「N-BOXの4WDって、切り替えボタンはどこにあるの?」と気になって調べている方も多いのではないでしょうか。軽自動車とは思えないほど人気のN-BOXですが、その4WDシステムは少し独特。ボタンで切り替える方式ではなく、なんと自動制御式なんです。
本記事では、N-BOXの4WDに本当に切り替えボタンがないのか、その仕組みや実際に作動するタイミング、各グレードでの価格差や燃費の違いなどを徹底解説します。さらに、2WDとの違いや冬の走行性能、どんな人に4WDが向いているのかもわかりやすくご紹介。N-BOX購入を検討している方、4WD選びで悩んでいる方は必見の内容です。
N-BOXの4WDには切り替えボタンがあるの?
出典:HONDA
「切り替えボタンなし」は本当?
はい、N-BOXの4WDモデルには、よくある「4WD切り替えボタン」は搭載されていません。これは意外に感じる方も多いと思いますが、実際にホンダ公式のN-BOXには手動で切り替えるようなスイッチやレバーは存在しないのです。
たとえば、スズキのジムニーや一部のSUVには、2WDから4WDにドライバー自身が切り替えるボタンやダイヤルが付いていますよね。しかし、N-BOXではそのような機能が省略されています。これは、N-BOXの4WDシステムが「自動制御型」であることが理由です。ドライバーが意識して操作しなくても、路面状況に応じてクルマが自動で駆動力を配分してくれる設計になっています。
つまり、ユーザーが「雪道だから4WDに切り替えなきゃ」と焦る必要はなく、普段通り運転していれば必要なときに4WDが作動するという安心設計です。とくに運転に不慣れな方や、日常的に悪路を走る機会が少ない方にとっては、非常にありがたい仕様と言えるでしょう。
なぜ手動切り替えではないのか?
N-BOXに手動切り替え式の4WDが採用されていない理由は、「日常使いに最適な利便性」と「安全性の向上」を重視しているからです。ホンダはN-BOXを、都市部から雪道まで幅広く使える“生活密着型の軽自動車”として設計しています。そのため、複雑な操作を省き、誰でも簡単に安心して使える仕様にしているのです。
具体的には、N-BOXの4WDは「FF(前輪駆動)」を基本としながら、滑りやすい路面やタイヤの空転をセンサーが検知すると、自動で「後輪」にも駆動力を配分する仕組みです。つまり、ボタン操作の手間なく、クルマが勝手に判断して最適な駆動力を送ってくれるのです。
こうしたシステムは「フルタイム4WD」と呼ばれるものに近く、雪道や雨天などの不安定な状況でも安定した走行を可能にします。一方で、オフロード走行や山道などの“本格4WD”が求められる状況では限界もありますが、N-BOXの主な使用目的である「街乗り+たまに雪道」では、非常に合理的で扱いやすいシステムといえます。
N-BOXの4WDシステムの仕組み
出典:HONDA
常時前輪駆動+必要時に後輪駆動(自動制御)
N-BOXの4WDシステムは、常に4輪が駆動しているわけではなく、「通常は前輪駆動(FF)」として走行します。そして、路面の状態やタイヤのスリップ状況に応じて、必要に応じて「後輪」にも駆動力を送る方式です。これを「オンデマンド式4WD」と呼ぶこともあります。
このシステムの大きな利点は、燃費と安定性のバランスが良いことです。実際、N-BOXの燃費性能を見てみると、4WDモデルでもWLTCモードで18.4~19.4km/L(グレードにより差あり)と、比較的優れた数値を実現しています。これにより、都市部での普段使いでは燃費を重視しつつ、雪や雨など滑りやすい道路では自動的に安全性を高めてくれる構造です。
ホンダがこのような自動制御型のシステムを採用しているのは、ドライバーが駆動の切り替えを意識せず、いつでも安心して運転できるようにするため。特に高齢者や初心者ドライバーにとっては、複雑な操作が不要であることは大きな安心材料になります。
実際に4WDが作動する場面とは?
