「デリカD:5って車高が高いけど、駐車や運転に不便じゃない?」──そんな疑問をお持ちではありませんか?
本記事では、デリカD:5のグレードごとの車高データや最低地上高210mmの実力、立体駐車場への対応状況まで、実用目線で丁寧に解説しています。さらに、室内空間や荷室の広さ、小回り性能、車高カスタムの可否など、リアルな使用感にも踏み込んで紹介。
この記事を読めば、デリカD:5の“車高”がもたらすメリット・注意点のすべてがわかります。購入を検討中の方は必見です。
デリカD:5ってどんな車?特徴と人気の理由
出典:MITUBISHI
ミニバン×SUVのハイブリッドモデル
デリカD:5は、三菱自動車が2007年に発売した5代目「デリカ」シリーズのモデルで、ミニバンとSUVの要素を融合させたユニークな車種として知られています。一般的なミニバンは都市部でのファミリー利用を想定したものが多いですが、デリカD:5はそこにSUVの力強さや走破性を取り入れたことで、アウトドア志向のユーザーからも高く支持されているのが特徴です。
その車体デザインも、従来のミニバンとは一線を画し、ボクシーで存在感のあるシルエットが印象的。実際に2019年にはビッグマイナーチェンジが行われ、より洗練されたデザインと機能性が向上しました。これにより、街中でも悪路でも使える“万能型”のミニバンとしての評価が確立されたのです。
また、デリカD:5はミドルサイズ(Mサイズ)に分類されるミニバンでありながらも、力強い4WD性能と高い最低地上高を備えており、「ファミリーカーでありながらアウトドアにも強い」唯一無二のポジションを築いています。
オフロードにも強い理由
デリカD:5がアウトドア派から支持を集める最大の理由は、優れた悪路走破性能です。その背景には、三菱自動車が誇る本格的な4WD技術が活かされています。特に注目すべきは、5代目デリカD:5の最低地上高が210mmあるという点。これは一般的なミニバンと比較しても高めの設計で、岩場や段差のある道でも車体の底を擦るリスクが少なく、安心して走行できる仕様となっています。
また、トルク配分を自動制御することで路面状況に応じて最適な駆動力を確保するシステムも搭載されており、ぬかるんだ林道や雪道でも安定した走行が可能です。さらに、サスペンションの構造もSUVに近いタフなつくりになっているため、乗り心地を損なうことなく悪路を走破できるのもポイントです。
デリカD:5はただのミニバンではなく、「家族全員で大自然を満喫できる足」としての機能性と頼もしさを兼ね備えた存在だといえるでしょう。
デリカD:5の車高とは?基本データを押さえる
出典:MITUBISHI
グレード別にみる全高の違い(例:M, Gパワーパッケージなど)
デリカD:5の車高、すなわち全高はグレードによって微妙に異なります。たとえば、前期型(2007年〜2019年2月)の主要なグレードである「M」や「Gパワーパッケージ」は、全高が1,850mmまたは1,870mmに設定されています。型式でいうと、2WDモデル(DBA-CV2W)が1,850mm、4WDモデル(DBA-CV5W)が1,870mmという具合です。
これらの数値は、Mサイズミニバンとしてはやや高めの設計ですが、その分、車内空間のゆとりや視界の広さにつながっており、快適なドライビングが可能です。特にローデストシリーズなどは、スタイリッシュな外観とこの高さが両立しており、見た目と実用性のバランスが絶妙です。
一方で、「Dパワーパッケージ」や「プレミアム」系のグレードも同様に1,850~1,870mmに設定されており、大きな違いはないものの、駐車場の制限や立体駐車場の対応可否を確認する際には、グレードごとの全高差をしっかりチェックしておくことが重要です。
最低地上高210mmの実力と影響
デリカD:5の最低地上高は210mmと、一般的な乗用ミニバンよりも明確に高めに設定されています。この高さは、SUV並みの最低地上高とも言われ、縁石や段差を越える際にボディや下回りを擦る心配が格段に減ります。また、オフロード走行や雪道、未舗装の山道などでの走破性を高めており、「アウトドア向けミニバン」としての実力を証明しています。
この最低地上高がもたらすメリットはそれだけではありません。例えば、災害時や悪天候時の走行でも、路面にある障害物に対応しやすいため、「いざというときにも頼れる車」として安心感を与えてくれる点も大きな魅力です。
