「レクサスESがフルモデルチェンジしたらしいけど、具体的に何が変わったの?」——そんな疑問を持つ方に向けて、本記事では2025年4月に世界初公開された新型ESの全貌を徹底解説します。注目のグレード展開、LF-ZCをベースにした大胆な外装デザイン、面発光イルミなど進化したインテリア、そして最新の安全装備や車載OS「アリーン」の導入状況まで、見どころは盛りだくさん。
この記事では、新型ESのスペック・装備から市場の反応、次世代レクサスの方向性まで、気になるポイントを網羅的にご紹介します。
1. 最新情報まとめ
出典:LEXUS
1-1. 新型ESが世界初公開されたのはいつ?どこで?
新型レクサスESは、2025年4月23日に中国・上海モーターショーで世界初公開されました。これまでESといえば比較的保守的なセダンとして認識されてきましたが、今回のフルモデルチェンジでは、その常識を大きく覆すようなデザインと技術の刷新が行われています。なかでも注目すべきは、未来のレクサス像を示すコンセプトカー「LF-ZC」の要素を取り入れたこと。従来の延長線上ではなく、「第5世代レクサス」の先駆けとしての新たな一歩を踏み出しています。
また、公開場所が中国であることは、レクサスが中国市場を重視している姿勢の表れでもあり、今後のグローバル戦略を考えるうえでも大きな意味を持っています。セダン離れが進む中で、あえてセダンを進化させて投入することは、ブランドの哲学と自信を感じさせるものとなっています。
1-2. 公開されたグレード名とその意味(ES300h/ES350h/ES350e/ES500e)
新型ESでは、4つのグレード名がすでに各国で商標登録されており、以下のようなバリエーションが展開される見込みです。
- ES300h:従来モデルにも設定されていたハイブリッドモデルの後継と見られ、燃費性能と環境性能を重視したベースグレード的な位置付けとなりそうです。
- ES350h:300hに対し出力の強化やシステム制御の最適化が期待される上級ハイブリッドグレード。より力強い走りと高い静粛性を両立させるモデルです。
- ES350e:新たに追加されると見られるPHEV(プラグインハイブリッド)モデルの可能性が高く、EVモードでの走行距離や充電性能に注目が集まっています。
- ES500e:上級グレードであり、パフォーマンス志向のPHEVあるいはハイパワーハイブリッドを採用していると予想されます。車格的には、現行LSに迫るような高級感と走行性能を備えるフラッグシップ的存在となりそうです。
いずれのグレードも、単なるネーミングの違いではなく、パワートレインの多様化とユーザーの選択肢拡大を示しており、今後の詳細発表が非常に待ち遠しいところです。
2. 外装デザインの刷新
出典:LEXUS
2-1. ベースはコンセプトカー「LF-ZC」!未来感と実用性の融合
今回の新型ESは、次世代レクサスを象徴するコンセプトカー「LF-ZC」のデザイン哲学をベースに開発されており、従来のモデルとは一線を画す先鋭的なスタイルが印象的です。ただし、LF-ZCほどの奇抜さは抑えられ、現実的なプロポーションを保ちつつ、未来的なエッセンスを巧みに取り入れている点が評価されています。
フロントマスクはよりシンプルかつ直線基調でまとめられ、従来のスピンドルグリルの存在感を和らげた一方で、LEDの意匠や立体的な造形により存在感を確保。ルーフラインは流麗で、クーペライクなシルエットが印象的です。ボディ全体のプロポーションは、クロスオーバーに近づいたようにも感じられ、実用性とデザインのバランスを高次元で成立させています。
結果として、新型ESは「未来のセダン像」を提案しながらも、日常での使いやすさや視認性にも配慮されたデザインへと進化しているのが特徴です。
2-2. フロント・リア周りの変更点(ヘッドライト・Lシグネチャーランプ)
外観の刷新において注目されるのが、フロントとリアのディテール変更です。フロントには新設計のヘッドライトが採用されており、従来よりも高精細な照射が可能となったことで、安全性と先進性を両立。薄型化されたデザインは、より精悍で未来的な印象を与えます。
