「ホンダ・ヴェゼルってあれだけ人気なのに、なんでトミカにならないの?」――そう思ったことはありませんか?
実は、ヴェゼルは国内でもトップクラスの売れ筋車種でありながら、トミカ化されていないという不思議な状況が続いています。
本記事では、トミカにヴェゼルが登場しない理由をはじめ、旧型・新型それぞれの背景、他メーカー製のミニカー情報、入手可能な方法、そして今後のトミカ化の可能性まで詳しくご紹介。
読めば「なぜないのか」「今どう探せばいいか」がすっきりわかります。
トミカに「ヴェゼル」がないのはなぜ?基本の疑問に答える
出典:HONDA
人気車種なのに製品化されない不思議
ホンダのヴェゼルといえば、日本国内で高い人気を誇るコンパクトSUVです。特に2021年4月にフルモデルチェンジされた新型モデルは、洗練されたデザインと高い燃費性能で多くのファンを惹きつけています。それにもかかわらず、なぜ「トミカ」という日本を代表するミニカーブランドにラインナップされていないのか、不思議に感じる方は多いのではないでしょうか。
実際、「シビック TYPE R」や「フィット」など、ホンダの他の人気車種はすでにトミカとして製品化されています。特にシビック TYPE Rに至っては、実車の発売からわずか3ヶ月でトミカとして登場するという異例の早さでした。にもかかわらず、ヴェゼルにはそのような動きがないのは、「なぜ?」と思わざるを得ません。
トヨタのC-HRや日産のキックスといった、同じカテゴリに属するコンパクトSUVがすでにトミカ化されている事実を考えると、ヴェゼルの不在は一層際立ちます。しかも、ヴェゼルは国内販売台数でも上位にランクインする実績のある車種ですから、その人気と実力を考えれば、製品化の対象としてふさわしいはずなのです。
しかし現実には、旧型・新型ともにトミカから発売されたことはなく、「なぜヴェゼルだけ?」という疑問がファンの間で広がっています。
トミカの製品化には何が関係している?
トミカにおける製品化の可否は、単純に「人気車種かどうか」だけでは決まらないのが実情です。トミカでは、年間を通じて多くの新型車や限定モデルが登場するため、どの車をラインナップに加えるかは非常にシビアに選定されています。市場のトレンドや話題性、製造コスト、さらにはデザインの再現度など、多くの要素が複雑に絡み合っています。
まず、トミカの製品化には、車両を製造している自動車メーカーとのライセンス契約が必要です。ホンダとトミカ(タカラトミー)との間で、ヴェゼルに関する協議が十分に進んでいなかった可能性も考えられます。特にヴェゼルのようにフルモデルチェンジによってデザインが大きく変化した場合、ミニカーとして忠実に再現するには追加の技術的検証やコストがかかることもあります。
また、ヴェゼルのデザインは直線的でシンプルな印象を持つ反面、他のSUVと似ているという評価を受けることもあります。そのため、子どもたちやミニカーファンにとって“ひと目でわかる特徴”がやや弱く、トミカ側での優先順位が下がってしまった可能性もあるのです。
加えて、トミカの製品ラインナップにはジャンルのバランスも重視されており、スポーツカー、トラック、重機、働く車などのバリエーションを保つ必要があります。このラインナップの中で、ヴェゼルが割って入るのは簡単ではなかったのでしょう。
新型ヴェゼルのトミカ化の可能性
2021年モデルチェンジ後の動き
2021年4月にフルモデルチェンジされた新型ヴェゼルは、それまでのイメージを大きく覆すような先進的なデザインと、電動パワートレイン「e:HEV」の採用で注目を集めました。このように、トレンドをしっかりと押さえた新型ヴェゼルですが、トミカ化に関しては依然として情報が出てきていません。
競合記事によると、トミカの新車ラインは実車発売後に数ヶ月〜1年程度のタイムラグを伴うケースが多く、例えばシビック TYPE Rは実車登場から約3ヶ月後というスピード対応でしたが、これはかなり異例の例とされています。一方で、ヴェゼルの場合は、2021年のモデルチェンジからすでに数年が経過しているにもかかわらず、未だに正式な製品化の情報が出ていないのはやはり異例と言えます。
この背景には、市場における話題性やデザインの訴求力、他車との競合状況など、トミカが製品化の判断材料としている要素が関係していると考えられます。特にヴェゼルのような実用的SUVは、派手さに欠ける印象を与える可能性があり、トミカとして販売戦略上の優先順位が下がっているのかもしれません。
デザインと市場評価が影響?