ただし、最低地上高が高いことで乗り降りが不便になるのでは?と思われがちですが、デリカD:5はスライドドアの設計やステップの配置によって、ファミリー層でも快適に乗降できるよう工夫されています。
車高がもたらす「運転のしやすさ」と「見た目」
デリカD:5の車高設計は、運転のしやすさという面でも大きな利点があります。全高が高いため、視点も高くなり、見晴らしが良くなることで周囲の交通状況を把握しやすくなります。特に都市部の混雑した道路や狭い住宅街でも、前方やサイドの視認性が高いため、安心して運転できるのは大きなポイントです。
また、後方の死角もミニバン特有の広いリアウインドウとバックモニターの連携でカバーしており、全高が高いからといって運転がしづらいという印象はありません。
見た目においても、1,870mmという車高は存在感があり、街中でのインパクトも抜群です。高めの車高と直線的なフォルムが合わさることで、SUVらしい力強さと堂々とした印象を与えるスタイリングとなっています。
車高の高さは、見た目の迫力と機能性の両立を実現しており、まさに“使えるカッコよさ”を体現しているといえるでしょう。
駐車場や立体駐車場で困らない?実用目線で検証
出典:MITUBISHI
車高制限に引っかかるのはどのグレード?
デリカD:5の車高(全高)は、グレードによって1,850mmまたは1,870mmと設定されています。これは一般的なミニバンの中でもやや高めの部類に入ります。そのため、立体駐車場やビル内の機械式駐車場を利用する際には、車高制限に注意が必要です。
たとえば、都心部の立体駐車場の多くでは「車高1,550mm以下」や「1,800mm以下」という制限が設けられているケースが多く見られます。この条件から見ても、デリカD:5のどのグレードであっても、基本的に“標準的な機械式立体駐車場には入らない”と考えておいた方が良いでしょう。
特に注意が必要なのが、4WD仕様である「DBA-CV5W」型などの1,870mmのモデルです。1,850mmのモデルであってもギリギリのサイズになるため、余裕を持った駐車環境を選ぶことが求められます。郊外や大型商業施設などにある平置き駐車場であればまったく問題なく利用できますが、都心の狭小スペースでは事前の確認が欠かせません。
都市部の駐車事情とデリカD:5の相性
都市部の駐車場事情は非常に厳しく、特に限られたスペースでの立体式駐車場が多く設置されています。こうした環境では、車高の高い車両は入庫制限に引っかかることが多く、デリカD:5も例外ではありません。前述の通り、全高が1,850mm〜1,870mmあるデリカD:5は、一般的な機械式立体駐車場にはほぼ適応できません。
ただし、駐車スペースそのものの「長さ」「幅」という点に関しては、それほど心配する必要はありません。国土交通省が定める普通乗用車用の駐車場サイズ(幅2,500mm・長さ6,000mm)に対して、デリカD:5のボディサイズは全幅1,795mm・全長4,730mmと、十分に余裕のある設計になっています。そのため、車高さえクリアすれば、駐車のしやすさ自体には大きな支障はないでしょう。
さらに、ドライバーからの視点が高いため、見通しも良く、ミラーやバックモニターとの組み合わせで駐車動作は比較的スムーズに行えます。つまり、都市部での駐車における最大のネックは「車高制限」だけであり、それを理解しておけば運用上のトラブルは少ないと言えるでしょう。
車内空間と荷室の広さは?車高との関係
出典:MITUBISHI
室内高1,310mmがもたらす開放感
デリカD:5の車高が高めに設計されている背景には、広い室内空間を確保するという狙いがあります。実際に、デリカD:5(前期型)の室内高は1,310mmに設定されており、これは同クラスのミニバンの中でもゆとりのある数値です。
たとえば、トヨタ・ヴォクシー(2代目)と比較すると、ヴォクシーの室内高は1,350mmとやや高めですが、デリカD:5はその分、車内幅(1,505mm)で勝っており、圧迫感の少ない「横のゆとり」が魅力となっています。実際の乗車感としては、天井が高く頭上空間に余裕があることで、長時間のドライブでもストレスを感じにくく、後席に座る子どもたちも快適に過ごせる設計です。