リアには新たに「Lシグネチャーランプ」が採用されており、レクサスのアイデンティティを明確に打ち出すとともに、ワイド感と安定感を強調。特に夜間の視認性が大きく向上しており、都市部でも郊外でもひときわ目を引く存在になるでしょう。
これらの変更は、単なる意匠の変更にとどまらず、車両のブランド価値を体現する重要な要素として位置づけられており、レクサスが掲げる「次世代ラグジュアリー」の方向性をしっかりと示しています。
2-3. カラーバリエーションと「和」を意識した名称の採用
新型ESでは、ボディカラーの名称にも新たな挑戦が見られます。従来のカラーネーミングに比べて、日本の「和」の美意識を取り入れた独特の表現が採用されており、たとえば「アオタケ(青竹)」といった名称が登場しています。
これは単に日本市場向けの演出というだけでなく、レクサスのブランドとしての出自や精神性を象徴するものであり、世界中のユーザーに向けて「日本の美意識」をアピールする狙いが感じられます。
こうした文化的背景を活かしたカラー展開は、車選びにおける個性や感性の重要性が高まっている現代において、大きな付加価値となるはずです。質感の高い塗装技術と相まって、見た目の高級感や所有満足度を一層高める要素となっています。
3. 内装の進化と新技術
出典:LEXUS
3-1. インテリアは“魅せる”演出へ:面発光イルミ&間接照明の変化
新型レクサスESのインテリアでは、「魅せる」演出への大きな方向転換が行われています。従来モデルでは、落ち着いたトーンの間接照明によって静かな高級感を演出していましたが、新型では“面発光加飾”という全く新しい光の使い方が採用されています。これは単に明るさを確保するための照明ではなく、視覚的なインパクトや空間演出の一部として設計されており、ドライバーと乗員の感性に訴えかけるラグジュアリー体験を提供しています。
たとえば、ドアトリムやセンターコンソール周辺に施されたイルミネーションは、間接的にではなく広がりのある「面」で発光することで、車内全体に包まれるような温かみと近未来感をもたらしています。これにより、夜間のドライブでは空間全体が穏やかな光で満たされ、まるで上質なラウンジのような心地よさが演出されるのです。
このような照明デザインの進化は、単なるデザイン性の強化にとどまらず、乗るたびに新鮮な感動を味わえる空間づくりへとつながっています。
3-2. 世界初「レスポンシブ・ヒドゥン・スイッチ」って何?
新型ESには、世界初となる「レスポンシブ・ヒドゥン・スイッチ」が採用されています。名前の通り、このスイッチは普段は目に見えない位置に“隠されている”ものの、手を近づけると反応し、直感的に操作ができるようになるという革新的なインターフェースです。
この技術は、物理ボタンの数を減らしながらも、操作性を損なわないという相反する課題を見事に両立させています。スイッチ部分はパネルと一体化しており、不要なときは空間のデザインを崩さず、必要なときだけ直感的に“浮かび上がる”ように表示される仕組みです。まるで空間と一体化したタッチ操作のような新感覚で、特にナビゲーション操作やエアコンの調整時などに威力を発揮します。
この先進的なスイッチは、近未来的なインテリアデザインとの親和性も非常に高く、従来の操作系と比べても高級感と機能美を両立した仕上がりとなっています。
3-3. 新採用のフレグランス機能(バンブー香など)
新型ESでは、香りの演出にも新たな試みが取り入れられています。それが「バンブー」を用いたフレグランス機能です。単に芳香剤を設置するような従来の方法ではなく、レクサスらしく上質で自然な香りの演出が重視されており、車内に一歩踏み入れた瞬間から和の精神を感じられるような空間が広がります。
このフレグランス機能は、竹素材の持つ自然な香気を活かしつつ、乗員のリラックス効果を高めるために設計されており、視覚・触覚・聴覚に続く“第4の感覚”としての香りを本格的に取り入れています。まさに五感すべてで「おもてなし」を体現するという、レクサスならではの思想が色濃く表れたポイントです。
このような細やかな配慮が、移動のひとときを日常から切り離された上質な体験へと昇華させてくれます。
4. プラットフォームと車両サイズ
出典:LEXUS
4-1. 全高1555mm、全長5m級:クロスオーバー風セダンの真意とは?
