純ガソリン車の廃止はなぜ進められているのか、その理由が気になっていませんか。2035年にガソリン車が禁止される、今乗っている車も使えなくなる、と聞くと不安になりますよね。
ただ、日本のガソリン車廃止を考えるときは、2035年という期限の意味を正しく理解することが大切です。日本が掲げているのは、2035年までに乗用車の新車販売を電動車100%にするという目標で、2035年以降に今あるガソリン車へ乗れなくなるという話ではありません。
さらに、2035年のハイブリッド車はどうなるのか、中古ガソリン車は買えなくなるのか、ガソリン車はいつまで乗れるのか、EUのガソリン車廃止は撤回されるのか、EVは本当にエコなのか、e-fuelでガソリン車は生き残るのかなど、気になるポイントはたくさんあります。
この記事では、ガソリン車廃止の理由から2035年以降のガソリン車、ハイブリッド車、中古車、EVシフト、EUの規制、合成燃料までまとめて整理します。今ガソリン車を買っても大丈夫なのか判断したいあなたにも、できるだけわかりやすく解説していきますよ。
- 純ガソリン車の廃止が進められる主な理由
- 2035年のガソリン車政策の正しい意味
- ハイブリッド車や中古ガソリン車への影響
- EVやe-fuelを含めた自動車の今後
純ガソリン車廃止はなぜ?理由を解説
純ガソリン車の縮小が進められている背景には、単純に「ガソリン車は環境に悪いから」という理由だけがあるわけではありません。CO2削減や2050年カーボンニュートラルへの対応に加えて、海外の環境規制、自動車産業の競争力、大気環境など複数の事情が関係しています。
まずは、なぜ純ガソリン車から電動車への移行が進められているのか、主要な理由を順番に見ていきましょう。
ガソリン車廃止とCO2削減
純ガソリン車が廃止・縮小方向へ向かっている大きな理由の一つが、自動車から排出されるCO2を減らすことです。
純ガソリン車はガソリンをエンジン内部で燃焼させ、その力を使って走ります。燃料を燃やす以上、走行時にはCO2が発生します。自動車は日常生活や物流に欠かせない存在なので、一台ずつの排出だけでなく、社会全体で考えると無視できない量になります。
そこで進められているのが、EVだけでなくHEVやPHEV、FCVなども含めた自動車の電動化です。
ポイントは、ガソリン車そのものを悪者にする政策ではないことです。社会全体のCO2排出量を減らすため、自動車の動力や燃料を少しずつ低炭素なものへ変えていく取り組みと考えるとわかりやすいですよ。
また、EVであれば何をしてもCO2排出量がゼロになるわけではありません。EVは走行中に排気管からCO2を出しませんが、発電や車両製造、バッテリー製造、資源採掘などではエネルギーが必要です。
そのため環境性能を比較するときは、走行中だけを見るのではなく、製造から使用、廃棄までを含めたライフサイクル全体で考える必要があります。
2050年カーボンニュートラルへの対応
2035年という時期を理解するうえで欠かせないのが、2050年カーボンニュートラルという長期目標です。
自動車はスマートフォンのように短期間で一斉に買い替わるものではありません。新車として購入された後、10年以上使われるケースも珍しくないですよね。
そのため、2050年になってから急に自動車を低炭素化しようとしても間に合いません。2050年から逆算して、2030年代の段階から新しく販売される車を電動化していく必要があります。
つまり2035年は、ある日を境に全国のガソリン車を止める「使用期限」ではなく、長期的な脱炭素化へ向けて新車市場を変えていくための目標時期として見るのがポイントです。
既存のエンジン車が長期間残ることも想定されるため、車両そのものの電動化だけでなく、バイオ燃料や合成燃料など、液体燃料を低炭素化する取り組みも進められています。
世界のガソリン車規制が強まる理由
ガソリン車の電動化は、日本だけで進んでいる話ではありません。世界各地で自動車のCO2排出規制やゼロエミッション車に関する政策が進み、自動車メーカーを取り巻く市場そのものが変化しています。
日本メーカーも海外で大量の自動車を販売しています。そのため、海外市場でCO2排出量の多い車が販売しにくくなれば、日本国内だけ従来型の純ガソリン車を作り続けるのは難しくなります。
ガソリン車廃止の流れは、日本国内の環境政策だけでなく、世界市場で自動車を販売し続けるための対応でもあるわけです。
ただし、「世界中で2035年からガソリン車がすべて禁止される」と考えるのは正確ではありません。規制対象や達成方法、ハイブリッド車の扱いなどは国や地域によって違い、政策が見直される場合もあります。
海外のガソリン車規制は変更される可能性があります。「○年から全面禁止」といった情報だけで判断せず、購入や事業上の判断をする場合は各国政府や関係機関の最新情報を確認してください。
EVシフトと自動車産業の競争力
純ガソリン車の縮小には、環境問題だけではなく自動車産業の競争力という理由もあります。
自動車の価値を決める技術は、エンジンやトランスミッションだけではなくなっています。EV用バッテリー、モーター、パワー半導体、車載ソフトウェア、自動運転、SDVなど、新しい分野で世界的な開発競争が起きています。