また、高いアイポイントにより車内からの見晴らしも良好で、運転席からの視界が広がるだけでなく、後席の乗員にとっても開放感のある居住空間が提供されています。車高が高いからこそ生まれる「高さの余裕」は、実用性だけでなく心理的な快適性にも大きく貢献していると言えるでしょう。
サードシートアレンジで荷室長1,610mmも確保可能
デリカD:5は、車高を活かしたシートアレンジ性能にも優れており、用途に応じて荷室スペースを柔軟に拡張できます。たとえば、3列シートをすべて使用したフル乗車状態でも、サードシートのスライド位置を調整することで荷室長は140mm〜480mmまで確保できます。手荷物や買い物袋を載せるには十分なスペースです。
さらに、2名〜3名での利用時には、セカンドシートを前方にスライドさせることで、なんと荷室長が1,610mmまで拡大可能になります。このサイズ感であれば、大型のキャンプ用品やベビーカー、さらには折りたたみ自転車なども積載できるため、アウトドアシーンでも重宝されます。
加えて、4〜5名での乗車時でも、サードシートを跳ね上げて折り畳めば、荷室長1,200mm程度を確保することができ、サーフボードやスノーボードといった長物も問題なく搭載可能です。つまり、デリカD:5の高い車高は、単なる外見や走行性能のためだけでなく、車内レイアウトの自由度を高めるという点でも大きな武器となっています。
家族全員で出かける週末のドライブから、趣味のアウトドアまで。シートアレンジと荷室スペースの柔軟性により、さまざまなライフスタイルに対応できるのがデリカD:5の真骨頂です。
デリカD:5の最小回転半径と小回り性能
出典:MITUBISHI
5.6mの回転半径はMサイズミニバンとしてどう?
デリカD:5の最小回転半径は5.6メートルと公表されています。これは、ハンドルを最大限に切った状態で車が円を描いたとき、最も外側のタイヤが通る円の半径を表したものです。つまり、この数値が小さいほど小回りが利き、狭い場所での取り回しがしやすいということになります。
5.6mという数値は、Mサイズミニバンの中では平均的〜やや大きめの部類に入ります。たとえば、同クラスのトヨタ・ノアやヴォクシーといったモデルでは、5.2〜5.5m程度の最小回転半径となっていることが多いため、それらと比較するとデリカD:5は若干大回りに感じる場面があるかもしれません。
しかし、デリカD:5はその分、最低地上高210mmという高さを確保しており、一般的なミニバンよりもSUVに近いシャーシ構造を採用しています。この構造的特徴によって、車体が高めでホイールベースも長めになっているため、小回り性能よりも悪路対応力や安定感が重視されているのです。
また、視点が高く見通しが良いため、多少の回転半径の大きさをカバーできる運転のしやすさも評価されています。小回り性能だけでなく、視界の確保やボディバランスも踏まえた上で、トータルで見れば扱いやすい一台といえるでしょう。
アルファードなど他車との比較
デリカD:5の小回り性能を他車と比較する際に、よく引き合いに出されるのがトヨタ・アルファードです。アルファードはLLサイズミニバンの代表格であり、その最小回転半径は5.6m〜5.8mとされています。つまり、Mサイズに分類されるデリカD:5とほぼ同等、あるいはわずかに優れているケースもあるのです。
しかしこの比較は、単に回転半径だけで評価するのではなく、全体のサイズ感や使われ方も考慮する必要があります。アルファードは全長約4,950mm・全幅1,850mm・全高1,935mmと、デリカD:5(全長4,730mm・全幅1,795mm・全高1,850〜1,870mm)よりも一回り大きなサイズです。
それにもかかわらず回転半径が同程度である理由は、アルファードが都市部の送迎や高級志向に合わせて、特に小回り性能を重視した設計となっているからです。一方のデリカD:5は、オフロードやアウトドア利用を想定したタフな足回りが特徴で、小回りよりも走破性や積載性に重点を置いた設計です。
このように、数値だけではなく車の性格や利用シーンも考慮することが重要です。デリカD:5は「少し大きくても、そのぶんタフに使える」実用車としての魅力が詰まっています。
よくある疑問Q&A:デリカD:5の車高に関するリアルな声
出典:MITUBISHI
タイヤを変えたら車高は変わる?