新型ESでは、ボディサイズにおいても大胆な変化が加えられています。特に注目すべきは全高が1555mmという、従来のセダンの枠を超える高さになっている点です。この数値は、セダンとしては異例ともいえる高さであり、SUVとセダンの中間的なポジションを狙った“クロスオーバー風セダン”という新しいカテゴリの提示とも取れます。
一方で、全長もおよそ5メートルに達しており、堂々としたプロポーションはラグジュアリーカーとしての存在感を一層際立たせています。これにより、後席の居住性やラゲッジ容量といった実用面でも大きな進化が見込まれており、単なる見た目の変化にとどまらない総合的な価値向上が図られています。
このサイズアップにはもちろん好みが分かれる部分もありますが、「セダンらしくないセダン」を求めるユーザー層には、非常に魅力的な提案となっていることは間違いありません。
4-2. 日本市場におけるサイズ感のメリット・デメリット
新型ESのサイズ感は、日本市場においては歓迎と懸念が交錯する要素と言えます。全長5メートルを超えると、都市部の立体駐車場や一般家庭の車庫での駐車が困難になるケースも少なくなく、所有するうえでのハードルは確実に上がります。特に都心での取り回しや狭路での運転には注意が必要です。
一方で、この堂々たるボディサイズがもたらす室内のゆとりや静粛性、高速域での安定感といったメリットは絶大です。リアシートに重点を置くような使い方や、長距離ドライブを頻繁に行うユーザーにとっては、これ以上ない快適性を提供してくれるはずです。
つまり、日本の使用環境に対しては、居住性や快適性を取るか、取り回しの良さを優先するかという選択になってくるため、購入前にはライフスタイルとの相性をよく見極めることが求められます。
4-3. 「DRS」搭載による取り回し性能への影響
新型ESでは、取り回しの課題に対する解決策として、後輪操舵システムである「DRS(ダイナミック・リア・ステアリング)」が採用されています。これは、一定の速度域以下では後輪が前輪と逆方向にステアリングされることで、最小回転半径を小さくし、低速域での取り回しを大幅に改善するという技術です。
たとえば、都市部での細い路地への侵入や縦列駐車の際でも、全長が長い車両とは思えないスムーズな操縦性が確保されるため、大型セダンにありがちな「運転しづらさ」を感じさせません。
また、高速域では後輪が前輪と同じ方向にわずかに動くことで、車体の安定感が向上し、車線変更やカーブでの挙動が滑らかになります。このように、「大きくても運転しやすい」という相反するニーズを高次元で実現するための技術が、このDRSというわけです。サイズアップに不安を感じる方も、ぜひこの機能の恩恵に注目していただきたいポイントです。
5. 安全&運転支援技術
出典:LEXUS
5-1. 「Lexus Safety System+ 4.0」初採用!どこが進化した?
新型レクサスESでは、ついに「Lexus Safety System+ 4.0」が初採用されました。これは従来の3.0や3.5からさらに進化した、レクサスの最新世代の予防安全パッケージで、特にセンサー性能と制御アルゴリズムの向上が注目されています。
この新しいシステムでは、単眼カメラとミリ波レーダーの組み合わせに加え、より高精度な画像認識とAI処理によって、複雑な交差点や見通しの悪い状況でも歩行者や自転車をより正確に検知できるようになりました。また、緊急時の自動ブレーキ機能の反応速度も向上しており、従来よりも短い距離で停止できる設計となっています。
さらに、「プロアクティブ・ドライビング・アシスト」や「高度運転支援(Lexus Teammate)」といった機能も、今後の展開によって搭載が期待されており、日常運転のストレスを軽減しつつ安全性を大幅に高める方向で進化しています。安全性を最優先に考える方にとっては、今回のESのフルモデルチェンジは非常に魅力的な進化となるでしょう。
5-2. 開発中の車載OS「アリーン」搭載の現状と展望
新型ESには、現在トヨタ・レクサスが開発中の次世代車載OS「アリーン(Arene)」が部分的に搭載されているとされています。ただし、今回のモデルに導入されているのは「マルチメディア関連に限った第1世代」であり、車両全体を統合的に制御する本格的な第2世代の実装はまだ先になりそうです。
この「アリーン」OSは、将来的にソフトウェアアップデートによる機能拡張や、新たなUI/UXの提供、さらには自動運転レベルの高度な制御までを視野に入れた基盤として開発されています。そのため、新型ESにおいても、今後のアップデートにより段階的に機能が追加されていく可能性が高いです。
現段階では、ナビゲーションやエンターテイメント系の反応速度・表示精度の向上が体感できるレベルですが、アリーンの本格展開が始まれば、クラウド連携や音声AIとの高度な連動など、より未来志向の体験が可能になることが期待されています。
6. 市場・ユーザーの反応と評価
出典:LEXUS