ヴェゼルの新型モデルは、先代と比べてデザインが大きく変わったことでも話題になりました。水平基調のフロントグリルやシンプルでスタイリッシュなフォルムは、大人っぽさと洗練さを兼ね備えており、ユーザーからの評価も上々です。しかしこの洗練されたデザインが、ミニカーとしての「玩具らしさ」に欠けると捉えられた可能性もあります。
トミカは、あくまで“子ども向け玩具”としての側面も持っています。そのため、デフォルメしやすく、形状がわかりやすい車種の方が製品化されやすい傾向にあります。ヴェゼルの新型デザインは、その美しさゆえに再現が難しく、製品としてのコストや完成度へのハードルが高くなってしまったのかもしれません。
また、市場評価としても、ヴェゼルは安定した人気を持っているものの、SNSやメディアでの話題性という意味では、スポーツカーや限定モデルに比べるとやや控えめな印象です。話題性に乏しい車種は、トミカ化による販売促進の効果が期待しにくいため、どうしても後回しにされやすいという現実もあるでしょう。
このように、デザインの特性と市場での話題性のバランスが、トミカ化の判断に大きく影響していると考えられます。製品化を望むファンとしては、トミカ側の動きを根気強く待つ必要がありそうです。
シビックTYPE Rとの比較から見る可能性
ホンダのスポーツモデル「シビック TYPE R」は、トミカファンの間でも非常に注目されている車種のひとつです。特筆すべきは、実車の新型モデルが登場してから、わずか約3ヶ月でトミカとして製品化されたというスピード感です。この事実は、「トミカがどの車を早急に商品化するか」を判断するうえで非常に参考になります。
このスピーディーな製品化の背景には、TYPE Rという特別グレードの話題性、スポーツカーとしての独自性、そして子どもから大人まで幅広い層に強いインパクトを与えるデザイン性が大きく影響しています。つまり、視覚的にもわかりやすく、トミカとして展開した際に強い存在感を発揮できる車種だったということです。
一方で、ヴェゼルはどうでしょうか。確かにヴェゼルも国内での販売実績は非常に高く、SUVというトレンドにも乗った人気車ですが、TYPE Rのように「見た瞬間に特別感が伝わる」車ではないかもしれません。特に2021年のモデルチェンジ後はデザインが洗練されて落ち着いた雰囲気となり、玩具としての“映え”やインパクトにはやや欠ける部分もあります。
また、TYPE Rのようなスポーツモデルはコレクターや大人のユーザー層にも響きやすいという強みがあり、トミカ側もそういったマーケティング効果を意識して早期製品化に踏み切ったと考えられます。一方、ヴェゼルは“実用的で堅実な車”という印象が強いため、子ども向け玩具としての訴求力が相対的に低く評価されてしまっている可能性があるのです。
このように、TYPE Rとヴェゼルの違いから見えてくるのは、「話題性・特別感・玩具映え」という3つのキーワードが、トミカ製品化のスピードや優先度を大きく左右しているという点です。ヴェゼルもこれらの点で今後の評価が高まれば、トミカ化の可能性は十分にあるといえるでしょう。
旧型ヴェゼルがトミカ化されなかった理由
同カテゴリ車種との比較(C-HR、キックス)
旧型ヴェゼルが登場した当初、同じくコンパクトSUV市場で競合していたのが、トヨタのC-HRや日産のキックスといった車種です。興味深いのは、これらの車種がトミカとして既に製品化されている一方で、ヴェゼルはラインナップに加わっていないという点です。この違いには、トミカ側の製品戦略や車両の個性が大きく関係していると考えられます。