タイヤのサイズ変更によって、デリカD:5の車高がわずかに変化することはあります。特に純正サイズよりも外径の大きいタイヤを装着すると、車全体の高さも若干上がることになります。たとえば、オフロード仕様のオールテレーンタイヤを装着する場合には、見た目の迫力が増すだけでなく、地面からのクリアランスも増すため、最低地上高も数ミリ〜数センチ単位で変化するケースがあります。
ただし、タイヤサイズを大きく変更しすぎると、フェンダー内に干渉したり、ハンドルの切れ角に影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。また、スピードメーターの誤差や燃費の悪化にもつながることがあるため、車検対応の範囲内で行うことをおすすめします。
純正のバランスを損なわない程度にカスタムを楽しむことで、自分らしいデリカD:5をつくることができます。
車高調整ってできるの?その方法とは
デリカD:5は、標準では車高調整機能はついていませんが、アフターパーツとして車高調整式サスペンション(車高調)を装着することで、車高を上下に調節することが可能です。たとえば、ローダウンしてスタイリッシュに仕上げたい方や、逆にリフトアップしてオフロードスタイルに寄せたい方には人気のカスタム手段となっています。
リフトアップキットを使えば、純正の最低地上高210mmからさらに数十mm程度アップさせることが可能で、よりアグレッシブな走行性能を発揮することができます。一方、ローダウンの場合は、車高を抑えることで重心が下がり、オンロードでの走行安定性が増すというメリットがあります。
ただし、いずれの調整も過度な変更は車検非対応となる可能性があるため、必ず専門店での施工と法令の確認が必要です。見た目と機能のバランスを取りながら、最適な高さにカスタマイズするのがポイントです。
高速道路での安定性に影響は?
デリカD:5は、全高が1,850mm〜1,870mmと高めの設計であるため、「風に煽られやすいのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれません。しかし、実際の高速走行における安定性はかなり高く評価されています。
その理由としては、まず車体重量がしっかりあること、そして前後の重量バランスが良く設計されていることが挙げられます。さらに、ビッグマイナーチェンジ以降のモデルでは、サスペンションやボディ剛性の向上によって直進安定性が高まっており、長距離移動でもふらつきにくい仕様となっています。
もちろん、風の強い日やトンネル出口などではある程度の揺れは感じますが、それはミニバン全般に共通する特性です。むしろ視点が高いため、先の交通状況が把握しやすく、リラックスした姿勢でドライブできる点がメリットとして際立ちます。
まとめ:デリカD:5の車高は「高すぎず低すぎず」が魅力
出典:MITUBISHI
デリカD:5の車高に対する評価は、「ちょうどいい」という言葉に集約されます。最低地上高210mmという数値は、悪路走破性と日常使いの両立を実現する絶妙なバランス。全高1,850〜1,870mmという高さも、室内空間の快適性と視界の良さを確保しながら、運転しやすさも犠牲にしていません。
確かに、立体駐車場など一部のシーンでは制限に引っかかる場合がありますが、その点を踏まえた上で見れば、デリカD:5の車高設計は「街乗りにもアウトドアにも使える」万能さを象徴しています。
家族でのレジャーやキャンプ、そして日々の買い物や通勤にも。シートアレンジや小回り性能まで含めたトータルの完成度が高く、車高がもたらす価値をしっかりと活かした一台です。日常から非日常まで、あらゆる場面で頼りになる。それがデリカD:5というクルマの魅力です。
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