「新型プレリュードって、プリウスのパクリじゃないの?」——そんな疑問を抱いて検索された方も多いのではないでしょうか。
SNSやYouTubeのコメント欄では「プリウスみたい」「ホンダらしくない」といった声が飛び交い、一部では“ダサい”という評価まで。ですが、本当にそれだけで判断してしまって良いのでしょうか?
この記事では、なぜ新型プレリュードがそう言われてしまうのか、その具体的なデザインの共通点や背景、ホンダが込めた本当の狙いまでを徹底解説。歴代プレリュードとの比較や、中身の進化、見た目以上に重要な本質的価値についても掘り下げています。読み終わる頃には、“似てる”だけでは語れないプレリュードの魅力に気づくはずです。
はじめに:「新型プレリュード パクリ」と検索したあなたへ
出典:HONDA
2023年のジャパンモビリティショーでお披露目されたホンダの「新型プレリュード」。電動化時代におけるスポーツクーペとして登場し、多くの注目を集めましたが、同時にSNSやネット掲示板では「プリウスみたい」「パクリでは?」という声が一気に広がりました。
長年ホンダを愛するファンや、かつてのプレリュードを知る世代にとって、この印象は決して小さくありません。ですが、見た目が似ているというだけで「パクリ」と断じてしまうのは、本当に正しい判断なのでしょうか?この記事では、そうした疑問に対して、具体的なデザインの比較や背景にある開発思想まで掘り下げて解説していきます。
本当に似ているのか、似て見えるのはなぜなのか、そして「プレリュードらしさ」はどこにあるのか。SNSの声や歴代モデルとの比較を交えながら、新型プレリュードの“見た目”と“中身”を冷静に見つめ直していきます。
SNSで話題沸騰「プリウスみたい」の声
新型プレリュードが初めて公開された直後から、X(旧Twitter)やYouTube、各種掲示板では「プリウスっぽくない?」「横顔が完全に60系プリウス」「クラウンとプリウスの間くらい」などのコメントが次々と投稿されました。実際、SNSを中心に「せっかくの復活なのにがっかりした」「これってホンダなの?」という率直な反応が多く見られたのです。
このような声が多く挙がる背景には、やはりプレリュードという名前に対する期待感があります。1980年代から1990年代にかけて人気を博したプレリュードは、流麗でシャープなクーペスタイルが特徴でした。その記憶を持つファンにとっては、やや丸みを帯びた今回のスタイリングが「プリウスっぽく」感じられてしまったのも無理はありません。
中でも特に言及が多かったのは、ヘッドライトの形状とボディラインのフォルム。「あのシャープな目つき、どう見てもプリウス」といった声が多く、外見に関する印象は一気にネット上で拡散されました。
見た目だけで判断していませんか?
確かに、パッと見ただけでは「ん?これはプリウス?」と感じる人がいても不思議ではないかもしれません。フロントフェイスのシャープなラインや、滑らかなルーフの傾斜、さらにホワイト系のボディカラーなど、一部の視覚的要素が似ているのは事実です。
しかし、ここで立ち止まって考えてみてほしいのです。本当に、それだけで「パクリ」と断言して良いのでしょうか?表面的な印象だけでそのクルマの全体像を評価してしまうと、大切な部分を見落としてしまうかもしれません。
実際にモーターショーなどで新型プレリュードを実車で見た人の中には、「写真とは印象が違った」「細部を見ればホンダらしさがちゃんとある」と語る人も少なくありません。つまり、「似てる」という印象は一部の要素だけが先行してしまった結果であり、細部まで丁寧に見ればプレリュードならではの美点や設計思想がしっかりと込められているのです。
どこが「プリウスに似てる」と言われているのか
※この画像はAIによって生成されたものです
SNSなどで頻繁に言及される「プリウスに似てる」という印象。これは感覚的な話だけではなく、実際に共通して見えるデザインのポイントが存在します。では、新型プレリュードのどの部分が「プリウスっぽい」と言われているのか、具体的に見ていきましょう。
