高級感を売りにした赤坂の完全個室サウナ「SAUNATIGER」で、2名の利用者が死亡する火災事故が発生しました。「なぜ火災が起きたのか」「原因はどこにあるのか」といった疑問がネット上でも多く寄せられています。
この記事では、事故が起きた状況や被害者の情報、専門家による原因の考察、そして運営会社の対応や今後の再開の可能性まで、現時点で判明している情報を整理してお届けします。事故を通じて浮き彫りになった個室サウナのリスクと今後の業界への影響についても詳しく解説します。
1. 赤坂の高級サウナで火災発生、なぜ大事故に?
1-1. 現場は「完全個室」の高級会員制サウナ
火災が発生したのは、東京・赤坂のビル3階にある「完全個室制」の高級サウナ施設です。利用者ごとにプライベート空間が確保されており、月額39万円の会員制プランもある“隠れ家的”ラグジュアリー施設として知られていました。
静かな空間と贅沢なサービスが売りで、一部のセレブや富裕層が利用していたとされます。完全個室という構造はプライバシーの観点では優れていますが、今回のような火災時に避難や通報が遅れやすいリスクもあります。
1-2. 午前11時の利用開始からわずか1時間半で悲劇に
亡くなった男女2人は、当日の午前11時から13時までの予約で個室を利用していました。火災が発生したのは正午すぎで、「非常ベルが鳴っている」と119番通報があったのは12時30分ごろ。利用開始からわずか1時間半足らずで取り返しのつかない事態となっていたことになります。
発見当時、2人は入り口付近で倒れており、病院に搬送されたものの約1時間半後に死亡が確認されました。
1-3. 発見された「こぶし大の焼け跡」と座席の焦げ跡
警視庁や消防の調べによると、サウナ室内の座席部分には「こぶし大の焼け跡」が複数確認されました。さらに、木製の背もたれや座面には黒焦げの痕跡が残っていたとのことです。
これらの焼損の痕跡は、火元が座席付近である可能性を示しており、原因解明の重要な手がかりとされています。
2. 死亡したのは誰?被害者2名の状況と消防の見解
2-1. 利用客の30代男女、裸で折り重なるように倒れていた
犠牲となったのは30代の男女2人で、サウナ室の入り口付近で、裸の状態のまま折り重なるように倒れていたと報じられています。
これは緊急時に出口に向かって避難しようとした可能性を示唆しています。サウナ内にいた時間と火災のタイミングから見ても、異変に気付いたときにはすでに逃げ場を失っていたのかもしれません。
2-2. 一酸化炭素中毒や熱傷の可能性と今後の鑑定方針
2人の死因については、現時点で明確には発表されていませんが、消防関係者や専門家は一酸化炭素中毒または熱傷の可能性を指摘しています。
狭い空間での火災は煙の充満が早く、特に換気設備が不十分だった場合は、短時間で命に関わる状況になり得ます。警察と消防が今後、遺体の司法解剖やサウナ室の構造調査を進めるとみられています。
2-3. 「煙が廊下に漏れていた」と語る関係者の証言
施設の関係者によると、火災が起きた部屋から煙が店の廊下に漏れ出していたとのことです。これはサウナ室の密閉性や防火設計に問題があった可能性を示す証言です。
煙が廊下に達するほどだったという事実から、火の勢いや延焼範囲についても再検証が必要とされており、他の利用者の安全確保体制も問われています。
3. 火災の原因は?専門家が指摘する3つの可能性
3-1. 換気不良による一酸化炭素中毒のリスク
元東京消防庁の特別救助隊員によれば、完全個室型のサウナは構造的に空気の流れが制限されやすく、換気が不十分な場合には一酸化炭素が室内に充満しやすいと指摘されています。特に木材を多用した施設では、不完全燃焼が起きた場合、短時間で致命的な中毒症状を引き起こす可能性があるとされています。
3-2. リチウムイオン電池の過熱・発火の可能性
もう一つの可能性として、サウナ室へのスマートフォン持ち込みが許可されていた点が挙げられます。高温多湿の環境では、スマホなどに使われているリチウムイオンバッテリーが過熱し、発火するリスクが高まります。今回の火災でも、こうしたバッテリーの異常が原因となった可能性があるとして、警察と消防は詳しい調査を進めているとのことです。