例えば、C-HRはエッジの効いた攻めたデザインと、トヨタらしい先進技術のイメージが評価され、登場当初から話題性が非常に高い車でした。そのビジュアルインパクトは、トミカのような玩具にも非常にマッチします。また、キックスも日産初のe-POWER専用SUVとして登場し、環境性能とともに先進性が際立ったモデルです。こうした話題性や先進性が、トミカ側の製品化判断にポジティブに働いたと考えられます。
対する旧型ヴェゼルは、どちらかというと「大人っぽいデザイン」と「落ち着いた走行性能」が売りの車でした。もちろん、国内販売では非常に好調で、販売実績だけを見れば十分に製品化されてもおかしくないモデルでした。しかし、トミカが求める“ミニカーとしての魅力”という点では、C-HRやキックスのような強烈な個性に比べて、やや控えめだったのかもしれません。
つまり、同じコンパクトSUVというカテゴリであっても、トミカが製品化する際には「インパクト」「独自性」「話題性」といった視点で取捨選択がされており、旧型ヴェゼルはその優先順位で一歩引いた位置に置かれてしまったといえるでしょう。
製品化選定の基準と優先度の問題
トミカのラインナップに加えられる車種は、単に人気があるというだけでは選ばれません。製品化にはいくつかの明確な基準が存在しており、その中でも特に重視されるのが「市場の話題性」「ターゲット層との親和性」「デフォルメしやすさ(再現のしやすさ)」です。
旧型ヴェゼルは、日本国内では販売台数ランキングの常連となるほど人気が高く、SUVブームの火付け役とすらいわれました。しかしその一方で、トミカとして商品化したときに「他車との差別化がしにくい」「特徴が少なく、再現に難しさがある」といった評価を受けていた可能性があります。
また、トミカはスポーツカー、重機、緊急車両など、子どもたちに人気のジャンルを意識してラインナップを構成しています。例えば、NSXやシビックTYPE Rのような車は、「かっこいい!」「速そう!」という直感的な印象を与えやすく、トミカとしても高い販売実績が見込めます。
それに比べて、旧型ヴェゼルは実用性の高さが魅力の車であり、そうした“堅実さ”はトミカの購買層である子どもたちやその親世代にとって、即座に刺さるポイントにはなりづらかったのかもしれません。結果として、トミカの社内での製品化選定の優先順位が他車に譲られてしまったという背景が見えてきます。
ホンダとのライセンス問題?
トミカとして車を製品化する際には、必ず自動車メーカーとのライセンス契約が必要になります。特にボディのデザインやロゴ、車名の使用に関しては、細かい調整が求められることが多く、この過程がスムーズに進まないと製品化は難しくなってしまいます。
ホンダとトミカ(タカラトミー)の関係自体は、これまで数多くのホンダ車がトミカ化されていることから悪いとは言えません。しかし、その中でヴェゼルが漏れているという事実を見ると、「ライセンス交渉に何らかの壁があったのでは?」と推測される部分もあります。
例えば、ホンダ側の戦略として、ヴェゼルのミニカー展開を独自に進めたいという方針があった可能性も否定できません。実際、ヴェゼルのミニカーはトミカ以外のメーカー、たとえば香港のEracar社やホビージャパンからは精巧なモデルが発売されています。加えて、ホンダディーラーでのみ入手可能な限定ミニカーが存在することから、ホンダ側がトミカとは別のチャネルを重視したとも考えられます。
このように、ライセンスの取得状況や企業戦略の食い違いといった事情が、旧型ヴェゼルのトミカ化を阻んでいた可能性は十分にあるといえるでしょう。製品化の背景には、消費者には見えにくい“裏側の事情”が隠されているのです。
ヴェゼルのミニカーは他メーカーに存在する!