フロントマスクとヘッドライトの印象
まず、最も多くの人が似ていると指摘するのがフロントマスクのデザインです。新型プレリュードは、薄型のシャープなLEDヘッドライトを横一線に並べたフラットな顔つきをしています。この“横に細長く光る”スタイルは、現行60系プリウスでも採用されている特徴であり、正面から見たときの印象がとてもよく似て見える要因となっています。
また、フロントグリルが非常に小さく、全体的にグリルレス風の処理になっている点も、EVやハイブリッド車に多く見られるトレンドであり、これもプリウスとの共通点とされています。加えて、バンパー下部の処理や空力重視の滑らかなラインなども似通っており、「パッと見の印象では区別がつきにくい」と感じる人が多いのも納得です。
ただし、ここで注目すべきなのは「似ている=パクリ」という短絡的な結論ではなく、空力性能や環境性能を重視する現代の車づくりの中で“似てしまう”デザインが生まれる背景です。実際、同じく空力を重視するマツダや日産の一部車種とも似た傾向が見られるのは事実です。
流線型ルーフラインとボディのフォルム
次に話題となっているのが、サイドからリアにかけての流線型ルーフラインです。新型プレリュードは、クーペスタイルながらもリアにかけて緩やかに落ちていくシルエットを採用しており、これはプリウスの現行モデルと極めてよく似ています。
特にリアクォーター部分、つまり車体の後部側面の絞り込みやガラス形状などは、写真で見ると本当に瓜二つ。実際にSNSでは「リアの形、完全にプリウス」「プレリュードだと思ったらプリウスだった」という声も多く投稿されました。
さらに、展示車のプレリュードがホワイトパール系のカラーにブラックルーフを組み合わせていたことも、プリウスの上位グレードと重なり、視覚的な類似感を高めている要因になっています。
とはいえ、これらの要素は、現代の車づくりにおいて求められる空力性能や燃費性能を追求した結果として、どうしても“似た形”になってしまうことが多いのです。ホンダがプリウスを意識して真似たというよりは、「同じ時代の課題に対して似た答えを出した」という見方の方が、ずっと説得力があるのではないでしょうか。
ボディカラーやホイールデザインの共通点
新型プレリュードとプリウスの“似ている”という印象をさらに強めているのが、ボディカラーとホイールデザインの選択です。実は2023年のジャパンモビリティショーで展示された新型プレリュードは、プリウスの上位グレードと非常によく似た「パールホワイト系ボディ×ブラックルーフ」の組み合わせで登場しました。この配色が視覚的に強く印象づけられたことが、両者の類似性を印象づける大きな要素となっています。
プリウス(60系)の上級グレードでもよく見られるこの“ツートーンカラー”は、今やハイブリッドカーや電動車の洗練されたイメージを象徴するトレンドの一つです。ホンダもその流れを踏まえたうえで、エレガントかつ未来感を表現する手段として採用していると考えられます。ただ、それが結果的に「プリウスみたい」という誤解を生んでしまった部分も否めません。
さらにホイールデザインにも注目してみましょう。新型プレリュードのホイールは、スポーティながらもエアロダイナミクスを意識した、シンプルで軽量感のある5本スポークデザイン。これはプリウスの17〜19インチモデルに採用されているものと非常に似た構造で、視覚的な印象が重なる一因となっています。
ただし、細部をよく見れば、プレリュードはスポーツクーペとしての主張を込めたデザインになっており、プリウスよりもエッジが効いたシャープな造形が特徴です。つまり、似て見えるのは全体のシルエットや配色バランスによるものであって、よく見れば異なる個性が宿っていることがわかります。
このように、ボディカラーやホイールデザインは視覚的印象に大きく影響を与える要素ですが、その“似ている”という感覚は一部の組み合わせに過ぎません。色やデザインの方向性が同じだからといって「パクリ」と断じるのは、少し早計だと言えるでしょう。