3-3. 木製座席の焼損から見える火元の推定
最後に注目すべきは、現場の座席に集中して焼け跡が確認されているという事実です。複数のこぶし大の焼け跡が見つかっており、特定の箇所で発火が起きたと考えられています。サウナ室の材質や配置状況、周囲の発火物の有無など、詳細な現場検証によって火元の特定が急がれています。火の出どころが座席だった場合、設計や素材選びにも再検証が求められるでしょう。
4. SAUNATIGERの運営会社はどこ?今後の対応
4-1. 「当面営業停止」と発表した運営会社の公式コメント
火災が発生した高級サウナ「SAUNATIGER」を運営する会社は、都内に拠点を置く法人で、施設の設計やサービス内容にも独自のこだわりを持っていました。
事件後、同社はすぐに公式ホームページ上で「当面の間、全館営業を停止いたします」と発表。さらに、「原因が判明するまで、すべての予約受付・新規会員登録も停止」とし、利用者への影響を最小限にとどめる措置を講じています。
施設の安全性に対する社会的な信頼を損ねる事態となったため、誠意ある対応が求められています。
4-2. 原因究明と再発防止へ向けた取り組み
運営会社は、今回の火災の原因について警視庁と東京消防庁の調査に全面的に協力する姿勢を見せています。また、被害者や遺族に対しても真摯に対応していくとし、「今後、再発防止に向けた具体策を講じていく」とのコメントを発表しました。
現場の構造、換気設備、使用素材、非常時対応体制など、施設全体の安全基準を見直すとともに、専門家による外部監査を受け入れる方向で調整が進んでいると見られます。
4-3. 利用者への影響と今後の営業再開の見通し
今回の火災により、すでに予約を入れていた利用者からはキャンセルの対応や返金に関する問い合わせが相次いでいるとのことです。また、高額な月額料金を支払っていた既存会員に対しては、返金または再開後の優遇措置などを検討している段階です。
営業再開については現時点で未定とされていますが、原因が特定され、安全性が確認されるまでには相当な時間がかかる可能性があります。信頼回復には透明性の高い情報公開と、実効性のある安全対策が不可欠です。
5. 「隠れ家サウナ」は安全なのか?世間の反応と課題
5-1. 「高額でも安全性が欠如していた」との批判の声
今回の事故を受け、「高額でも命が守られないのか」といった厳しい声がインターネット上を中心に広がっています。月額数十万円を支払って利用する高級サウナが、最も基本である“安全性”を担保できていなかったことに対し、ユーザーや業界関係者から疑問の声が上がっています。
「ラグジュアリー」や「プライベート空間」を売りにする施設ほど、安全性の確保が不可欠であることが改めて浮き彫りになりました。
5-2. SNSで広がる不安と再開に向けた課題
SNSでは、「他の個室サウナでも同じことが起きるのでは?」といった不安の声も投稿されています。とくに完全個室型サウナは、災害時に周囲の気づきが遅れやすく、救助も難航しやすい構造です。
再開を目指す場合、非常通報システムの強化や監視体制の整備、スタッフの配置方法など、施設運営の根本から見直す必要があると指摘されています。また、消防法や建築基準に照らした法的整合性も今後の大きな課題です。
5-3. 今後の個室サウナ業界全体への影響
今回の火災事故は、SAUNATIGERだけでなく、同様の個室サウナ施設を展開する事業者全体に影響を与える可能性があります。
プライベート空間の需要が高まる中で、「安全性と快適性の両立」という課題が浮き彫りになったことで、今後のサウナ業界には新たな安全基準やガイドラインの策定が求められるでしょう。消費者も、サービスの豪華さだけでなく、安心して利用できる環境かどうかを見極める意識が必要になってきています。
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