「3ナンバーと5ナンバー、どう違うの？」「結局どっちを選べばいいの？」――そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。ナンバープレートに表示される数字には、車のサイズや排気量、そして用途に関する明確な違いが隠されています。
本記事では、3ナンバーと5ナンバーの基準や見分け方はもちろん、税金・保険・車種例までわかりやすく解説。さらに、近年なぜ3ナンバー車が増えているのか、その背景やメーカーの動きまで網羅しています。この記事を読めば、自分に合ったナンバー車の選び方が見えてきます。
はじめに
※この画像はAIによって生成されたものです
「3ナンバー」「5ナンバー」って何？
車を購入する際、「この車は3ナンバーです」とか「5ナンバーだから維持費が安いですよ」といった説明を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。日本の乗用車には「3ナンバー」と「5ナンバー」という2つの分類があり、それぞれに明確な基準が存在します。これはただのナンバープレートの違いではなく、車のサイズや排気量によって決まるものです。たとえば、トヨタのアルファードやヴェルファイアのような大型ミニバンは基本的に3ナンバーですが、トヨタ・シエンタやホンダ・フリードといったコンパクトミニバンは5ナンバーに分類されることが多いです。
こうした分類は、実際には車の取り回しや維持費にも関係してきます。特に都市部では、車のサイズが大きいと駐車場や狭い道路で不便になるケースもあるため、自分の生活スタイルに合ったナンバー区分を選ぶことが大切です。
ナンバープレートの見方（3◯◯ vs 5◯◯）
ナンバープレートを見ると、地域名の横に3桁の数字が記載されています。ここをチェックすることで、その車が3ナンバーか5ナンバーかを簡単に判別することができます。具体的には、「3◯◯」という数字が表示されていればその車は3ナンバー、「5◯◯」なら5ナンバーということになります。
たとえば、「品川 301 め 12-34」というナンバープレートの場合、先頭の「301」が「3」から始まっているので、これは3ナンバーの車です。この数字の部分には「分類番号」と呼ばれる役割があり、車両の種別や用途によって決まっています。乗用車の中でも特に普通自動車の分類に該当する3ナンバーと5ナンバーは、この番号で視覚的にも区別されています。
判別基準の違い
※この画像はAIによって生成されたものです
サイズでの分類基準
└ 車幅・車長・車高それぞれの数値（1.7m / 4.7m / 2.0m）
3ナンバーと5ナンバーを分ける大きなポイントのひとつが「車のサイズ」です。具体的には以下の3つの基準が設けられています。
- 車幅が1.7m（1,700mm）を超える
- 車長が4.7m（4,700mm）を超える
- 車高が2.0m（2,000mm）を超える
このうち、ひとつでも該当すれば3ナンバーになります。逆に言えば、すべての数値が以下であれば5ナンバーに分類されます。たとえば、トヨタ・シエンタのZグレードは「全長4,260mm × 全幅1,695mm × 全高1,695mm」であり、すべて基準値以下なので5ナンバーに該当します。一方で、トヨタ・ノアのSiグレード（4,710mm × 1,735mm × 1,825mm）のように、全長と全幅が基準を超えているため3ナンバーです。
このように、サイズによって分類されるため、見た目が似ていてもグレードや仕様の違いでナンバー区分が変わることもあります。
排気量での分類基準（2,000ccが境界線）
次に重要なのが排気量の違いです。基本的には「排気量が2,000ccを超えると3ナンバー」となります。逆に、2,000cc以下であれば排気量に関しては5ナンバーの条件を満たしているといえます。
たとえば、ホンダ・オデッセイのe:HEVアブソリュートは排気量が2.0L（2,000cc）なので、この点では5ナンバー相当ですが、車幅が1,820mmのため、実際には3ナンバーに分類されます。このように、排気量とサイズの両方を見て、どちらかが3ナンバー基準を超えていれば3ナンバーになるという点がポイントです。
ディーゼル車と電気自動車（EV）の例外パターン
ディーゼル車と電気自動車（EV）に関しては少し特別な扱いがあります。ディーゼル車の場合、排気量に基づく基準は適用されず、サイズのみで3ナンバーか5ナンバーかが判定されます。
また、EVに関しては排気量が存在しないため、原則として1,000cc以下と同等の扱いになり、自動車税は25,000円が適用されます。たとえば、日産リーフのようなEVは排気ガスを出さないため、環境負荷が少ないという点でも税制上の優遇を受ける対象となっています。
維持費の違いはある？
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自動車税（種別割）で見る違い
└ 具体例①：1,500cc 3ナンバー vs 2,000cc 5ナンバー
よく「3ナンバーは税金が高い」と思われがちですが、実は税金はナンバー区分ではなく、排気量によって決まります。つまり、3ナンバーだから高いわけではなく、排気量が多ければ多いほど税額が高くなるのです。