プレリュードの歴代モデルと比較してわかる“らしさ”の変化
※この画像はAIによって生成されたものです
ホンダ・プレリュードという名前に強いイメージを持っている方にとって、「あれ、これがプレリュード?」と感じるのは当然かもしれません。ですが、その違和感の正体を探るためには、過去のプレリュードがどのような進化を遂げてきたのかを知ることが大切です。ここでは、初代から5代目までのプレリュードを振り返りながら、新型がどのような変化を遂げたのか、そして“らしさ”がどこに残っているのかを見ていきましょう。
初代〜5代目のデザインと個性
初代プレリュード(1978年登場)は、シビックやアコードと共通のプラットフォームを用いながらも、2ドアクーペとしてスポーティかつスタイリッシュなスタンスを確立。開放感のあるサンルーフと直線的なデザインが特徴でした。
2代目(1982年〜)ではエアロダイナミクスに配慮したなめらかなフォルムへと進化し、3代目(1987年〜)では名物となる「インクラインドフロントウィンドウ」を採用。大胆に寝かせたフロントガラスは、その当時としては非常に革新的な試みで、個性を強く打ち出したモデルでした。
1991年登場の4代目ではさらに“走り”を意識した設計となり、ホンダの代名詞ともいえるVTECエンジンや4WS(四輪操舵)を搭載。スポーツ志向が強まり、スタイリングもロー&ワイドな構えが際立ちました。
そして1996年の5代目(最終型)は、直線的で引き締まったデザインへと変貌し、より男性的なイメージを確立。シャープなボンネットラインと控えめなリアスポイラーが、当時のスポーツクーペ市場においても独自の存在感を放っていました。
新型の変化に驚くファンたち
そんな歴代モデルを知っているファンにとっては、2023年に登場した新型プレリュードがあまりにも丸みを帯びていて、やや「おとなしい」「スポーティさが薄れた」と感じられるのも無理はありません。特に、「もっとエッジの効いたデザインを期待していた」「プリウスっぽくてガッカリ」といった声がSNSで多く見受けられました。
実際、シャープなクーペスタイルや攻めたボディラインが特徴だった過去モデルと比べると、新型は空力や効率性を重視した“流線型”のボディシェイプに大きく舵を切っています。これが「プレリュード=走りのクルマ」というイメージと一致しないと感じる方が多いのです。
とはいえ、これはホンダが意図的に“電動化時代のスポーツクーペ”として設計思想を切り替えた結果であり、決して“スポーツらしさ”を放棄したわけではありません。その表現方法が変化しただけなのです。
それでも受け継がれるDNAとは
一見すると全く新しい姿に見える新型プレリュードですが、実はしっかりと“らしさ”を受け継いでいる部分もあります。たとえば、ボンネットの低さや、リアの水平基調のテールデザイン、2ドアクーペとしてのパッケージングなどは、歴代プレリュードと共通する伝統的な要素です。
さらに注目したいのが、ホンダが新型に搭載を予定している「e:HEV」ハイブリッドシステムです。これは単なる燃費志向ではなく、モーター駆動によるトルク感と、エンジンのダイレクトな加速感を両立させることで、“走る楽しさ”を追求したユニット。これはまさに、VTECや4WSを搭載して走りにこだわった過去のプレリュードの精神を、現代的な技術で再現したものと言えるでしょう。
また、新型のコクピット設計も、ドライバー中心のレイアウトで、運転する楽しさをしっかりと感じられる工夫が施されています。写真では伝わらない質感や、実際に触れて初めて分かる“ホンダらしさ”がそこにあります。
つまり、新型プレリュードは、過去の名車のオマージュにとどまらず、未来を見据えた新しい解釈として“プレリュードの再起動”を果たしたモデルなのです。変わったところと、変わらない精神。その両方を受け入れてこそ、このクルマの本当の魅力が見えてくるのではないでしょうか。
本当に「パクリ」なのか?デザインが似てしまう理由