トミカからヴェゼルのミニカーが発売されていないことを残念に感じている方も多いと思いますが、実はトミカ以外のメーカーからはヴェゼルのミニカーがしっかりと販売されています。特に注目すべきは、精巧な作りで定評のあるEracar社やホビージャパン製のミニカーです。これらの製品は、トミカとは異なるリアル志向やスケール感でファンの心をつかんでおり、「トミカがないなら他の選択肢を」という方には非常におすすめできる存在です。
Eracar社の1/64スケールモデル
Eracar(エラカー)社は、香港を拠点とするミニカーメーカーで、近年その精巧さとバリエーションの多さで人気が高まっているブランドです。Eracarからは1/64スケールの新型ヴェゼルのミニカーが販売されており、コンパクトながらもディテールへのこだわりが非常に高く評価されています。
この1/64スケールは、ちょうどトミカの標準的なサイズ感と近く、飾るにもコレクションするにも最適なサイズです。ボディの曲線やグリルの造形、ホイールのデザインに至るまで、実車のヴェゼルの特徴を見事に再現しており、トミカのシンプルさとは一線を画した「リアルさ」を感じることができます。
価格はトミカよりやや高めではありますが、品質と完成度を考えれば納得のいく内容です。カラー展開も複数あり、好みや実車のオーナーの仕様に合わせた選択ができるのも魅力の一つです。
ホビージャパン製の高精細モデル(1/43スケール)
さらにリアル志向の方には、ホビージャパン製の1/43スケールのヴェゼルミニカーがおすすめです。ホビージャパンは、国内外の車種を精密に再現するモデルを数多く手がけているメーカーで、コレクターからの評価も非常に高いブランドです。
この1/43スケールは、サイズ的にも展示映えがよく、細部の作り込みをしっかり確認できるスケールです。ホビージャパンのヴェゼルは、塗装の質感、内装の表現、ライトやミラーのディテールに至るまで、驚くほどリアルに仕上げられており、単なる「玩具」を超えたミニチュアカーとしての存在感を放っています。
また、展示用のクリアケースが付属していることも多く、そのまま飾れるのも嬉しいポイントです。価格帯は高めになりますが、ヴェゼルファンにとっては手元に置いておきたくなる一台といえるでしょう。
入手方法は?どこで買える?
ヴェゼルのミニカーを探している方にとって、どこで購入できるかは大きな関心事ですよね。トミカのように一般流通していない場合でも、実はさまざまなルートで手に入れることが可能です。特に注目すべきなのは、ホンダディーラーで配布または販売される限定ミニカー、そしてネット通販や専門ショップでの予約販売です。それぞれの特徴を詳しく解説します。
ディーラー限定ミニカーの存在
ホンダの正規ディーラーでは、新車購入キャンペーンや来店記念など、特定のイベントに合わせて限定ミニカーが配布されることがあります。実際に新型ヴェゼルのミニカーも、こうしたディーラー限定で登場しており、入手した方のSNS投稿なども見られます。
これらのディーラー限定ミニカーは、一般流通されないぶん希少価値が高く、タイミングが合えば無料で手に入ることもあります。店舗によってキャンペーンの内容が異なるため、最寄りのホンダディーラーに直接問い合わせるか、公式サイトやSNSを定期的にチェックすることをおすすめします。
また、過去に配布されたディーラーモデルがオークションサイトや中古ミニカーショップで出回ることもありますが、人気のあるヴェゼルの場合は価格が高騰する傾向があるので注意が必要です。
オンラインショップや予約購入のコツ
ディーラー以外で入手する方法としては、オンラインショップの活用が非常に便利です。Eracarやホビージャパン製のヴェゼルミニカーは、Amazonや楽天市場、一部の専門店サイトで取り扱いがあります。中には先行予約を受け付けているショップもあり、新商品を確実に手に入れるなら早めのチェックが重要です。
また、ミニカー専門店や海外直輸入サイトを利用することで、国内未発売のカラーバリエーションや限定モデルを購入することも可能です。購入前にはショップの信頼性や送料、配送期間などをよく確認するようにしましょう。
加えて、予約販売には特典が付くこともあるので、ショップのキャンペーン情報を見逃さないようにするのもポイントです。特に人気モデルの場合、発売と同時に完売することもあるため、事前の予約・情報収集が成功のカギとなります。
このように、トミカからは登場していないヴェゼルのミニカーも、さまざまな方法で手に入れることが可能です。ファンとしては、その情報をしっかり押さえたうえで、理想の一台をぜひ見つけてみてください。
黒いヴェゼルのトミカは登場する?