では、N-BOXの4WDはどのような場面で自動的に作動するのでしょうか? たとえば、次のような状況が考えられます。
- 雪道やアイスバーンなどで、前輪が空転したとき
- 雨でぬかるんだ道を走るとき
- 坂道発進で前輪のグリップが弱まったとき
- 砂利道や濡れた草地など不整地での発進時
これらの場面では、前輪だけで駆動力を確保するのが難しくなり、センサーが「スリップ」を検知すると、リアタイヤ(後輪)にも瞬時に駆動力が送られます。ドライバー自身は何も操作しなくても、まるでクルマが「賢く判断して助けてくれる」ような感覚で、安全に発進・走行ができるようになるのです。
もちろん、これはSUVのように本格的なオフロードを走るための4WDではないため、深い雪道や未舗装の山道などには限界があります。しかし、日常的に起こりうる滑りやすい場面では、必要十分な走行性能を備えています。これがN-BOXの4WDシステムの大きな魅力であり、都市部~郊外での使用を考える多くの方にとって、頼れる存在となるでしょう。
グレード別:4WD搭載モデルと価格比較
出典:HONDA
各グレードでの4WD設定と価格差
ホンダN-BOXの4WDモデルは、さまざまなグレードに設定されており、用途や予算に応じて幅広い選択肢が用意されています。代表的なグレードとしては、「N-BOX(標準モデル)」「N-BOX カスタム」「N-BOX JOY」「N-BOX カスタム ターボ」などがあり、それぞれに2WDと4WDの両方がラインナップされています。
たとえば、標準モデルの「N-BOX」は2WDで約1,689,600円から購入可能ですが、4WDモデルになると約1,822,700円と、約13万円ほど価格が上がります。同様に、「N-BOX カスタム」は2WDが約1,868,900円、4WDは約2,002,000円と、こちらも約13万円の差があります。
また、ターボエンジンを搭載した上位グレードの「N-BOX カスタム ターボ コーディネートスタイル(2トーン)」の場合、2WDで約2,249,500円、4WDでは約2,382,600円と、やはり13万円前後の価格差です。グレードが上がるにつれて、装備やデザインが豪華になる分、価格も比例して高くなりますが、4WD化による価格差はほぼ一定であることが分かります。
価格差の主な要因は、駆動方式による構造の違いや、4WD特有の部品追加によるものです。雪道や悪路でも安定した走行を可能にするためのコストと考えれば、この差は納得できる範囲ともいえるでしょう。
カスタムやJOYシリーズの特徴と選び方
N-BOXシリーズの中でも、特に個性を打ち出しているのが「カスタム」シリーズと「JOY」シリーズです。まず、「N-BOX カスタム」は、スポーティで高級感のある外観デザインや、LEDヘッドライト、クローム加飾などが特徴。室内装備も充実しており、シートヒーターや上質な内装材が使われているため、快適性を重視したい方におすすめです。
一方、「N-BOX JOY」は2023年モデルで追加された新しいラインで、「JOY(標準)」「JOY ターボ」などのバリエーションがあります。JOYシリーズは、可愛らしい外観と内装デザインが魅力で、若い世代やファミリー層にも人気です。ボディカラーにはモノトーンと2トーンが選べ、2トーン仕様では見た目にアクセントが加わり、街中でも目を引く存在になります。
選び方のポイントとしては、「走行性能と高級感を重視する方」はN-BOX カスタムターボ系、「デザインと価格のバランスを求める方」はJOYシリーズがぴったりです。どちらのシリーズにも4WDモデルが用意されており、雪道や雨天時の走行でも安心して選べるようになっています。価格帯も2WDとの差は約13万円と一定なので、使用シーンに応じて駆動方式を選ぶのが賢明です。
N-BOXの4WDはどんな人におすすめ?
出典:HONDA
寒冷地・山間部に住む人
N-BOXの4WDモデルは、特に雪の多い地域や坂道の多い山間部にお住まいの方におすすめです。なぜなら、N-BOXの4WDは自動で後輪にも駆動力を配分するシステムが採用されており、滑りやすい路面でも安定した走行を実現してくれるからです。
たとえば、北海道や東北、北陸などの降雪地域では、冬になると路面が凍結する機会が多くなります。こうした場面では、前輪駆動だけでは発進時やカーブでスリップしやすくなりますが、N-BOXの4WDであれば自動で後輪にトルクが送られ、しっかりと地面を捉えてくれるため安心です。
また、N-BOXには「フロントガラスのデアイサー」や「リアウィンドウの熱線」など、寒冷地対応の装備も標準で備わっているため、特別な“寒冷地仕様車”を選ばなくても冬場に十分対応できます。さらに、高性能なヒーターが搭載されているため、寒い朝でもすぐに車内を暖かくでき、快適性も高いです。
冬の安全性を高める意味でも、寒冷地にお住まいの方は4WDモデルの選択が非常に現実的で、スタッドレスタイヤとの組み合わせでさらに安心して冬を乗り切ることができます。
都市部中心でも4WDは必要?