※この画像はAIによって生成されたものです
新型プレリュードが「プリウスのパクリでは?」と話題になっている背景には、確かに視覚的に似て見える部分が存在します。しかし、それを単純に「真似をした」と結論づけてしまうのは早計です。実際のところ、似たようなデザインが生まれる背景には、今の自動車業界全体に共通するトレンドや制約があるのです。ここでは、新型プレリュードのデザインがなぜ“プリウスっぽく”なったのか、その根本的な理由をひも解いていきます。
空力重視の現代デザイントレンド
近年、自動車のデザインにおいて最も重要視されているのが「空力性能」、つまり空気抵抗をいかに減らすかという点です。これは燃費や電費に直結するだけでなく、騒音や高速安定性、ひいてはCO₂排出量にも大きく影響を与える要素となります。
その結果、多くのメーカーが「車高を低くして、ルーフからリアへと滑らかに流れるフォルム」を採用するようになりました。新型プレリュードもこの流れを取り入れ、ルーフラインは現行プリウス(60系)と同様に美しいカーブを描く形状に仕上がっています。加えて、グリルレスに近いフロントフェイスや、ヘッドライトを薄型化する処理なども、空力を意識した結果生まれた“現代的なスタイル”です。
これは何もホンダだけではなく、トヨタ、日産、マツダ、そして欧州メーカーも含めて、自動車業界全体が採用しているデザイントレンドです。だからこそ、似たような形が増えているのは必然とも言えます。過去にリトラクタブルライトが各社のスポーツカーで当たり前だったように、今は空力最優先の“くさび形”デザインがスタンダードなのです。
つまり、新型プレリュードのスタイルは「トヨタの真似」ではなく、「時代が求める性能と美しさの答え」だと言えるのではないでしょうか。
EV化・環境性能の“最適解”が似通う理由
現代の車は、かつてのように「見た目のかっこよさ」だけで作られているわけではありません。特にEVやハイブリッド車においては、燃費・電費を最大限に高めるため、車両構造からデザインまで緻密に計算されています。その結果、どのメーカーも“似たような最適解”に行き着いてしまうのです。
たとえば、現行プリウスは従来型より全高を抑えたスポーティなフォルムに進化し、空気抵抗係数(Cd値)を0.27にまで低減。対する新型プレリュードも、同様に低く構えたボディとスムーズなボンネットラインを採用し、走行時の抵抗を極力減らすデザインを追求しています。
また、電動化に伴ってフロントグリルの役割が小さくなったことで、両車とも“クリーンで閉じた顔つき”になっている点も共通しています。LEDのヘッドライトも薄型でワイド感を演出するのが主流となっており、こうした「未来感」を表現する手法が似てしまうのも当然の流れと言えるでしょう。
つまり、これは「真似た」のではなく、「合理的にたどり着いた形が似ていた」だけの話です。車の設計とは、制約の中で最適なパフォーマンスを目指す科学であり、似通うのは必然でもあります。
ホンダとトヨタの競争ではなく“並走”の時代
かつて「ホンダ vs トヨタ」といったライバル構図が強く意識されていた時代もありました。しかし、今の自動車業界は、環境対応やグローバル市場への適応など、メーカー同士が競争するというより“並走”しながら課題に向き合う時代に変わりつつあります。
たとえば、ホンダが掲げる「2030年までにEV・FCV比率を全体の40%へ引き上げる」という目標や、トヨタの「カーボンニュートラル社会の実現」など、両社は共に電動化とサステナビリティを重視して進んでいます。
新型プレリュードとプリウスは、共に“未来型の電動クーペ”として新しいユーザー層にアプローチしようとしている存在です。その結果としてデザイン言語に一部共通点が出てしまうのは、むしろ当然の現象とも言えます。
「似ている」という理由でパクリ扱いするのではなく、「両社がどんな時代精神を反映して、どんな提案をしているか」に目を向けることで、もっと建設的な見方ができるはずです。
「似てる=ダサい」の誤解と心理的バイアス