こうした変化のなかで日本だけが純ガソリン車中心の市場にとどまれば、国内メーカーや部品メーカーが世界市場の変化に対応しにくくなる可能性があります。
一方で、EV化には産業構造を変える難しさもあります。EVではエンジンや排気系、燃料系など、従来のエンジン車に使われていた一部の部品が不要になります。そのため関連企業では、新しい製品や技術への事業転換が必要になるケースもあります。
純ガソリン車廃止の理由は、環境政策と産業政策の両方から考えると理解しやすくなります。
だからこそ、「環境のためならすぐ全部EVにすればいい」という単純な話でもありません。雇用や部品産業、電池供給、充電インフラなども含めて段階的に移行する必要があります。
ガソリン車廃止と大気汚染対策
エンジン車ではCO2だけでなく、燃料を燃やすことによって生じる大気汚染物質への対策も必要です。現在の自動車は排出ガス規制や排気浄化技術によって大きく改善されていますが、排気ガスそのものをなくせるわけではありません。
EVは走行中に排気ガスを出さないため、交通量の多い都市部では大気環境を改善できる可能性があります。この点も電動化のメリットです。
ただし、EVだから環境負荷がゼロという意味ではありません。バッテリーの製造には資源やエネルギーが必要ですし、充電に使う電気をどのように発電するかによってもCO2排出量は変わります。
そのため今後は、車だけをEVへ変更するのではなく、再生可能エネルギーの拡大や電池のリサイクル、資源調達まで含めて環境負荷を減らすことが重要になります。
純ガソリン車廃止はなぜ?理由と今後
純ガソリン車が縮小していく理由を理解したところで、次に気になるのは「自分の車はどうなるの?」という部分ですよね。
ここからは2035年に何が変わるのか、現在所有しているガソリン車や中古車、ハイブリッド車への影響、さらにEUの動向やe-fuelまで整理します。
2035年にガソリン車はどうなる?
まず最も大切なのは、日本で2035年になった瞬間、すべてのガソリン車が禁止されるわけではないということです。
日本で掲げられている目標は、2035年までに乗用車の新車販売を電動車100%にすることです。
ここでいう電動車には、次の車が含まれます。
- EV:電気自動車
- FCV:燃料電池自動車
- PHEV:プラグインハイブリッド車
- HEV:一般的なハイブリッド車
| 確認ポイント | 意味 |
|---|---|
| 2035年 | 政府が掲げる目標時期 |
| 乗用車 | 対象となる車種区分がある |
| 新車販売 | 現在所有している車の一律禁止ではない |
| 電動車100% | EVだけでなくHEV・PHEV・FCVも含む |
ここはかなり誤解されやすいところです。「2035年からEVしか買えない」という意味ではありませんし、「2035年になったら今のガソリン車を廃車にしなければならない」という制度でもありません。
政策や制度は今後変更される可能性もあるため、実際に車を購入する時点では正確な情報を政府やメーカーなどの公式サイトで確認してください。
2035年以降もガソリン車に乗れる?
2035年以降も、現在所有しているガソリン車が2035年という年を理由に一律で走行禁止になるわけではありません。
たとえば2030年より前に購入した純ガソリン車を所有していたとしても、2035年を迎えた瞬間にその車が使えなくなる、という意味ではないんですね。
車検を受け、安全基準など法律上必要な条件を満たし、保険や税金など必要な手続きを行っている車であれば、2035年の新車販売目標そのものによって一律に走行禁止になるわけではありません。
ただし、将来にわたって現在とまったく同じ条件で乗り続けられると保証されているわけでもありません。税制、環境規制、燃料価格、部品供給などは将来変更される可能性があります。
「今ガソリン車を買っても大丈夫?」と迷っているなら、2035年だけを理由に購入を諦める必要があるとは限りません。何年間乗る予定なのか、年間走行距離、自宅で充電できるか、車両価格などを総合的に考える方が現実的です。
ハイブリッド車は廃止される?
日本の2035年目標について言えば、HEVは電動車に含まれています。
そのため、「2035年になればハイブリッド車も新車販売禁止になる」と理解するのは正確ではありません。
HEVはガソリンエンジンとモーターを組み合わせて走る車です。外部から充電する必要が基本的になく、エンジンや回生ブレーキなどを利用して電気を得ます。
一方、PHEVはエンジンとモーターを搭載しながら、外部電源からバッテリーを充電できます。短距離なら電気だけで走り、長距離ではエンジンも使えるなど、EVとHEVの中間的な使い方ができます。
日本の2035年政策は「EV100%」ではなく、EV・FCV・PHEV・HEVを含む電動車100%です。日本と海外の制度を混同しないようにしましょう。
今後の販売車種や各メーカーの商品戦略については変化する可能性があるため、購入時にはメーカーの最新ラインアップも確認しておくと安心です。
中古ガソリン車は買えなくなる?
