AE85とAE86の違いが気になって調べている方のために、本記事では両車の特徴をわかりやすく解説します。見た目がよく似ていることから混同されがちなこの2台ですが、実はエンジン性能や足回り、ブレーキ構造、さらには内装の装備内容に至るまで多くの相違点があります。
また、コストや中古市場での評価、ドリフトへの適性、改造ベースとしての人気など、選び方によって得られる価値も異なります。これからAE85・AE86の購入を検討している方や、正確な知識を知りたい方に向けて、ae85 ae86 違いを総まとめした内容をお届けします。
どちらを選ぶべきか迷っている方も、この記事を読めば判断材料がきっと見つかるはずです。
- AE85とAE86の外観や装備の具体的な違い
- エンジン性能や駆動系の構造の違い
- 中古市場での価値や維持費の違い
- 改造やドリフトに向いている車種の見極め方
AE85 AE86 違いを総まとめ
- 外観で見分けるポイント
- エンジンとパワートレイン比較
- ブレーキと足回りの違い
- 内装装備とメーター差
- 車体番号とグレード名の確認
外観で見分けるポイント
まず注目すべきはBピラーとウインドウモールの色です。AE86はBピラーがブラック、モールも黒で統一されるため全体が引き締まって見えます。一方でAE85はBピラーがボディ同色、モールは銀色なので落ち着いた印象になります。
リアトランクのステッカーにも違いがあり、AE86はAPEXやGT‐Vなどスポーツ系グレード名、AE85はSRやXLなど実用系グレード名が貼られます。さらに後期型トレノではコーナリングランプの有無が判断材料になり、ランプが付いていればAE86、無ければAE85と判定できます。
このように塗装色・ステッカー・ランプ装備を組み合わせて確認すると、改造車であっても大まかな識別が可能です。
エンジンとパワートレイン比較
AE86は1.6L DOHCの4A-G型を積み、約130PSを発揮します。高回転域まで伸びる設計に加え、T-VISなどの可変吸気機構が走りの楽しさを支えます。対するAE85は1.5L SOHCの3A-U型で約85PSにとどまりますが、構造が簡潔で維持費を抑えられる点が利点です。
駆動系ではAE86が2分割プロペラシャフトと油圧クラッチ、6.7インチデフを採用しトルク伝達を強化しています。AE85は1本物シャフトにワイヤークラッチ、6インチデフと軽量・低コストを優先した構成です。
つまり速さとチューニング余地を重視するならAE86、経済性やベース車両としての扱いやすさを求めるならAE85が向いています。
ブレーキと足回りの違い
AE86はフロントにベンチレーテッドディスク、リアにディスクブレーキ（競技ベースGTを除く）を備え、熱に強く高負荷走行でも制動力が安定します。さらにリアサスペンションにはスタビライザーが標準で装着され、コーナリング時のロールを抑えてくれます。
一方AE85はフロントがソリッドディスク、リアはドラムブレーキで、街乗りには十分ですが連続ブレーキではフェードが起きやすい点に注意が必要です。多くのグレードでリアスタビライザーが省略されているため、旋回時の姿勢変化が大きくなる傾向があります。
AE86の足回りはスポーツ走行向け、AE85は実用域を重視していると理解すると選択時のミスマッチを防げます。
内装装備とメーター差
AE86とAE85では、内装の仕様や計器類にも明確な差があります。まずタコメーターのレッドゾーンが異なり、AE86は7600rpmから、AE85は6000rpmから始まります。この違いはエンジン性能に起因しますが、メーターを見るだけでも両車の性格が分かるポイントです。
また、AE86は油圧計を備えたアナログメーターを装備しているのに対し、AE85ではその機能が省略されているグレードが多く、簡易的なメーター構成になっています。ハンドルはAE86が基本的に3本スポークのスポーツステアリングですが、グレードによっては2本スポークのモデルも存在します。
AE85では2本スポークが標準で、見た目も実用性重視です。さらに、AE86のシートはスポーティな形状や素材が使われていますが、AE85は標準的なローバックタイプで、快適性重視の設計となっています。ただし、GTグレードのAE86にはローバックシートが採用されている場合もあるため、内装だけで確実に見分けるには注意が必要です。
車体番号とグレード名の確認
見た目だけでは区別がつきにくいAE86とAE85ですが、確実に判断する方法の一つが車体番号やコーションプレートの確認です。ボンネットを開けたエンジンルーム内や車検証に記載されている型式を見れば、AE86なら「AE86」、AE85なら「AE85」と明記されており、これが最も正確な見分け方になります。
加えて、リアトランクなどに貼られたグレード名のステッカーにも注目すると判断しやすくなります。AE86は「GT」「GT-V」「APEX」といったスポーツモデルらしい名称で、AE85は「SR」「SE」「XL」「GL」など、実用性やエントリーモデルを意識したグレード名が使われています。
ちなみに、AE85の女性向け仕様には「XLリセ（Lisse）」という名称も存在しており、装備内容が簡素化されているケースもあります。このように、形式番号とグレード表記をセットで確認することで、外観や内装が改造されている車両でも確実に識別することができます。
AE85 AE86 違いのチェックポイント
- コストと中古市場評価