※この画像はAIによって生成されたものです
SNSなどでは、「新型プレリュードはプリウスみたいでダサい」といった意見が散見されますが、その感想は本当に正当な評価なのでしょうか?デザインに対する印象は、私たちの心理的な反応や認知のクセにも大きく影響されています。ここでは「似ている=ダサい」と感じてしまう心理の仕組みを探っていきます。
人間が“似ている”と感じる認知の仕組み
人間の脳は、新しいものを見たときに「過去に見たことのある何か」と結びつけて理解しようとする働きがあります。これは“スキーマ”と呼ばれる認知の構造で、情報を効率よく処理するための脳の防衛反応とも言えるものです。
たとえば、プレリュードの写真を見た瞬間に「これ、どこかで見た形だな…」と感じたとき、脳内では記憶にあるプリウスのフォルムが参照されているのです。そして、その一致率が高ければ高いほど、「ああ、これはプリウスのパクリかもしれない」という印象に変わってしまうのです。
さらに問題なのは、このような第一印象がSNSなどで共有・拡散されると、それが「共通認識」として固定化されてしまうことです。あるユーザーが「プリウスっぽい」と言えば、それを見た他の人も同じ視点で見てしまい、結果的に「そう見える」という声が増幅されていく現象が起こります。これは“認知バイアス”や“同調効果”の典型的な例です。
つまり、「似てる=ダサい」という印象は、必ずしも車そのものの完成度に対する正当な評価ではなく、人間の認知的なクセと情報の伝播によって生まれている可能性が高いのです。
ホンダが意図したデザインの本質や、新型プレリュードに込められた思想を理解するためには、まずその先入観から自由になることが大切です。「似ている」という印象は、あくまで入り口にすぎず、その奥にある独自性や技術、哲学を見ようとする姿勢こそが、本当の評価につながるのではないでしょうか。
SNS拡散で加速する「プリウスっぽい」論
新型プレリュードが「プリウスに似てる」「トヨタっぽい」と言われるようになった背景には、SNSでの拡散力が大きく影響しています。X(旧Twitter)をはじめとしたSNSでは、2023年のジャパンモビリティショーで新型プレリュードが初披露された直後から、「パッと見プリウスかと思った」「横顔がプリウスとそっくり」といった投稿が一気に広まりました。
このような反応は、もともとホンダ・プレリュードという車に対して「スポーティで独自性のあるデザイン」という期待を持っていたユーザーが多かったことの裏返しでもあります。そのため、「期待していたものと違った」という感情が、似ているという印象に拍車をかけ、「パクリでは?」という言葉に結びついていったのです。
また、SNSでは誰かの意見に触れることで、自分の見方もそれに引っ張られることがあります。あるユーザーが「プリウスにそっくり」と投稿すると、それを見た他の人も「そう言われると、確かに…」という視点で車を見るようになります。このように、一部の意見が瞬く間に“共通認識”として浸透してしまうのがSNS時代の怖さでもあります。
さらに、YouTubeのレビュー動画のコメント欄などでも同様の意見が多く見られ、「正面から見ると完全にプリウス」「リアの処理がクラウン混じり」などの声が拡散しています。これにより、実物を見たことのない人までもが「プリウスに似ている」というイメージを先入観として持つようになるのです。
つまり、「プリウスっぽい論」がここまで加速したのは、見た目の類似性に加えて、SNSによる“同調と拡散”の仕組みが大きく作用しているからこそだと言えるでしょう。
見た目に左右されない“本質の見極め”とは
見た目の第一印象というのは強烈です。特にクルマのような高額な製品においては、「カッコいいかどうか」「印象に残るかどうか」といった外観要素が購入意欲に大きく影響します。しかし、それだけでクルマの良し悪しを決めてしまうのは非常にもったいないことです。