たとえば、排気量1,500ccの3ナンバー車は年間30,500円の自動車税ですが、排気量2,000ccの5ナンバー車は36,000円となり、3ナンバーのほうが税金は安くなるケースもあります。このことから、税額を左右するのはナンバーではなく、あくまで排気量であることがわかります。
重量税と車両重量の関係
└ 2.0t超の3ナンバー vs 1.0t以下の5ナンバーの比較
重量税もまた、ナンバーの区分ではなく、車の重さと年式によって決まります。たとえば、車両重量が2.0t超のアルファード（3ナンバー）は2年間で32,800円の重量税がかかります。一方、軽量である1.0t以下の5ナンバー車（例えばトヨタ・シエンタ）であれば、16,400円程度で済みます。
とはいえ、3ナンバー車は大型で重くなる傾向があるため、結果的に重量税も高くなる場合が多いというわけです。
自賠責保険と任意保険の違いと傾向
└ 保険料はナンバーより事故率・車両価格に依存
保険についても、「ナンバーの違いで保険料が変わる」というわけではありません。自賠責保険は3ナンバーも5ナンバーも「自家用乗用車」として同じ区分で扱われるため、保険料も共通です。
任意保険に関しては、車の車両価格や事故発生率、修理費の高低などによって変動します。たとえば、トヨタ・ヴェルファイアのように高額な車は修理費も高いため保険料が高めになる傾向があります。逆に、5ナンバーであっても事故率が高い車種であれば保険料は高くなることもあり、一概に3ナンバー＝保険料が高いとは言えません。
車種で見る3ナンバーと5ナンバーの代表例
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代表的な3ナンバー車種一覧
└ アルファード、ヴェルファイア、エルグランドなど
3ナンバーに分類される車種は、基本的に全幅が1,700mmを超えていたり、全長が4,700mmを超えていたりするモデルが中心です。代表的なのが、トヨタの高級ミニバン「アルファード・エグゼクティブラウンジ」や「ヴェルファイア・エグゼクティブラウンジ」です。これらの車はそれぞれ全長4,995mm × 全幅1,850mmというサイズで、堂々とした存在感があり、室内も広々とした空間が確保されています。
日産の「エルグランド」も3ナンバーを代表するミニバンです。現行モデルの「350ハイウェイスタープレミアムアーバンクローム」は、全幅1,850mmで、総排気量も3.5Lと高出力エンジンを搭載しています。このように3ナンバー車は、サイズのゆとりや高級感を重視する方に支持されている傾向が強く、大人数での移動や長距離ドライブに適した車種が多いのが特徴です。
代表的な5ナンバー車種一覧
└ シエンタ、フリード、アイシスなど
一方、5ナンバーの車種は都市部や狭い道での取り回しの良さを意識した設計がされています。代表的なモデルとしては、トヨタの「シエンタ（Zグレード）」があり、全長4,260mm × 全幅1,695mm × 全高1,695mmと、5ナンバーの基準内にしっかり収まっています。家族での使用にも便利で、燃費性能やコンパクトさを重視したい方に向いています。
ホンダの「フリード・ハイブリッドG」も5ナンバーの代表格で、全幅1,695mm、総排気量1.5Lと小型ながらも3列シートを備えた実用性の高いモデルです。トヨタ「アイシス」もまた、全幅1,695mmで設計されており、狭い駐車スペースや街中での取り回しを優先した車作りがされています。
このように、5ナンバーの車はコンパクトなサイズでありながら、必要な装備をしっかりと備えており、日常の使いやすさを重視する方に人気のある車種が揃っています。
同一車種で両ナンバーある例（ノア、ステップワゴン）
興味深いのは、同じ車種であってもグレードや装備内容によって3ナンバーと5ナンバーの両方が存在するケースがあることです。代表的な例が、トヨタの「ノア」です。2020年4月カタログモデルでは、「ノア・Si」は全幅1,735mmで3ナンバーに分類されますが、「ノア・G」グレードは全幅1,695mmで5ナンバーになります。このように、わずか40mmの違いでナンバー区分が変わってしまうのです。
ホンダの「ステップワゴン」も同様で、「G・EX」グレードは全長4,690mm × 全幅1,695mmで5ナンバーに収まっていますが、上級グレードでは装備やデザインの違いにより3ナンバーになる場合もあります。
このようなケースでは、税金や保険料はもちろんですが、駐車場のサイズや運転のしやすさにも影響してきます。購入時にはナンバー区分だけでなく、日々の使い勝手も考慮することが大切です。
なぜ3ナンバー車が増えているのか？
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安全性向上が理由（側面衝突対策など）
近年、3ナンバー車が増加している大きな理由のひとつが「安全性能の強化」です。特に側面衝突に備えた構造の改良が進められており、その結果として車幅が1,700mmを超える車両が増加しました。たとえば、衝撃吸収のサイドビームやサイドエアバッグを車体内に組み込むには、どうしても横幅の余裕が必要になります。
以前は5ナンバーであった車種が、こうした安全装備を搭載するために3ナンバーへと移行するケースも珍しくありません。ユーザーにとっては、安全性が高まるメリットがある一方で、ナンバーの区分が変わることで維持費や使い勝手が変化する可能性もあるため、注意が必要です。