都市部中心で生活している方の中には、「4WDって必要?」と疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれません。確かに、東京や大阪などでは雪が降る機会は少ないかもしれませんが、それでも4WDが役立つ場面はあります。
まず、都市部でも突然の大雨や台風の影響で道路が冠水したり、滑りやすくなったりすることがあります。そんなとき、4WDであれば前輪が空転しても後輪が駆動を補ってくれるため、安全に脱出できる可能性が高まります。
また、都心でも坂道や立体駐車場の急なスロープなど、駆動力が問われる場面は意外と多いものです。特に、家族でお出かけした帰りに雨が降っていてスロープが滑りやすくなっていた…というようなシーンでは、4WDの安心感が大きなメリットになります。
さらに、近年の気候変動により、これまで雪があまり降らなかった地域でも積雪が増える傾向にあるため、「いざというとき」の備えとして4WDを選んでおくというのも一つの考え方です。日常の大半が舗装路であっても、天候の変化や緊急時の対応力を求める方には、N-BOXの4WDモデルは心強い選択肢になるでしょう。
2WDとの違いとメリット・デメリット
出典:HONDA
燃費の違い(実例付き)
N-BOXの2WDと4WDでは、やはり燃費に違いが出ます。これはどの車種にも言えることですが、4WDは構造上どうしても車両重量が重くなり、駆動力を4輪に分配するためにエネルギー効率が落ちやすいからです。
具体的な数字で比較してみましょう。たとえば、人気グレードである「N-BOX CUSTOM」の場合、WLTCモードでの燃費は以下の通りです。
- 【2WDモデル】21.5km/L
- 【4WDモデル】19.4km/L
約2.1km/Lの差があり、これは満タン(27L程度)で走れる航続距離にして50~60km近くの差になります。年間で1万km走る場合、4WDモデルのほうがガソリン消費量は約47L程度多くなり、レギュラーガソリンが160円/Lと仮定すると、年間7,500円ほど燃料費に差が出る計算です。
このように、日常使いでの燃費効率を重視する方には2WDの方が優れているのは確かです。ただし、これはあくまでカタログ値と平均的な使い方を元にした計算であり、実際の使用環境や運転の仕方によっても変動します。
駆動方式による走行安定性比較
燃費だけで見ると2WDが有利に見えますが、4WDには「走行安定性」という大きなメリットがあります。N-BOXの2WDモデルは前輪駆動(FF)で、乾いた舗装路や通常の道路では快適に走行できますが、滑りやすい路面では前輪のみでの駆動が頼りになるため、発進時やカーブで不安定になることも。
それに対して、N-BOXの4WDモデルは、通常は前輪駆動で走りつつも、滑りやすい状況になると自動的に後輪にも駆動力を分配する設計になっています。これにより、路面状況が悪化した際でも車体が安定しやすく、特に雪道や雨天、砂利道などでは安心感が段違いです。
たとえば、冬場の朝、凍結した路面で2WD車がスリップしている横を、4WDのN-BOXがスムーズに発進していく……というような場面は、雪国ではよくある光景です。安全面を重視したい方や、家族を乗せる機会が多い方にとっては、燃費を多少犠牲にしてでも4WDを選ぶ価値は十分にあります。
燃費・経済性:4WDでどれだけ損する?
出典:HONDA
実燃費の目安とカタログ値の差
カタログ燃費は、あくまで試験環境での数値のため、実際に日常で使ってみると差が出るのが一般的です。N-BOXの場合も同様で、実燃費はカタログ値の80〜90%程度と見ておくのが現実的です。
たとえば、N-BOX JOY ターボ(4WD)のカタログ燃費は18.4km/Lですが、実際の街乗りや信号の多い道では、おおよそ15〜16km/L前後になるケースが多いようです。高速道路中心であればもう少し伸びるかもしれませんが、通勤や買い物などの日常使いでは、そこまで伸びないと考えておくと良いでしょう。
一方で、2WDモデルの場合は20km/L前後の実燃費が期待でき、トータルで見ると年間のガソリン代に数千円〜1万円程度の差が出ることになります。この差をどう見るかは使用者の価値観次第ですが、安全性や安心感とのトレードオフだと考えると納得しやすいかもしれません。
ECONスイッチとの併用で節約可能?