たとえば新型プレリュードは、確かに一部の角度から見ると現行60系プリウスと似ていると感じられるかもしれませんが、それはあくまで「写真の印象」に過ぎません。実際に展示会やショールームで実車を見た人の中には、「写真で見るより全然違う」「立体感や塊感が全く別物だった」と印象が変わったという声も少なくありません。
競合記事でも触れられているように、プレリュードは“未来的な電動クーペ”というコンセプトを掲げ、空力性能と洗練されたデザインを両立する形で再構築された一台です。その結果、流線型のルーフラインやグリルレスのフロントマスクといった「今風の表現」が採用されているため、他社の同傾向のモデルと一部似通ってしまうのは避けがたい現象でもあります。
しかし、内装や走行性能、技術的なアプローチを見れば、その違いは一目瞭然です。クルマの本質は、乗ってこそ、触れてこそ分かる部分にこそ宿るものであり、単なる外観の比較だけで評価を決めてしまうのは非常に表層的な見方だと言えるでしょう。
見た目に左右されず、クルマが持つ本来の魅力やコンセプト、設計者の思想に目を向けることで、初めてその価値を正しく理解することができます。新型プレリュードもまさに、そうした“本質で評価すべき一台”なのです。
中身は全くの別物!プレリュードの魅力と開発の狙い
※この画像はAIによって生成されたものです
新型プレリュードを「プリウスのパクリ」と一括りにしてしまうと、その真価を見落としてしまう恐れがあります。外見が似て見える一方で、中身や開発の方向性はまったく別物。むしろホンダは“電動時代におけるスポーツクーペ”をどう成立させるかという、挑戦的なテーマに真剣に取り組んでいます。ここからは、プレリュードの本質とも言える走りの哲学と、ホンダの開発意図について見ていきます。
スポーツ志向のe:HEVハイブリッドシステム
ホンダが新型プレリュードに搭載を予定しているのは、自社開発の「e:HEV(イーエイチイーブイ)」システムです。これは単なる燃費重視のハイブリッドではなく、モーター駆動とエンジンの介入を巧みに制御することで、スポーツカーのような加速感とリニアなレスポンスを実現する、いわば“走りを楽しむためのハイブリッド”です。
すでにアコードやシビックに搭載されて高い評価を得ているこのユニットは、電動化が進む中でもホンダらしい「ドライビングプレジャー」を大切にする思想の象徴と言えるでしょう。アクセルに対する反応の早さ、低速からのトルクの立ち上がり、そして高速域での伸び感など、これまでの「環境車」のイメージを覆す走りを提供してくれます。
競合記事でも触れられている通り、新型プレリュードは「電動車=つまらない」という固定観念を打ち破る存在として、ホンダの技術力と哲学を体現するモデルなのです。
ドライバーを包み込むスポーティな室内設計
もう一つ注目すべきなのが、インテリアの設計です。新型プレリュードの車内は、いわゆる“快適な空間”というよりも、むしろドライバーに向けて機能を集約させた「コックピット感覚」の設計が特徴です。これは、かつてのスポーツカーにも通じる設計思想であり、運転することそのものを楽しめる空間づくりがなされています。
たとえば、メーターやディスプレイの配置、ステアリングの角度、シートのホールド性などは、すべて“走ること”を意識して設計されています。外見こそ流線型で落ち着いた印象を与える一方、内側には確かにプレリュードの“スポーツ魂”が宿っているのです。
さらに、ホンダが掲げる「Simplicity and Something(シンプリシティ・アンド・サムシング)」というデザイン哲学も体現されています。これは、シンプルでありながら、どこかに心をくすぐる“なにか”を感じさせる設計思想で、新型プレリュードにもその美学がしっかりと生かされています。
つまり、新型プレリュードは単なるスタイリングで語れる車ではなく、その中身にこそホンダの本気と未来への挑戦が詰まっているのです。見た目に惑わされず、中身に注目すれば、きっとこの車の価値は“似ている”なんて言葉で片付けられないほど奥深いことに気づけるはずです。
“環境×走り”を両立したホンダの哲学