「黒いヴェゼルのトミカは出るの?」という疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。実車のヴェゼルでも黒は特に人気の高いカラーで、落ち着いた高級感があり、男女問わず好まれています。そんな黒のヴェゼルがトミカで登場する可能性について、トミカのカラーバリエーションの傾向や他モデルの事例から考察していきます。
トミカのカラーバリエーション傾向
トミカは、基本カラーの「通常版」と、特別仕様の「初回特別カラー」や「限定カラーバージョン」など、豊富なカラーバリエーションを展開しています。中でも「黒」はトミカの中でも定番の人気色で、スポーツカーからSUV、パトカーなど、さまざまな車種で展開されてきました。
たとえば、ホンダの「フィット」や「シビックTYPE R」でも、黒色バージョンは過去に発売されています。特に初回特別仕様やイベント限定モデルで黒が採用されることも多く、ファンの間では「黒モデルはレアでカッコいい」という印象が強く定着しています。
また、トミカは同一車種でも時期を変えて複数のカラー展開を行う傾向があるため、仮にヴェゼルがトミカ化された場合、まずはホワイトやシルバーなどのスタンダードカラーで登場し、その後に黒バージョンが追加される可能性は十分にあります。
黒モデル登場の可能性と予測
現時点では、ヴェゼルのトミカ自体が発売されていないため、黒モデルの登場についても「確定情報」はありません。しかし、これまでの傾向や人気の高さを踏まえると、「もしトミカ化されれば黒が登場する確率は高い」と予想できます。
特に、実車ヴェゼルでも「クリスタルブラック・パール」は定番の人気カラーとしてラインナップされており、購入層の支持も厚いです。このような市場の人気カラーは、トミカにおいても製品化の判断材料として重視される傾向があります。
加えて、トミカが黒モデルを展開する際は、通常版に加えた特別仕様としての意味合いが強く、コレクターの購買意欲を刺激する狙いもあります。ヴェゼルがトミカ化された際には、黒バージョンを「初回特別仕様」として投入する可能性も十分に考えられるでしょう。
このように、黒いヴェゼルのトミカが実現するためには、まずヴェゼルそのものの製品化が前提にはなりますが、そのうえで黒モデルは「人気・需要・販売戦略」のすべてを満たす強力な選択肢であることに疑いはありません。
ホンダ車のトミカ化傾向から見る「ヴェゼル」の未来
ヴェゼルのトミカ化がなかなか実現しない現状に対して、「そもそもホンダ車はトミカでどう扱われているのか?」という視点で分析すると、その未来が少し見えてくるかもしれません。これまでのホンダ車のトミカ展開傾向を読み解くことで、ヴェゼルが今後製品化される可能性について考えてみましょう。
スポーツカー偏重?製品化の傾向分析
トミカのラインナップを眺めてみると、ホンダ車の中で特に目立って採用されているのは「スポーツモデル」です。代表的なのは「NSX」や「シビック TYPE R」などで、これらはいずれも高性能でスタイリッシュな外観を持ち、子どもたちの「かっこいい!」という直感に訴える要素を多分に備えています。
こうしたスポーツカーは、見た目のインパクトが大きく、デフォルメしやすいためトミカとしても製品化しやすい傾向にあります。これに比べてヴェゼルのような実用性を重視したSUVは、「遊びごたえ」や「見た目の派手さ」の面でやや不利と言えるかもしれません。
しかしながら、ヴェゼルはただの実用車ではありません。その洗練されたデザインや、e:HEVという電動パワートレインの先進性は、新しいトレンドとしての価値を持っています。スポーツカー偏重だったトミカのホンダ車ラインナップに、今後多様性が求められるようになれば、ヴェゼルのような車も自然と製品化の候補に上がってくるはずです。
市場トレンドとSUV需要の影響
近年、国内外を問わず自動車市場ではSUV人気が非常に高まっています。特に都市型SUVやコンパクトSUVは、ファミリー層や若年層からの支持を集めており、その市場規模は年々拡大しています。実際に、ヴェゼルは国内販売台数でも上位にランクインする人気車種で、街中でも頻繁に見かける存在です。
このような背景を踏まえると、トミカにおいても今後はSUVカテゴリの強化が進む可能性が高いといえます。実際、トヨタの「ライズ」や「C-HR」、日産の「キックス」など、他メーカーのSUVはすでにトミカ化されており、その流れがホンダ車にも及ぶのは時間の問題かもしれません。