N-BOXには「ECONスイッチ」という、ホンダ独自のエコドライブ支援機能が搭載されています。このスイッチを押すと、エンジンの出力やエアコンの作動を抑えて、燃費向上をサポートしてくれます。
4WDモデルでもこのECONスイッチは有効に働きます。たとえば、加速時にエンジンのパワーを控えめにすることで、不要な燃料消費を抑えたり、アイドリング時の空調消費を抑えたりと、日常使いにおいて無理なく燃費を伸ばすことが可能になります。
ただし、注意点としては、ECONモードでは加速が若干もたつく感覚があるため、坂道発進や高速道路の合流時などには向いていない場面もあります。ですので、状況に応じてECONモードをオン・オフするのが最も効率的な使い方になります。
つまり、4WDであってもECONスイッチを賢く使うことで、経済性のデメリットをある程度カバーすることができます。安全性と燃費のバランスを両立したい方には、ぜひ活用していただきたい機能です。
冬の走行性能と寒冷地での装備
出典:HONDA
スタッドレス+4WDの実力
冬の道路は、雪や凍結によって非常に滑りやすくなり、思わぬ事故の原因にもなります。そういった場面で、N-BOXの4WDモデルは頼れる存在です。なぜなら、通常は前輪駆動で走行しつつ、路面状況によって後輪にも自動的に駆動力を配分してくれるからです。雪道やアイスバーンなど、前輪だけではグリップ力が足りない状況でも、4輪での力強い走行が可能になります。
ただし、4WDだけでは完璧な冬対策とは言えません。そこで欠かせないのが「スタッドレスタイヤ」です。N-BOXのような軽自動車でも、スタッドレスを履かせれば、4WDとの相乗効果で冬場の走行安定性が格段に向上します。特に、発進時やカーブでの横滑り防止、急なブレーキ時のグリップ確保において、大きな違いが体感できます。
たとえば、北海道や東北地方のように積雪が日常的な地域では、スタッドレス+4WDの組み合わせはもはや標準装備レベルといえるほど浸透しています。逆に、2WD車にスタッドレスだけでは坂道発進が難しいケースも多いため、「スタッドレスと4WDの両方が揃って初めて冬の安心が得られる」というのが現実です。
寒冷地向け装備は標準?
ホンダN-BOXには、寒冷地向けの専用グレードは用意されていませんが、実は「寒冷地仕様車をわざわざ選ばなくても大丈夫」と言えるくらい、標準で冬に役立つ装備が充実しています。
具体的には、「フロントガラスのデアイサー(霜取り機能)」や「リアウィンドウの熱線」は、どのグレードでも標準装備されており、冬の朝に霜が降りた時やガラスが結露した際でも素早く視界を確保できます。また、ヒーター性能も非常に優れており、エンジン始動後すぐに車内が暖まるため、寒い季節でも快適に過ごすことができます。
さらに、4WDモデルであれば、滑りやすい雪道での発進や停止時においても高い安定性を確保できるため、特別なオプションを追加しなくても寒冷地での使用にしっかり対応できる設計となっています。もちろん、地域によってはスタッドレスタイヤの装着は必須ですが、それ以外の装備については「標準でも十分」というのがN-BOXの大きな魅力の一つです。
結論:N-BOXの4WDを選ぶべき人は?
出典:HONDA
ボタンがないことの安心感
「4WDに切り替えるボタンがないなんて不便では?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にはその逆で、N-BOXの4WDは“ボタンがないからこそ安心”なのです。
N-BOXの4WDシステムは、ドライバーが操作しなくても車が自動で路面状況を判断し、必要に応じて後輪に駆動力を送ってくれます。つまり、雪が降っているからといってスイッチを押す必要もなく、路面が滑りやすくなった瞬間に車が勝手に最適な駆動力を選んでくれるというわけです。
特に運転に不慣れな方や、年配のドライバーにとっては、「切り替え忘れ」「操作ミス」のリスクがなくなるのは非常に大きなメリットです。自分の判断で駆動方式を変えなければいけないクルマよりも、常に最適な状態を維持してくれるN-BOXの4WDは、むしろ安心感に直結するシステムと言えるでしょう。
自動制御4WDの賢さと注意点
N-BOXの4WDは、常に四輪を駆動する「フルタイム4WD」ではなく、通常は2WD(前輪駆動)で走り、必要に応じて後輪に駆動力を配分する「オンデマンド式」に近いシステムです。この自動制御タイプのメリットは、無駄なエネルギー消費を抑えられること。必要な時にだけ4WDが作動するので、燃費もある程度維持されます。
ただし、注意点もあります。それは「本格的なオフロード走行には向かない」ということです。N-BOXの4WDは、あくまでも日常生活の中での“滑りやすい路面に対する補助機能”という位置づけですので、深い雪道や岩場、急な悪路などを想定した4WD性能はありません。
とはいえ、都市部でのちょっとした雪、坂道、雨の日のぬかるみなど、現実的な走行環境であれば必要十分な性能を持っています。しかも、切り替え操作が不要で、自動で最適な駆動配分を行ってくれるという点で、非常に使い勝手の良い4WDシステムとなっています。
このように、N-BOXの4WDは“操作不要で賢く動く、安全・快適な4WD”として、雪道や悪天候時でもしっかり頼れる存在です。特別な知識や技術がなくても安心して乗れる点が、多くのユーザーに支持されている理由の一つだと言えるでしょう。
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