちとこの空飛ぶホワイトハウスがどのように関わってきたのかをご紹介します。

7-1. ケネディ、レーガン、オバマ、そしてバイデン

第35代大統領ジョン・F・ケネディは、エアフォースワンを国家の威信を象徴する道具として活用し始めた先駆者とも言える存在です。彼が使用した機体はボーイング707をベースにしたVC-137「SAM 26000」で、ケネディ暗殺直後、副大統領リンドン・ジョンソンがこの機内で大統領就任の宣誓を行ったのは、非常に有名な歴史的瞬間です。

第40代のロナルド・レーガンは、より強化されたVC-137「SAM 27000」を使用。その後任のジョージ・H・W・ブッシュ政権時代に現行のVC-25A(ボーイング747-200ベース)へと引き継がれ、以降の歴代大統領に受け継がれました。

第44代のバラク・オバマは、エアフォースワンを頻繁に利用したことで知られ、世界中への訪問にこの機体を活用しました。演説や会談を行う場面で、エアフォースワンの姿が映り込むこともしばしばあり、外交の舞台装置としての役割も果たしていました。

そして現職のジョー・バイデン大統領も、VC-25Aを用いて2022年に来日した際、横田基地で日米友好祭の一般公開中に堂々と着陸するという異例の対応を行い、多くの来場者の前にその姿を現しました。厳重な警備が敷かれる中で、特別な飛行計画が敷かれたこの出来事は、国内外でも大きく報道されました。

7-2. 歴史的瞬間とエアフォースワンの関わり

エアフォースワンは、歴史の節目に幾度となく登場してきました。その最たる例が、1963年のケネディ暗殺後のリンドン・ジョンソン大統領の機内就任です。エアフォースワンの中で憲法に基づく大統領の引き継ぎが行われた唯一の例として、今でも記録に残る歴史的瞬間となりました。

また、ジョージ・W・ブッシュ大統領は2008年、極秘裏にイラクを訪問する際、セキュリティ確保のためにビジネス機に偽装したエアフォースワンで飛行し、現地で多国籍軍を激励しました。このような「偽装飛行」は非常に珍しいケースであり、いかにエアフォースワンが外交・軍事戦略の一端を担っているかを示す象徴的な事例です。

さらに、9.11同時多発テロの発生直後には、ブッシュ大統領がエアフォースワンに搭乗し、空中から国家指揮を継続。地上が混乱する中、空の上から政府機能を保ち続けたこの事例も、エアフォースワンの戦略的価値を明確に示すものでした。

7-3. 映画やドキュメンタリーで描かれた“空飛ぶホワイトハウス”

エアフォースワンの圧倒的な存在感は、現実の世界だけでなく、映画やドキュメンタリーの中でもしばしば取り上げられてきました。

ハリソン・フォード主演の映画『エアフォース・ワン』(1997年)では、大統領専用機がテロリストに乗っ取られ、機内での戦いが繰り広げられるというスリリングな展開が描かれました。ラストでは、大統領が別の機体に移動したことで、コールサインが「エアフォースワン」に切り替わるという演出もあり、実際の運用ルールを反映したリアルな演出として話題になりました。

ドキュメンタリーでは、『Inside Air Force One: Secrets Of The Presidential Plane』や『On Board Air Force One』といった作品が制作され、機内の様子や整備体制、乗員たちの証言などが紹介されています。中には、現職大統領の案内によって機内が撮影されるなど、一般には知られていないエアフォースワンの裏側が明らかにされた貴重な資料も存在します。

これらの作品は、単なる「乗り物」としてではなく、アメリカの権力の象徴であり、国家機密の集合体でもあるエアフォースワンの姿を、リアルかつ迫力ある視点で伝えてくれています。

8. まとめ:エアフォースワンとアメリカ大統領専用機の魅力とは?

エアフォースワン、マリーンワン、エアフォースツー、そしてE-4Bナイトウォッチ——これらのアメリカ大統領専用機は、いずれも単なる移動手段を超えた「空中の国家機能」と言える存在です。それぞれの機体が目的別に高度な役割を果たし、平時も有事も問わずアメリカの統治機能を支えています。

また、歴代大統領の人間ドラマや世界情勢の節目に密接に関わってきたエアフォースワンは、単に「大きな飛行機」ではなく、世界で最も象徴的な航空機の一つとして、特別な存在感を放っています。

技術的な進化とともに、より安全に、より効率的に、より戦略的に運用される大統領専用機の数々。その背景には、アメリカが国家のリーダーの安全と指導力を、いかに重視しているかという姿勢が見て取れます。

空を飛ぶホワイトハウス——それは、国家の象徴であり、時代を映す鏡でもあるのです。

 

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