6-1. SUVに移行したユーザーは戻るのか?セダン復権の兆し
近年、世界的なSUVブームの中で、セダンというカテゴリはやや押され気味でした。実際、従来のESユーザーがRXなどのSUVに乗り換えるケースも多く見られたのが現実です。しかし今回の新型ESは、そうした流れに一石を投じる存在になり得ると注目されています。
理由のひとつは、そのデザインとパッケージングの大幅な刷新により、従来のセダンにはなかった魅力を取り戻している点です。全高1555mmという数値は、セダンとしては異例の高さでありながら、クーペのような美しいラインと実用性を両立。まさに「SUVに飽きた人が次に選びたくなるセダン」として再注目されているのです。
また、後席の快適性や静粛性、荷室の広さといった面でもSUVに引けを取らない性能を備えており、ファミリーユースやビジネスシーンにも適しています。こうした進化を受けて、再びセダンに回帰する動きが出てくる可能性は十分にあると考えられます。
6-2. SNSや専門家の評価まとめ(肯定・否定的意見をバランス良く)
新型ESの発表後、SNSや専門家の間ではさまざまな意見が飛び交っています。まず肯定的な意見として多いのは、「ここまで大胆に変わるとは思わなかった」「内外装ともに未来感がすごい」「テスラやマツダEVに引けを取らないデザイン」といった声です。特にインテリアの進化や照明演出に関しては、高評価が多数寄せられています。
一方で、否定的な意見も存在します。「サイズが大きすぎて扱いにくい」「フロントのデザインが好みではない」「どこかで見たような既視感がある」といった声が見受けられました。また、一部の評論家からは、「高級感はあるが、独自性がやや薄れた」といった指摘も出ており、今後のデザイン方向性への疑問もあるようです。
それでも全体としては、現行のレクサス車の中でも特に先進的かつ革新的な1台として、多くの注目を集めていることは間違いありません。今後実車を体験した上で、より多くのユーザーの声が集まることで、真の評価が固まっていくことでしょう。
7. 今後のレクサスセダンの行方
出典:LEXUS
7-1. このESが示す「第5世代レクサス」の未来とは?
今回の新型ESは、単なるフルモデルチェンジにとどまらず、「第5世代レクサス」という新たなブランドの方向性を強く印象づける存在として登場しました。その証拠に、エクステリアデザインはこれまでのレクサスが大切にしてきたスピンドルグリルから一歩進んだ形で整理され、ミニマルかつ直線的な新しいフォルムが採用されています。フロントフェイスやリアランプの処理など、細部にわたって「新世代の美意識」が感じられます。
インテリアもまた、“魅せる空間”として革新が施されており、面発光イルミネーションやレスポンシブ・ヒドゥン・スイッチといった新機軸の採用は、今後の他モデルにも波及することが予想されます。また、和の文化を感じさせるカラー名称の採用や、フレグランスによる香りの演出など、五感に訴えるラグジュアリーの在り方が新しいステージへと進んでいるのです。
さらに、Lexus Safety System+ 4.0の初導入や、アリーンOSの段階的な導入も含め、今後の“アップデート可能な車づくり”という観点からも、新型ESは非常に重要な役割を担っていると言えます。このESを起点に、レクサス全体が「デザイン・テクノロジー・ライフスタイル」の三本柱を軸に大きく変わっていく兆しが見えてきました。
7-2. 次期IS/LSはどうなる?LF-ZC/LF-ZLとの関係性
新型ESの発表により、多くのファンの間で話題となっているのが「次期IS」や「次期LS」の方向性です。特に注目されていたコンセプトカー「LF-ZC」は、一部では次期ISの前触れと見られていましたが、実際には今回の新型ESにそのデザインDNAが活かされていたことが明らかになりました。この事実からも、LF-ZCはセダン全体のデザイン・思想の転換点を示すものであったことがわかります。
一方で、「LF-ZL」という大型のコンセプトカーも存在しており、こちらは将来のLS(フラッグシップセダン)のデザインやコンセプトに深く関わるものと見られています。現在のLSはやや保守的な印象を残しているだけに、次期モデルではこのLF-ZLのように、よりモダンで大胆な造形と、電動化を前提としたパッケージングが進む可能性が高いです。
また、次期ISについても、LF-ZCのサイズがESに近かったことから、新たにもうひとつ下の「スポーティ・コンパクトセダン」的なモデルが別途設計される可能性があります。より俊敏な操縦性や軽快さを求めるユーザー層に向けて、ピュアEVあるいはハイパフォーマンスPHEVとして登場することが期待されます。
このように、新型ESが導入されたことにより、レクサスセダン全体の再構築が現実味を帯びてきており、それぞれのモデルがどのような個性と価値を持って進化していくのか、今後の動向から目が離せません。
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