ヴェゼルはその筆頭候補として十分な実績と人気を備えており、トミカ側にとっても「売れる可能性の高い商品」として魅力ある存在です。特に、e:HEVのような先進的な技術を搭載している点は、教育的価値のある玩具としても評価されやすく、トミカのブランディング戦略にも合致すると考えられます。
今後、市場のSUV需要に対応する形で、トミカがラインナップの幅を広げる際には、ヴェゼルのような車種が新たに加わる可能性は十分にあるでしょう。今はまだ実現していなくても、その「未来」は意外と近いのかもしれません。
「ヴェゼル」とはどんな車?名前の意味や特徴
ホンダ・ヴェゼルは、2013年に初代モデルが登場して以来、コンパクトSUVというカテゴリの中で長年にわたり高い人気を維持し続けているモデルです。都会的で洗練されたデザイン、優れた燃費性能、そして走りの快適性を兼ね備えており、若年層からファミリー層まで幅広いユーザーに支持されています。2021年にはフルモデルチェンジが実施され、新型ヴェゼルとしてさらに進化を遂げました。
新型ヴェゼルは、ホンダの電動化技術「e:HEV(イーエイチイーブイ)」を搭載し、環境性能と走行性能の両立を実現しています。外観も大きく刷新され、グリルレス風のシンプルでスマートなフロントフェイスや、水平基調のボディラインが特徴となっており、ひと目で洗練された印象を与えるデザインに生まれ変わりました。
このようにヴェゼルは、単なる「移動手段」としての車ではなく、デザイン性・機能性・環境性能を高次元で融合させた、現代のライフスタイルにフィットする新しいSUVとしての地位を確立しています。
名称の由来とコンセプト
「ヴェゼル(VEZEL)」という名前は、実は2つの英単語の組み合わせから成り立っています。ひとつは「Bezel(ベゼル)」で、これは宝石のカットされた小さな面を意味します。そしてもうひとつが「Vehicle(ビークル)」、つまり「車」です。この2つを掛け合わせることで、「多面的な魅力を持つ車」というコンセプトが込められているのです。
ホンダはこのネーミングに、「角度によって表情を変える宝石のように、シーンに応じて多彩な顔を見せる車」という想いを込めたと説明しています。つまり、街乗りにもアウトドアにも対応できる万能性、そしてユーザーのライフスタイルをより豊かにする存在でありたいというブランドの姿勢が表れています。
この多面的な魅力は、外観デザインにも顕著に現れています。例えば、シャープなフロントマスクは都会的な印象を与える一方で、しっかりとした車高や力強いフェンダーラインはSUVらしいタフさも演出しています。つまり、ヴェゼルという名前は、まさにこの車の本質を言い表した象徴的なネーミングだと言えるでしょう。
ドライブモードや燃費性能もチェック
新型ヴェゼルは、走行シーンやドライバーの好みに応じて選べる3つのドライブモードが搭載されています。NORMAL(ノーマル)、SPORT(スポーツ)、ECON(エコ)の3種類があり、それぞれの特徴を理解して使い分けることで、より快適で効率的なドライブが可能になります。
NORMALモードは日常の街乗りに適しており、スムーズでストレスのない加速が特徴です。SPORTモードでは加速レスポンスが鋭くなり、山道や高速道路などで活躍します。ECONモードはアクセル反応を抑え、燃費を最大限に引き出すことができるため、長距離走行時やエコドライブを心がけたいときにおすすめです。
さらに、新型ヴェゼルの燃費性能も非常に優秀です。WLTCモードによる計測では、市街地モードで28.2km/L、郊外モードで26.2km/L、高速道路モードで24.9km/Lという数値を記録しており、満タン(約40リットル)でおよそ1000km以上の走行が可能とされています。これだけの航続距離があれば、長距離ドライブでも給油の心配を大幅に減らすことができます。
このようにヴェゼルは、デザイン性や名前の意味だけでなく、実際の機能面においても非常に優秀な車種であり、単に「おしゃれなSUV」にとどまらない、確かな実用性と先進技術を兼ね備えた一台となっています。今後トミカとして製品化される際には、こうした特徴もしっかりと再現されたモデルになることを期待したいですね。
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