- 改造ベースとしての魅力
- ドリフト走行への適性
- 維持費とメンテナンス性
- 購入前の注意点まとめ
コストと中古市場評価
AE85とAE86では、中古市場での価格に大きな差があります。AE86は年々価値が高騰しており、特にオリジナルコンディションを保っている車両は希少性が増し、コレクターズアイテムとして高額で取引されています。
一方のAE85は、同年代の車両としてはまだ比較的手が届きやすい価格帯にあり、初めて旧車を購入したいと考える人にも選ばれています。ただし、現在ではAE85も流通量が減っており、特に上位グレードの3ドアSRなどは一定の人気があるため価格が上昇傾向にあります。
このような背景から、購入予算を抑えたい人はAE85、走行性能や希少性を重視する人はAE86を検討するケースが多いです。
改造ベースとしての魅力
AE85は改造のベース車両として注目されています。その最大の理由は、AE86とほぼ同じ車体構造を持ちながらも、軽量でコストが抑えられるという点にあります。
特にAE85の3A-Uエンジンはシンプルな構造のため、ターボやスーパーチャージャーといった後付けパーツの取り付けが比較的しやすく、手を加える余地が多いとされています。また、AE86の4A-Gエンジンをスワップして「85改86」を制作するのも定番のカスタム手法であり、見た目はそのままに走行性能を高めたいユーザーにとって理想的な選択肢となっています。
こうした改造の自由度の高さから、AE85はドリフトユーザーやサーキット志向のオーナーに根強い人気を誇っています。
ドリフト走行への適性
ドリフトを楽しみたい人にとって、AE86は非常に高いポテンシャルを持つ車種です。後輪駆動（FR）レイアウトに加えて、軽量な車体と高回転型の4A-Gエンジンは、滑らかでコントロールしやすいドリフトを可能にします。
さらに、AE86にはスタビライザーやディスクブレーキが標準装備されているグレードが多く、操縦性と制動力の両面で高い性能を発揮します。一方のAE85もFR車であるため、ドリフトは可能ですが、エンジン出力が低く、足回りも簡素化されているため、ノーマル状態での走行性能はAE86に劣ります。
ただし、足回りやブレーキ、エンジンなどを強化することでドリフト仕様に仕上げることは十分可能です。走行性能を最初から求めるならAE86、改造を前提に費用を抑えたいならAE85という選択になります。
維持費とメンテナンス性
AE85とAE86では、維持費やメンテナンスの難易度にも差があります。AE85はシンプルな構造を持つ1.5L SOHCエンジン「3A-U」を搭載しており、部品点数が少なく整備しやすいのが特徴です。そのため、基本的な消耗品の交換や日常的な整備は比較的低コストで行えます。
また、ワイヤー式クラッチやソリッドディスクブレーキなども構造が簡素なため、作業時間や部品代も抑えられる傾向にあります。対してAE86は、高回転型の4A-Gエンジンや油圧式クラッチ、ディスクブレーキなどを搭載しており、性能を維持するためには定期的な点検と手間が欠かせません。
純正部品の入手が難しくなってきている点も、長期保有においては注意すべき要素です。整備の手間を減らしたいならAE85、性能重視でも費用と手間を惜しまない人にはAE86が適しています。
購入前の注意点まとめ
AE85・AE86を購入する際は、単純に「見た目」や「グレード名」だけで判断しないことが重要です。現在流通している多くの車両は何らかの改造が施されている場合が多く、外観だけでは元の仕様が分からないケースがあります。
そのため、まずは車検証やコーションプレートを確認し、型式が「AE85」か「AE86」かを明確に把握することが大前提です。また、走行距離だけで車両の状態を判断せず、下回りのサビやブッシュ類の劣化、電装系の動作確認も丁寧に行う必要があります。
加えて、AE85をAE86風に仕上げた改造車（いわゆる“85改86”）も存在しますが、それが悪いというわけではなく、用途や目的に応じた選択が重要です。どちらの車両も旧車としての扱いになるため、整備履歴や保管状態を重視して選ぶことが、後悔のない購入につながります。
AE85 AE86 違いを一目で理解できる総まとめ
- AE86のBピラーは黒、AE85はボディ同色
- モールはAE86が黒、AE85は銀色
- AE86にはスポーツ系、AE85には実用系のステッカーが貼られる
- AE86の後期型トレノにはコーナリングランプが装備される
- AE86は1.6L DOHC、AE85は1.5L SOHCエンジンを搭載
- AE86は約130PS、AE85は約85PSの出力
- AE86は2分割プロペラシャフト、AE85は1本物
- AE86は油圧クラッチ、AE85はワイヤークラッチを採用
- AE86はベンチレーテッドディスク＆リアディスク、AE85はソリッド＆ドラムブレーキ
- AE86にはリアスタビライザーが標準装備されている
- AE86のタコメーターは7600rpmから、AE85は6000rpmから
- AE86はスポーツメーターと3本スポークステアリングを採用
- AE85はローバックシートなど簡素な内装が多い
- AE85は改造ベースとして人気で、スワップの自由度が高い
- AE86は高額な市場評価、AE85は比較的手が届きやすい価格帯
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