2035年の政府目標は乗用車の新車販売を対象とするものなので、2035年になっただけで中古ガソリン車の売買が一律禁止されるという意味ではありません。
すでに市場に存在する純ガソリン車については、中古車として流通する可能性があります。したがって、「2035年を過ぎたら中古ガソリン車も店頭から全部消える」と考える必要はありません。
ただし、中古車市場は政策だけで決まるものでもありません。将来的には次のような要素が価格や流通量へ影響する可能性があります。
- 純ガソリン車の新車供給量
- ガソリン価格
- 税制や環境規制
- 補修部品の供給状況
- EVやHEVの新車価格
- 国内外の中古車需要
- 車種ごとの人気や希少性
そのため、「ガソリン車の価値は必ず暴落する」「逆に希少価値で必ず上がる」といった断定はできません。中古車価格は車種、年式、走行距離、状態などでも大きく異なります。
車の売却価格や将来価値は財産に関わるため、将来予測だけで判断しないことが大切です。実際の査定額や維持費を確認し、必要に応じて販売店や中古車査定などの専門家にご相談ください。
EUのガソリン車廃止は撤回?
EUの2035年規制については、「ガソリン車廃止を撤回した」「2035年規制がなくなった」といった表現を見かけることがあります。ただ、こうした見出しだけで状況を判断すると誤解しやすいので注意が必要です。
EUでは新車のCO2排出量削減を進める方向そのものがなくなったわけではなく、産業競争力や技術中立性、e-fuelやバイオ燃料なども含め、具体的な達成方法や規制の柔軟性を巡って見直しが続いていると捉える方が適切です。
つまり、「EV化を完全にやめた」と「規制方法を調整している」は別の話です。
海外政策を見るときは、脱炭素という長期的な方向性と、期限や対象車種など具体的な制度設計を分けて考えるのがポイントです。
なぜ規制が見直されることがあるのかというと、EV価格、充電インフラ、電池原料、電力事情、自動車産業の雇用など、現実の移行には多くの課題があるためです。
EUをはじめ海外の制度は今後も変更される可能性があります。海外での購入や事業判断に関係する場合は、報道の見出しだけではなく、欧州委員会など関係機関が公表する正確な情報を公式サイトでご確認ください。
e-fuelでガソリン車は生き残る?
純ガソリン車の将来を考えるうえで注目されているのが、合成燃料のe-fuelです。
e-fuelは、CO2と水素などを利用して人工的に製造する液体燃料です。既存の液体燃料に近い形で利用できる可能性があり、エンジン車や給油設備など、これまでのインフラを活用しやすい点が期待されています。
また、日本ではe-fuelだけでなく、バイオエタノールなどを利用した低炭素燃料の導入も検討・推進されています。
これは将来の自動車政策を考えるうえで重要です。つまり、日本が目指している脱炭素化は、車を電動化する方法だけでなく、車が使う燃料そのものを低炭素化する方法も組み合わせるという考え方だからです。
一方、e-fuelには製造コスト、大量生産、低炭素な水素の確保、再生可能エネルギーの確保、エネルギー効率などの課題があります。
e-fuelがあるから純ガソリン車の廃止方針がなくなる、と断定することはできません。現時点では、既存のエンジン車も含めて脱炭素化を進める選択肢の一つとして考えるのが適切です。
今後、EV、HEV、PHEV、FCV、バイオ燃料、合成燃料のどれか一つだけに統一されるとは限りません。地域の電力事情、充電設備、車の用途、コストなどに合わせて複数の技術が使い分けられていく可能性があります。
純ガソリン車廃止はなぜ?理由のまとめ
純ガソリン車の廃止・縮小が進められているのはなぜなのか。その主な理由は、CO2排出量を減らし、2050年カーボンニュートラルへ近づけることです。加えて、世界的な環境規制への対応、自動車産業の競争力強化、大気環境の改善なども関係しています。
ただし、ここで一番覚えておきたいのは、日本では2035年から所有中のガソリン車が一律に使用禁止になるわけではないという点です。
日本の2035年目標は、乗用車の新車販売を電動車100%にすることです。
しかも電動車にはEVだけでなく、HEV、PHEV、FCVも含まれます。中古ガソリン車の売買や、それまでに所有している車の走行を2035年に一律禁止するという意味でもありません。
将来は純ガソリン新車の割合が減り、HEVやPHEV、EV、FCVなどへ段階的に移行するとともに、バイオ燃料やe-fuelなどによって燃料自体を低炭素化する取り組みも重要になっていくと考えられます。
ですから、今ガソリン車を買うべきかどうかも「2035年だから」という理由だけで決める必要はありません。購入価格、年間走行距離、自宅充電の可否、利用地域、買い替え予定時期などを比べ、自分の使い方に合う車を選ぶことが大切ですよ。
なお、本記事で紹介した数値や時期は政策を理解するための一般的な目安を含み、制度や市場環境は今後変更される可能性があります。車両購入や売却など財産に関わる判断をする際は、正確な情報を経済産業省や資源エネルギー庁、各メーカーなどの公式サイトでご確認ください。個別の税制、資産価値、契約などについて判断が難しい場合は、最終的な判断を販売店、税理士など内容に応じた専門家にご相談ください。