海外輸出・グローバル基準への対応
もうひとつの大きな要因は、海外市場を意識した車両設計です。日本車は世界中で販売されており、特に欧州や北米では5ナンバーの基準を超えるサイズが一般的です。そのため、グローバルで通用するサイズの車両を開発・生産する流れの中で、自然と3ナンバー化する車種が増えてきました。
例えば、従来は日本向けにサイズを抑えていたミドルサイズセダンやSUVでも、現在は海外市場に合わせたボディサイズで設計されることが多く、結果として3ナンバーになるのです。これは日本国内の需要に対応しつつ、グローバルな競争力も維持しようとするメーカーの戦略ともいえます。
ユーザーのニーズに応える国内対応（例：カローラの国内専用ボディ）
一方で、国内の消費者ニーズに合わせた対応も見逃せません。例えばトヨタの「カローラ」は、海外モデルでは3ナンバーですが、日本仕様では5ナンバーに収まるよう専用ボディが用意されています。これは、狭い道路や小さめの駐車場が多い日本の交通事情を考慮した結果です。
メーカー側も、3ナンバー化が進む中でも5ナンバーの需要をしっかり把握しており、都市部や高齢者層など、コンパクトさを求める層への対応を行っています。今後もナンバー区分は一つの目安でありつつ、実際の使い勝手やライフスタイルに合った車選びがより重視されていくでしょう。
5ナンバー車のメリットと今後の展望
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小回り・取り回しの良さが魅力
5ナンバー車の最大の強みは、なんといってもその取り回しの良さにあります。車幅が1,700mm以下、全長4,700mm以下というサイズ制限に収まっているため、狭い道路や駐車場が多い日本の街中では非常に運転しやすい設計となっています。特に都市部や住宅街では、道路幅が限られていたり、駐車スペースに余裕がなかったりするケースが多く、コンパクトな5ナンバー車は日常使いにおいて大きな利便性を発揮します。
たとえば、**トヨタ・シエンタZ（全幅1,695mm）やホンダ・フリード（同1,695mm）**などは、3列シートを備えながらも、5ナンバー規格内に収まっており、小回りの良さと車内空間のバランスが取れた人気モデルです。また、運転初心者や高齢のドライバーにとっても、車幅感覚を掴みやすく、ストレスの少ない運転が可能になるのも大きなメリットです。
都市部での人気と継続的な需要
現在、多くの車種が3ナンバー化していく中でも、5ナンバー車の需要は依然として高いままです。特に東京や大阪などの都市圏では駐車スペースが狭く限られていることが多いため、5ナンバー車のようなコンパクトな車体サイズが支持されています。近年は、狭い住宅地や商業施設の立体駐車場などでも、サイズの大きい3ナンバー車では入庫しづらいケースが見受けられ、その点でも5ナンバー車の利便性が再評価されています。
実際に、トヨタのノアやホンダのステップワゴンなどのミニバン系車種でも、グレードによって5ナンバー仕様をラインナップしており、都市部のユーザー層に配慮した設計がなされているのが分かります。これらのモデルはファミリーカーとしての使い勝手も高く、都市生活と家庭の両立を目指す方々から根強い支持を受けています。
各メーカーの戦略的対応と今後のラインナップ傾向
自動車メーカー各社も、この5ナンバー需要にしっかりと対応しており、国内市場向けに特別なボディサイズを採用する戦略を取るケースが増えています。代表的な例として、トヨタの「カローラ」シリーズがあります。カローラは本来海外仕様では3ナンバーサイズですが、日本市場に合わせて5ナンバーの専用ボディを設定しています。これは、日本の道路事情やユーザーのニーズをしっかり把握したうえでの配慮と言えるでしょう。
また、車体の設計や生産においては、モジュラープラットフォームを活用し、同じ基本設計をベースにサイズ違いの車両を作り分ける技術が進化しており、今後もこのような「サイズ選択ができる車種」が増える可能性があります。消費者の多様なニーズに応える形で、5ナンバーの選択肢が一定数維持される流れは今後もしばらく続くと予想されます。
まとめ｜自分に合ったナンバー車を選ぶために
3ナンバーと5ナンバー、それぞれにメリット・デメリットがありますが、最も大切なのはご自身のライフスタイルや使用環境に合った車を選ぶことです。たとえば、広々とした室内空間や高級感、安定した高速走行を重視するのであれば、アルファードやヴェルファイアなどの3ナンバー車が適しています。一方で、狭い道や都市部での運転、買い物や通勤など日常的な使いやすさを求めるのであれば、シエンタやフリードなどの5ナンバー車が便利です。
税金や保険料といった維持費に関しては、ナンバー区分よりも排気量や車両重量、事故率などが影響します。そのため、「3ナンバーだから高い」「5ナンバーだから安い」と一概には言えません。むしろ、具体的な車種やグレードによって費用は大きく異なりますので、購入前にしっかりと確認することが大切です。
現在は3ナンバー車の割合が増えている傾向にありますが、メーカー各社も5ナンバーへのニーズに応じて、使い勝手の良いモデルを継続して開発・販売しています。ぜひ今回の情報を参考にしていただき、ご自身に最適な一台を見つけてください。
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