ホンダが新型プレリュードに込めた最大のテーマのひとつが、「環境性能とドライビングプレジャーの共存」です。今や自動車業界では、電動化やカーボンニュートラルへの取り組みが最重要課題となっており、各社が環境性能を重視した車づくりを進めています。その中で、単に「燃費がいい」だけではなく、「運転して楽しい電動車」を実現しようというのが、ホンダが掲げる哲学です。
その象徴がe:HEVハイブリッドの搭載です。このシステムは、エンジンとモーターを使い分けることで、街乗りでは静かでスムーズ、アクセルを踏み込めば一気に加速する“走りの質”を両立。これは従来のプリウスなどに見られる「静かだけど退屈な走行感」とは一線を画す仕上がりになっています。
また、ホンダのデザインフィロソフィーである「Simplicity and Something(シンプルさの中に“何か”がある)」を体現するスタイリングも、環境性能を意識した空力フォルムと、見る者の感性を刺激する美しさを両立。機能性のためにデザインを犠牲にするのではなく、むしろ機能が生み出す美を追求しているのが特徴です。
つまり、環境性能を重視する時代の中でも、あくまで「走ることの楽しさ」を手放さない。その姿勢こそが、ホンダがプレリュードという名前を復活させた理由であり、単なる懐古主義ではなく“未来に向けたクーペ”を提示しようとする意志の表れなのです。
それでも惹かれる人がいる理由
※この画像はAIによって生成されたものです
「プリウスっぽい」「ホンダらしくない」といった声がある一方で、新型プレリュードに強く惹かれる人たちも確実に存在します。それは、外見だけでは伝わらない部分に、このクルマの本質的な魅力が宿っているからです。SNSや実車を見た人々の声、そしてホンダの車づくりの“らしさ”を読み解いていくことで、その理由が見えてきます。
再評価される「未来的クーペ」としての価値
最初は「プリウスみたいで残念」と感じた人も、じっくりとデザインを見直すうちに「これはこれでアリ」と考えを変えるケースが多くあります。実際、SNSやレビュー動画のコメント欄では、「近未来的でクール」「EV時代のクーペらしくて好印象」といった肯定的な意見も増えつつあります。
これは、新型プレリュードが“過去のスタイル”をそのまま持ち込むのではなく、「未来のホンダらしさ」を模索した結果であるからです。ルーフラインの滑らかさやグリルレスのフロント、シャープなLEDライトなどは、単に流行に乗ったのではなく、“これからのスポーツクーペのあるべき姿”を先取りした提案とも言えます。
かつてのような直線的なフォルムやハードな印象を求める人には物足りなく映るかもしれませんが、それとは異なる次元での“カッコよさ”を感じ取れる層がいることもまた事実です。
写真と実車の“ギャップ”が生む納得感
多くの人が「写真で見るより、実車の方がずっと良い」と口をそろえて言います。競合記事でも紹介されている通り、展示会などで新型プレリュードを目の当たりにした人の中には、「あれ、これプリウスに似てるって言われてたけど、全然違うじゃん」と驚く声が多くありました。
特にホワイトパールのボディにブラックルーフを組み合わせた展示車は、光の当たり方や陰影の出方によって印象がガラリと変わります。また、ボンネットからリアにかけての“立体感”や、ホイールの存在感も、実物を見て初めて「ホンダらしさ」を感じられるポイントです。
このように、二次元の写真や動画では伝わりきらない“リアルな存在感”が、実車には確かに宿っています。そしてそのギャップこそが、「最初の印象と違って、これはこれで魅力的」と思わせる理由になっているのです。
「ホンダらしさ」が細部に宿る再発見
外観がどうしても“今風”に見えてしまう新型プレリュードですが、細部をじっくりと観察すればするほど、「これぞホンダ」と感じられる要素が散りばめられています。
たとえば、リアの水平基調を強調したテールランプや、軽快でスポーティなサイドビュー。無駄を削ぎ落としながらも力強さを感じさせるボディライン。そしてなにより、「e:HEV」という電動化と走りを両立する技術の選択。これらすべてが、“未来でもホンダはホンダであり続ける”というメッセージを込めたデザインだと言えるのではないでしょうか。
競合記事でも言及されていた通り、新型プレリュードは「過去の焼き直し」ではなく、「時代に応じた再定義」を目指した一台です。見れば見るほど、知れば知るほど、ホンダの信念とクラフトマンシップが感じられる。それこそが、今このクルマに心惹かれる人たちが確かに存在する理由なのです。
結論:「プリウスっぽさ」は“見た目”の一側面にすぎない
※この画像はAIによって生成されたものです
ここまで見てきたように、「新型プレリュードはプリウスのパクリだ」という評価は、主に“見た目の第一印象”に基づくものです。確かに、薄型LEDヘッドライトやグリルレスのフロント、流線型のルーフラインといったデザイン要素は、現行プリウス(60系)と共通する部分があります。しかしそれは、空力性能やEV時代に求められる合理性を突き詰めた結果であり、模倣ではなく“進化の必然”とも言える現象です。
また、SNS上で拡散された「プリウスっぽい」という声が先入観を形成してしまい、実車を見たことがない人までが「似ている」と感じてしまう認知バイアスも影響しています。しかしながら、実際にモーターショーや展示会で新型プレリュードの実車に触れたユーザーからは、「写真より断然カッコいい」「プリウスとはまったく別物」という再評価の声も多く挙がっているのが事実です。
つまり、プレリュードが持つ“プリウスっぽさ”はほんの一部の角度や印象に過ぎず、全体を見渡せば、そこにはホンダらしい美学と走りの哲学がしっかりと息づいています。
プレリュードという名に込められた挑戦
ホンダが“プレリュード”という歴史ある名前を再び世に送り出した意味は、決して軽いものではありません。1978年の初代から5代目まで、プレリュードは常に「時代を先取るスポーツクーペ」として独自の進化を遂げてきました。そして2023年、新型プレリュードは“電動化の時代における次世代クーペ”として、新たな挑戦を始めたのです。
その中核を担うのが、スポーツ志向のe:HEVハイブリッドシステムであり、ドライバー中心のコクピット設計、そして空力と美を両立させたエクステリアデザインです。これらはすべて、「今の時代に、クルマを走らせる喜びをどう表現するか」というテーマに正面から向き合った結果です。
かつての直線的でシャープなスタイルに固執するのではなく、ホンダは未来のユーザーに向けて、柔らかく洗練された新たなスポーティの形を提示しました。それは、クラシックな復刻ではなく“理念の継承と再構築”という、極めてホンダらしい挑戦なのです。
見た目より“本質”で選ぶ時代へ
自動車に限らず、私たちが何かを評価するとき、つい“見た目”に引っ張られてしまいがちです。しかし現代は、デザインやブランドイメージだけでなく、「どんな価値を提供するか」が問われる時代です。
新型プレリュードは、その見た目だけでは語り尽くせない“中身のある一台”です。ホンダが磨き上げてきたハイブリッド技術、走りの快感にこだわる姿勢、そして時代と対話するようなデザイン哲学。それらが結集したこのクルマは、単なる電動化対応のクーペではありません。
プリウスに似ているかどうかよりも、「なぜ似て見えるのか」「どんな思想のもとにデザインされたのか」、そうした本質的な部分を見つめることで、初めてプレリュードの真価が見えてきます。
最後に強調したいのは、「見た目が似ている=パクリ」という判断は、あまりに短絡的であり、もったいないということです。プレリュードという名のもとにホンダが表現しようとした未来。それに気づけたとき、このクルマの価値はぐっと深まるはずです。今こそ、見た目を超えて“本質で選ぶ”目線を持つことが大切ではないでしょうか。
情報の正確性には配慮しておりますが、すべての方に当てはまるとは限りませんのでご理解ください。
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